惚気と罪。

自分の恋愛観についての備忘録その1

大分前に某イラスト登稿サイトで見つけてずっと気になっていたコミックを数日前に買った。それを今日寝る前に開封して初めて読んだ。
内容は新婚夫婦が互いの関係を更に進展させようとするも上手く”事”を伝えられず中々コトを進められないというもどかしいけど甘酸っぱい恋愛ストーリー。自分で言うのもアレではあるけれど、ここに出てくる登場人物の性格がなんだかむこうと自分の性格と一致しているような気がして、だから余計に胸がキュンキュンしてしまった。

それはそうとして。

やはり物語は物語なのでバランスがとれている所がある。特に「どっちから想いを伝えるか」という点。勿論普通に読んでいる分には何ら異和感もないし、話の展開も凄く楽しめた。だけど自分と比べてみると基本的に想いを言葉にしろ行動にしろ伝え始めるのはいつも自分からだ。だからこの物語みたいにむこうからもアクションをしてくれたらいいなと思ってしまった。

別に僕らはお互い信用してないわけでは無い。むこうが普通に感情を伝えて他人に心の依り処を作ろうとするのが苦手で、そんなむこうをうちは傷つけてしまわないように、と慎重になっているだけだ。付き合い始めの頃と比べれば、勿論同世代の一般的なカップルよりは全く進展が遅いけれど、でも確かにお互いの信頼は築き上げてきている。それでもやっぱりむこうにとって慣れなくて嫌なことはたくさんあるし、それを強要させるのはこっちとしても嫌だ。それにいつもうちから甘えるのは男の子としての面目が無くなっていくような気がして、だからむこうから何か行動してくれないかなと期待してしまう。
けど。
こんなの全部自分の責任を軽くしようとする言い訳でしかなくて。むこうからの愛情を感じたいという気持ちは確かに本心であるけれど、それでもむこうが傷ついてしまった時への自己防衛線のようなモノでしかなくて。だから物語のようなフェアな双方的関係は自分には我儘でしかないんだ。もし本当にむこうとフェアな関係になりたいなら、むこうが慣れないことを要求して僕の幸せを擦り込ませるしかないんだ。

もし相手が元々、うちと同じように何か思惑を持っていたのなら自分はここまで考えなかったと思う。でも今のむこうは真っ白な壁だから、そこに自分の色を塗る罪がある。白を塗り潰し壁を壊してやっと理想の関係に近づくのかもしれない。なんて汚くて、悲しくて、残酷なのだろう。

どうか自分がこの宿罪を忘れませんように。