作業の友

仕事をしながらだいたい音楽を聴いているので、パソコン用のスピーカーは自分にとってはなかなか大事なものである。

一年前に買った、AudioEngine A2+が最近ようやく良い音を出すようになったのでここに記載してみたい。かなり小型のアクティブスピーカーで、USB経由でパソコンに直接つなげることができる点に惹かれて買ってみた。ブルートゥースもあるけど、パソコンからなら有線接続が自然なので使っていない。

見た目は黒い塗装が渋くてなかなか格好良い。持ってみると小さいのにずっしりしているからなんとなく高級感もある気がする。

しかし、音のセッティングは結構難しい。適当につないで机の上に置くと音は出るのだが、「え?」というくらいぼんやりとした締まりのない音である。はっきり言ってノートパソコンとかipadの内臓スピーカーと大差ないんじゃないか。それまで使っていたJBL Pebblesよりもはるかに解像度が低く、定位感も感じられない。JBL Pebblesは5年以上前に60ドルくらいで買ったように記憶しているが、300ドルするこのAudioEngineが音質で劣るとはこれ如何に、と困ってしまった。

設定を色々といじっているうちに、このスピーカーはJBLよりもさらに音の指向性が強いことが分かった。つまり、ツイーターの位置が聴く人の耳の高さにジャストミートしない限りまともな音は聞こえないのだ。スピーカースタンドを付けてやるとこの点は改善した。さらに、WindowsのサウンドデバイスのプロパティでDisable all enhancementをチェックしないと解像度は低いままである。

これらの点を調整して、自分の席との位置関係がぴったり正三角形になるように設置して初めてちゃんとボーカルの声が真ん中に位置し、他の楽器の位置関係も聞き取れるようになってきた。音源がよいものならスピーカーが消えるような感覚も味わえる。JBLでもこの感覚はしっかりあるのだけど、AudioEngineは解像度の高さだけではなく高音がキンキンせず、艶やかに感じるという美点があるので、この点はJBLよりも良いと思う。まあ価格が5倍なんだからよくて当たり前なんだけど。

ここでわかるのは、AudioEngineのような小型スピーカーは、スピーカーと自分の位置関係をばしっと固定しない限りまともな音は聞こえないということだ。部屋でリラックスして音楽を聴くというのは無理で、机にしっかり座った状態を保っていないといけない。まあデスクトップのスピーカーなのでそれでよいのだけど。

そんなわけで、現在は早朝からAudioEngineのスピーカーでバッハを流しっぱなしにして研究にいそしんでいる。Mass In B Minor(BWV232)とか好きな曲になると思わず聴いてしまうけど、基本的には無音よりも小さな音でバッハを流しているほうが作業に集中できるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?