製図道具の思い出(4)
三角スケール
図面に当て寸法を読み取ったり、コンパスやディバイダで寸法を出すのに使ったりで、よく使った。時には、巻き癖のついた原紙を押さえる重し代わりにもなった。
コピー機が青焼きから白焼き、普通紙のコピー機が主流になりつつあった頃だ。拡大・縮小コピーができるのが売りの一つだった。その頃にコピー機の会社から購入したのが上の写真の三角スケールだ。
三角スケールには面ごとに、異なる尺度で目盛が刻んである。このスケールの特徴は、×0.7 の目盛があることだ。
A3サイズの図面を縮小コピーしてA4サイズにしたとする。この時の縮尺は1/2ではない。0.7 となる。(正確には、2の平方根の逆数=0.7071)
縮小コピーされた図面から寸法を測るのに×0.7の目盛を利用するというわけだ。
アイデアはよかったかもしれないが、実際は実寸とハーフの縮尺以外はあまり使うことがなかった。
ドラフティングテープ
製図板に図面を貼るときに使用する粘着力の弱いテープ。マグネットで図面を固定するようになってからはあまり使わなくなった。
ドラフティングテープの思い出は、製図用紙の貼り方だ。学校でなく会社で知った。
製図用紙に限らず、巷でよく見かけるのはほとんど図のような貼り方だ。
ところが、会社では、違う貼り方をしていた。
こちらの貼り方のほうが合理的だ。製図用紙をはがすときに紙が破れない。貼る場合もテープを紙に貼った後、テープを引っ張って貼るとしわができにくい。対角の角を順にやるのがコツだ。目から鱗が落ちた経験の一つだ。
後年、機械製図の技能検定の受検指導をしたときは、もっと厳重に貼るよう指導をした。このような具合だ。
実務ではここまでしないが、技能検定は違う。製図用紙に破れがあると重大な減点があるからだ。
※ 気になって「製図用紙の貼り方」でWEB検索してみた。どちらの方法も紹介されていた。
※ 1級建築士の製図テクニックの説明のほうが、説得力があると思う。