ダース・ベイダー役の俳優、デヴィッド・プラウズさんの訃報を受けて。
悲しいニュースが飛び込んできた。オリジナル三部作でスーツアクターとしてダース・ベイダーを演じられていた俳優のデヴィッド・プラウズさんが亡くなられたという。
自分はスター・ウォーズファンだが、その中でもとりわけ好きなキャラクターは何かと聞かれたら迷いなく「ベイダー卿」と答えている。
スマートフォンケースも壁紙もベイダー卿のものを使っているし、ハレの日にはベイダー卿のTシャツを着ることにしている。LINEのアイコンもベイダー卿だ。
以前、カリフォルニア州アナハイムのディズニーランドにはるばる旅行した際に撮ったこの写真は一生の宝物になるだろう。
どうして自分はこんなにもベイダー卿に惹かれているのだろうか、今回の訃報を受けて改めて考えてみた。
初めてスター・ウォーズを見た時の記憶を辿ってみると、『新たなる希望』や『帝国の逆襲』を見た時はそこまで思い入れを持っていなかったと記憶している。
転機になったのは『ジェダイの帰還』だ。
この作品の中で、息子のルークが皇帝の発する電撃を浴びながらも必死に耐える姿をベイダー卿が見つめるシーンがある。
命の危機に瀕しながらも父の善性を信じるルークの姿を見ながら葛藤をしたのちに、遂に息子の呼びかけに応えて皇帝に反旗を翻すというシリーズ中で最も熱いシーンなのだが、そこの葛藤の際に見せる表情が堪らなく心に刻まれたのだ。
もちろんベイダー卿はマスクをしているのだから“表情”は完全に覆われていて見ることができない。しかし、そのシーンのベイダー卿の顔からは確かに苦悩と葛藤の表情を感じ取ることができた。
作中、ここまでは一貫して主人公の前に立ち塞がる強力な宿敵として登場したベイダー卿が、ここで初めて血の通った人間として苦悩の表情を浮かべる。このギャップのようなものに自分の心は完全に掴まれてしまったのだ。
そしてその瞬間、自分の中で「スター・ウォーズ」というものが、「数ある面白い作品の一つ」から「自分が本当に夢中になれるもの」へと変化していった。
今こうやってスター・ウォーズを追いかける人生を送っているのはこのシーンがあったからこそであり、それを作ったのは他でもないデヴィッド・プラウズさんだ。
ベイダー卿というキャラクターは彼以外にも、声のジェームズ・アール・ジョーンズさん、スタントのボブ・アンダーソンさん、素顔役のセバスチャン・ショウさんなど、さまざまな人が一つになって作り上げたキャラクターだが、このシーンをこんなにも素晴らしいものに作り上げたのはデヴィッド・プラウズさんに他ならない。
今までの人生、後にも先にもスター・ウォーズほど本気で夢中になれた作品はない。あの時、デヴィッド・プラウズさんの演技に出会わなければ、今とは全く異なった人生を歩むことになっていただろう。
まさしくこの人こそが今の自分を作り上げてくれた人である。本当にこの出会いには感謝してもしきれない。
本当にご冥福をお祈りしております。
フォースと共にあらんことを。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?