映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を観て

※ネタバレ有りです!


 映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を観たけど、映画館から出る観客がうかない顔してるんですよね。劇中にすすり泣く音なんかも聞こえたけど、「スゲー感動したー!」って高揚感に煽られた感じじゃない。
「さらば、全てのエヴァンゲリオン。」なんて決めゼリフがあるくらい、みんなで見送る会みたいな。まるでお通夜みたい。「一緒にいると楽しいやつだったけど、でも良く考えると、みんなだいぶアイツに振り回されたよね(苦笑)」みたいな。悲しいんだけど、ちょっとホッとしちゃったりして。
 まあ家に帰ったら旧劇場版をアマゾンプライムで思わず見返しちゃったんですけど、旧劇に比べたらシンはキレイに終わってる。
 個人的には“破”のラストの勢いそのままで、天元突破して終わって欲しかったところですが、庵野監督は鬱展開が専売特許なのでしょうがなし。

 それにしてもDAICON FILMの頃から好きなものを詰め込むアマチュア魂を失っていないのはさすが。これは最大で最高の自主映画じゃないかと。
 古今東西のカッコいい映像をコラージュするスタイルがついに至ったのは、ドキュメンタリー映像っぽいカメラワークをアニメでわざわざ作るということ。リアルにギリギリ視認できるところでカメラが捉えたりカットが変わったり、スクリーンにのめり込んで151分の長丁場もあっという間ですわ。
 そこに庵野監督の個人的な家族とか恋愛の話が入ってきちゃうわけですが、やっぱりマリですよね。どう考えてもモデルは奥さん。最後にね「親ほど歳の離れた女とくっつくのコエ〜」って話もあるんですけど、あれは諸星大二郎「暗黒神話」の弥勒菩薩が顕現した的なことですよね。歳も親以上、人間を超えた存在、愛なのではないかと。NHKの 「プロフェッショナル 仕事の流儀 庵野秀明スペシャル!」でもうかがえましたが、それだけ安野モヨコさんの存在が大きいんでしょうね。

 これで庵野監督のエヴァは終わりとのことですが、ガンダム的なシリーズ展開を考えていて、Gガンダム的なアブナイ話もあるとのこと(笑)。ORIGINみたいに貞本版とか山下版とかアリかも。
 版権管理だけでもやってけるんでしょうけど、スタジオカラーもせっかくだから、何か新作が欲しい。樋口監督が「日本沈没」(なかったみたいになってるけど)をリメイクしたんだから「さよならジュピター」やるとか(笑)。
 Qの最後の予告で、エヴァがショッカーの皆さんみたいなのと戦ってたカットはシンでは無くなってたので「シン・仮面ライダー」やるとか(笑)。

https://www.evangelion.co.jp

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