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2022年で検証したかったこと/教育編

今年は無事ヒロック初等部をつくることができました。想像していた以上に皆さんに注目していただいて、無事初年度が2/3終わりました。まだ一年経っていないの?濃い毎日を過ごさせてもらってます。

10年の教員生活で得た設定課題

・成長ってあんまり喜ばれないな、成長していない(と判断されたら)怒られるのに。子どもも大人も。
・仕事も勉強も意味より時間に注目されてそうだな(長くやって偉い、時短したからすごい)
→やったことがどんな意味を持つかを改めて自分でも考えようと思いました。


オルタナティブスクールの設立をして検証したかったこと、検証できたこと

私立ではなくオルタナティブスクールに活動の場を移したのは試してみたいことがあったというのも大きな理由です。それが以下。


①自己調整学習(教科自由進度、マイプロジェクト)とテーマ学習に時間を突っ込めば健全な育みが達成できる。少なくとも二次障害を発生させずに日々の成長をサポートできる。
②二次障害さえ起こさなきゃいいと思っている。少なくともカリキュラムを踏破するわかりに二次障害を起こしていたらトレードオフとして損すぎる。
③たくさん「やらせる」ことよりもどれだけ学習者の現状をみとって教員同士話し合う時間をもつことのほうが効果は高い。(ヒロックは9:00-14:30。一般的な学校は8:15-15:30、放課後のクラブ活動などを合わせると-17:00)
④個人にカスタムした育ちの場はつくれる。
⑤教員の仕事、ブルシットジョブが多い!ブルシットジョブは減らしてもなにも問題ない!

この検証が意味すること

①多様な学びの場はつくられていい
②「たくさん努力しなきゃいけない」という自分への呪いを解ける
③「子どもにたくさん勉強させないと親失格」という親の呪いを解ける
④既存のものから選ぶ、から、自分で必要なものをつくる事ができる

②は当然のこと、特に③は周りのパパママにも思って欲しくないかなあ。
②③を達成するための①と④な気もする。

アカデミックな文脈でも証明されつつあるし。今年いろんなセミナーでお話しさせてもらったけど、なんだかんだハッティの引用めちゃした気がする。あとロバートの「モチベーション再考」。

最後のは「小学生での宿題の効果は0」って話。中高もなくはないけれど、もっといい学習法はいくらでもある、ぐらいの体感は今年持った気がする。

閑話休題。

やはり
②「たくさん努力しなきゃいけない」という自分への呪いを解ける
③「子どもにたくさん勉強させないと親失格」という親の呪いを解ける
は大事。

ヒロックができた意味

以上の論点は「教育本にはよく書いてあるけれど、あまり誰も試してないこと」だと思っています。
ある意味、ぼくを始めヒロック初等部に関わってくださった方は「あまり誰も試していないことを試した結果を体感で持っている人」なんだと思っています。
これらの経験はぼく達だからできる、次のステップを支える重要なエビデンスです。

次に検証したいこと

①子どもだけが学ぶ場ではなく、大人も同じ場で学んでいることのほうが子どもにも大人にも成長が進む。
→「大人が知っていることを教える」ではなくて『「学びって面白い、学びって意味があるを感じることができる場」をどう作るか、のほうが意味が高い』ということだと思う。小学生の中の異学年、無学年ではなく、学習者としての括りで場をつくる。

子どもから大人が学ぶことを当たり前にする。
育ちの場って発見が尽きません。人それぞれいろんな感じ方、考え方をするし、人の育ちも十人十色。育ちの場で子どもから発見させてもらうことは生き方のヒントが満載です。


近くはない将来にやってみたいこと

地方に公教育とは違った学びの場をつくりたいと思っています。ヒロックとは違うオルタナティブスクールになるかもしれません。自分はその時、経営として携わるのか、教員として携わるのかはわかりません。ヒロックとはずっと関係を持っていたいし。そんなことを頭の片隅に置きながら来年も再来年もヒロックでの学びを楽しもうと思います。


ヒロック自体は大きくするつもりはありません。世田谷のあの場所で、あのサイズでやっていることに意味があるからです。うまくいったから拡張しよう、はあまり興味がありません。
それよりも別のものが生まれることのほうが興味があります。


東京だからできる、ではなく、「この土地だからできる(東京ではできない学び)」を実現することはよりよい民主制を表現できることに繋がると思っています。ひとりひとりがもっと自由になっていいし、ひとりひとりの強味と弱味を活かせることが大事。

中央集権的な方法は限界を迎えています。正直、中央集権的な方法は意義もなければ効果も高くないと感じています。「中央」以外のもののパフォーマンスが発揮できないからです。

ぼくは無駄遣いが嫌いです。地方が東京の下位互換になっているのは本当にもったいない。どこに行ってもとりあえず大きい駅のそばにイオンとTOHO映画館と東横イン。ちょっと外れた駅には東進衛星予備校。
その土地の美味しいものとか、素敵な景色とか、文化とかが東京じゃないから評価されないのは違うかなあ。

東京を含めたすべての地方がそれぞれの良さを十二分に発揮できる文化をつくること、それぞれにシナジーが生まれることはどうやらぼくの人生のテーマになりそうです。


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