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マスキングテープで人を象る

先日のアートの会では、マスキングテープを使いました。
10月の芸工展でお会いしたコジマユウジさんを連想します。

当初発表されていたテーマは「人を知る」というものだったので、
人物画に挑戦することになるのかな、と思っていましたが
2,3人のグループを作って、白壁に好きなポーズで張り付いてもらい、
そのポーズについてまずはマスキングテープでその輪郭を固定記録しヒトガタを作りました。

もしかしたら彫刻や人物デッサンで輪郭の線を取る?みたいな話に近いのかもしれません。美しい線を取り出すという話をネットで見たことがあります。

とはいえ、私たちのグループは、お互いへんなポーズをすることに熱心だったので姿勢の維持が難しく、線を細かく検討する余裕はなくて
犯罪現場においてチョークで被害者などを囲い、その位置を一時的に書き記しておくチョークアウトラインのようなイメージになりました。
とはいえ、相手の方がキャップをかぶっていたので、そのツバ部分を象りに反映させてみました。相方は壁に両掌を押し当てるポーズです。
マスキングテープの貼り方に多少慣れていれば、曲線を作ることもできたっぽいですが、これまでマスキングテープというものをマトモに扱ったことがなかったので、完全に直線連続という感じになりました。
私のポーズ(緑系の線)は、右手を伸ばし左足を少し上げて、右半身と左掌を壁に押し当てたポーズでした。鳥みたいですね。

赤系の線が私が相方の姿を記録したもの、緑系の線はその逆。赤が先行。

そうしてみると、ヒトでありつつヒトならざるもの、みたいな中間的なフシギな感じになりました。べつに狙ったとかいうのではなくて、結果としてそうなりました。

こうして象りしたうえで、グループの相方のイメージを観察して、出来上がったヒトガタに載せていきます。
材料は、マーメイド紙やパステルなどたくさんあります。

使える画材たち

グループの相方のイメージのほか、会場周辺のケヤキの並木通りのイメージも含めた森のイメージを会場の部屋全体で作っていくそうなので、その森のイメージも含めておおきな全体像を作っていくことになりました。
さらに、私たちのグループでは、互いにヒトガタがほぼ重なる位置にあるので、お互いのイメージも重なることになり、けっこう複雑になりました。
相方は、ヒトガタが飛行場に見えたそうで、飛行機をヒトガタ周辺に飛ばし始めました。

私は、相手のイメージを拡張していきたいと思いました。ファッションの話では、まずは先端に注目が集まるので先端部を優先的に装飾するという話を思い出しつつ観察しました。そのため、壁にバンとつけた掌から桃色の指を伸ばしてみました。さらにショッキングピンクでマンガの効果線みたいにバンという線を作りました。ただ平面的に貼るのではツマラナイので、立体的に貼りました。
また、相方からキャップを借りて黒パステルでざっくりとスケッチしてヒトガタに載せてみました。キャップは前と後とどちらでかぶる人もいるので、赤と緑の両方のヒトガタがかぶる感じになりました。このイメージは、他のグループの方が赤と緑のヒトガタ共通の目みたいなものを貼ってくれたのでハッキリわかるようになりました。なお、帽子をそのまま磁石で壁に貼り付けてしまうことも(大竹伸朗展に先日行った影響?)考えましたが、私の物ではないのでそれはナシです。

その後は、次回に向けて森の葉のイメージの素材を作りました。私はもちろん右下のダークな緑を作りました。

さまざまなみどり

ここまで思い出しながらいろいろ書きましたが、
べつに一貫した計画に従って作ってきたのではありません。
周囲の状況から着想を得て、その場の思い付きの不連続な積み重ねです。
意識と無意識とが途切れ途切れにあって、事後的にこういう風にも見えるな、という部分がけっこうありました。この周囲の状況から着想を得るという部分が、大勢で何かを作るときの鍵になっているのかもしれませんね。

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