ミシュランへの道 やきとりや人生14

開業して6年目になると、口コミや食べログなどで評判になり、そんなウワサを聞きつけた外人さんや、日本全国から、さまざまなお客さんが来店するようになった。


その中にはミシュラン関係者もいた。ミシュランとは、評判いいのお店やグルメ店を紹介する世界一有名な情報誌だ。


ミシュラン関係者が来店した理由は、〇〇〇がオリジナリティに溢れたメニューで、お店のコンセプトや雰囲気が、ミシュランが評価すべき対象にあると言う基準があり、〇〇〇に目にとまったのだ。


ミシュラン関係者は一般客に紛れ、身分を隠してお店に来店する。〇さんの知らない間に、ミシュラン関係者が来店した。評価する点数が良ければ、ミシュラン会議で受賞の対象となる。

そして!? 

突然Oさんに、ミシュラン関係者から電話があった。
「ミシュラン賞の対象店舗となったので、さらに社内検討を行い、後日報告致します」と言う。
代々木店の開業以来、驚くべきサプライズだった。飲食店をやっていれば、ミシュランに評価されることは、夢のような一大事だ。



自分がこれまでやってきた焼き鳥と、店のコンセプトがミシュランに認められ、世界一のミシュランのグルメ評論家たちから評価された。


まさに天にも昇る思いだっただろう?だが?
そんなうれしさを微塵も見せない?〇さん?
いつも行くカフェで会うと、ふつうのいつも通りのOさんだった。


ただお店の状況を話すいつもの感じだった。ミシュランは想像していない?現実味がなかったのかも知れない?


食べログでの個人の評価は、恣意的な評価が数多くあるが、お店側はそんな評価に一喜一憂している。悲しい事に、食べログ評価に右往左往されるお店は多く、それが食べログの存在価値になっている。


だからマイナス評価に対して、食べログに抗議しても、
「それは個人的主観ですから」
という理由で無視される。何度かクレームをつけたがいっこうに改善の余地がない。


これに、いつもOさんは怒りをあらわにしていた。万全の態勢でお店をやっていても、難癖、クレームをつけてくるお客さんはいるものだ。


ある日、見た目が浮浪者風のお客が来店した。体臭がひどく臭く異常な印象なお客さんだった。〇さんは、毎日食べログをチェックしていた。そして目を疑った!最低の評価が付けられていた。あの日だった。印象深い浮浪者風のお客さんが来た日だった。


この最低評価に激怒したOさんは、食べログに猛抗議したが、食べログは一切無関係とした。そしてよく調べて見ると、同一人物の数多くの書き込みがあった。どうやら確信犯のようだった。



確信犯的に低評価をつけたり、恣意的に高評価をしたり、裏の目的があるのではないか?と憶測した。怪しい浮浪者のお客は、店内に毒ガスの異臭を残して帰った。あまりにも臭いので芳香剤や店の換気を全開して空気の入れ替えをした。まじ営業妨害だった。


食べログ天下では、悪意に満ちたコメントから、皮肉を書くコメントもある。それは個人的主観だから、お店が抗議しても評価を覆すのはムリなのだ。


つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?