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万引き裸族の感想のような考察のようなもの

「有吉の壁カベデミー賞THE MOVIE」の「万引き裸族」の感想を書きたいだけで衝動的にnote登録しました。

「万引き家族」ではありません。
分かりやすさ重視で役名では無く本人の名前で書いています。
ネタバレ有り、鑑賞後前提の個人の感想です。




以前もぐらさんが
(多分ラジオの初期頃だったような気もするけど何の回だったか思い出せない)

「全てが良い人間がいないように、全てが悪い人間も存在しない」
というようなことを言っていたような記憶を思い出した、
そんな映画でした。



服を着ない人間の象徴のゴルゴ松本さん。
(実際、過激な団体のドキュメンタリーで
元を辿れば、思想は実はどうでもよくて大変な時に助けてくれたのがそういう団体のオヤジとか先輩だからその人に一生ついてくってパターンあるよねー)

映画みた後に聞き返した個人的に好きなドキュメンタリーのインタビュー(コントじゃなくガチなやつだけどこの映画見た後だと何がリアルで何がコントか分からなくなるやつ)↓


一方、服を着る人間の象徴の相田さん。
(パチンコ屋で台パンしたりするけど普通に働いてる社会的には善良な人。
ていうか相田さんが特別良い人なシーンは無いんだけど栞里ちゃんが選んだ相手なら良い部分もあるんだろうという番組観てる人への共通認識の使い方がすごい)

それぞれに善悪のラインがあって

もぐらさんにとっては「台パンするな」より「服着て台パンするな」で怒ったり

裸族の中でも、じろうさんの靴墨はじろうさん以外には要らない物だけど本人にとっては必要なことなんだろうとか
 
もぐらさんと賀屋さんがどういう関係か聞かれた時の「具合」「塩梅」が多分そういう「生きる上での価値観」を表していて、
それの相性の合う相手を見つけたり、最終的にはゴルゴさんのように妥協点を探したりして人間は社会に生きているんだろうな。

あと金髪の益子さんが万引き家族の松岡茉優ちゃんみたいな存在感、
他人から見たら「ここで生活するくらいなら田舎帰ったらいいのに」とちょっと思ってしまう、裸族の中でも少し異質な感じがなんか良かった。



それから、服を脱ぐ必要性が無い人間。
わざわざ悪いことをしなくても生きていける長谷川さんと視聴者は、裸族に対して「どうしようもない奴ら」だと思いながらも「なんか楽しそうで羨ましい」とも思ってしまう。

今は一般人で居られても、何かきっかけがあれば服を着ない側の人間になる可能性は誰にでもあるかもしれない。
無いかもしれない。

じろうさんの「器用にできない人間もいる」「文句があるなら殺せ」は、いつか追い込まれた時に自分が言う言葉かもしれない。
飼育されたヤドカリは他人からエサが与えられないと簡単に死んでしまう。


そして、もぐらさん(服を着ない人間)が密かに想いを寄せていたヒロインの栞里ちゃんが相田さん(服を着ていることに疑問を持たない人間)と結婚していた展開に
思わず帰り道は銀杏BOYZを聴きました。
「駆け抜けて性春」を聴きました。

(あんまり役と本人を混同させるのも良くないのであれだけど、撮影中の裏話で
もぐらさんの密着映像が「パチンコやるために巻いて撮ったけど結局負けた」だったのに対して、
相田さんのラジオの話が「待機が長くて暇を潰すためにパチンコしたら20連チャンした」だったのを後から思い出して、二人ともハマり役すぎない?って怖くなったよ…)


そこに一矢報いるラストでも、本人たちは知らない、栞里ちゃんですらもぐらさんが前からずっと見てたことは知らない。
視聴者にしか分からない情緒がもぐらさんらしくて良かった。

裸族の彼らが「実はお互いのことをよく知らない」と言っていたように、服を着ないことが必ずしも何でも曝け出すということでもない。

むしろ服を着ないことが、それぞれの善悪やロマンや大事にしているものを尊重して生きる手段に思える。

「一般的な感覚」では、栞里ちゃんは世間体を気にして(服を着る側の人間だからこそ)キスの件を秘密にしたのでは?とも思えるラストに
だけど「じゃあ一般的な感覚ってなんだよ」ってオチがすごく良かったです。

有吉の壁自体が、常連であってもウケることもあればスベることもある世界で
「スベってもそれはそれで面白いじゃん」「人がスベってるのって最高に笑えるじゃん」って言っても許されるのが好きで

万引きも裸も絶対ダメなことなんだけど、完璧な人間だけの世界よりは
その辺に全裸の奴がいるくらいの方が余程リアルだった。

だから有吉の壁が好きなんだよな。
サイコゥサイコゥサイコゥ!

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