内藤泰宏

慶應義塾大学 環境情報学部 の教員。同・先端生命科学研究所を兼担。断片的な考え事などを…

内藤泰宏

慶應義塾大学 環境情報学部 の教員。同・先端生命科学研究所を兼担。断片的な考え事などを書いていこうかと思っています。

最近の記事

名前と実体

人間はものごとに名前をつける動物だ。 頭の中で言葉を使ってあれこれ考える時、考える対象に名前がないとやりにくく、名前をつけることで整理されてとても考えやすくなる。 名前は、実在するわけではない。あるものごとをある名前で呼ぶ人々がいなくなれば、その名前は世界から消失する。しかし、その名前で呼ばれていたものごとは、その後もなんら変わることなく世界に存在しつづけることができる。 例えば日本語ではこの宇宙でもっとも単純な元素を「水素(すいそ)」と呼ぶ。将来、日本語を話す者がいなくな