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浅井よしたか新市長に期待すること

昨日行われた豊橋市長選において、新人の浅井由崇さんが現職佐原光一さん、同じく新人鈴木美穂さんを破り、当選を果たしました。

浅井由崇さん、おめでとうございます。また、佐原光一さん、鈴木美穂さん、お疲れ様でした。いずれの方も、市民のために勇を奮って立候補いただき、市民に選択肢を提示していただいたことに、厚く御礼を申し上げます。3名の候補者の皆様、本当にありがとうございました。

また、一人一票しか投票できない中ですが、投票を通じて、豊橋市の未来を考え、それぞれの立場において結論を出し、投票行動を起こされた市民の皆様にも厚く御礼申し上げます。

三候補とも豊橋のために、素晴らしい公約を提示されましたが、当選という形で、浅井候補の公約が実現に向けて、最も近い立場となりました。そこで、早速ですが、当選が決まりました浅井由崇さんの公約について、私が特に実現を期待することを書いていきたいと思います。

なお、ここでは、選挙期間中に新聞折り込みにて配布された、浅井由崇さんの後援会である『豊橋新時代の会』のチラシに掲載されている公約を、最新公約として、書いていきたいと思います。

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浅井新市長の公約で特に期待すること

まず、浅井新市長の公約で、特に期待したいことです

■公約より■
農業/食品産業のブランド構築に向けた支援の充実=特産品をつくる
新しいイノベーションを生み出す産業の振興
起業のためのネットワーク型ビジネス図書館
女性の活躍推進
女性の地元就業支援による流出抑制と首都圏などの大都市からの移住促進
女性や若者の意見を市政に反映させる新しい仕組み作り

これは、私が過去の記事で主張している

『キャリア女性にとって魅力ある雇用を用意すること』に直結する公約だからです。

ただ、少し気になる表現があります。『地元就業支援』となっていますが、現在地元にある雇用への就職を促すのでなく、『就職したくなるような雇用を生み出す』ことが大切だと、強調したいと思います。受け皿となるハイスペックな知的労働の雇用を産む準備無く、就業支援をするのは順序が違う。

そして、その受け皿となるハイスペックな知的労働雇用の準備にあたるものが『農業/食品産業のブランド構築に向けた支援の充実=特産品をつくる』『新しいイノベーションを生み出す産業の振興』の2政策に込められていると、信じたいと思います。


また、吉田城について

■公約より■
豊橋公園内エリアに、郷土歴史博物館や吉田城復元などの建設計画の策定と推進

については、まさにこの記事の通りです。

吉田城公園と改名し、早期の吉田城復元を心から祈っています。アンケート結果など、資料提供については、心から協力したいと思います。


そして、教育です。

■公約より■
豊橋GIGAスクール構想の実現

GIGAスクール構想とはなんでしょうか。それは、

多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現する構想(文部科学省資料より)

と、あります。これは、私が、先日の記事で理想とかいた

「自力で進める児童生徒にはどんどんと進ませる機会の提供」も必要でしょう。数学に興味があれば、小学校のうちから微分積分に取り組むような児童がいても良い。興味関心の発露に天井を設けてはいけない。豊橋は「子どもの可能性が好きなだけ伸ばせるまち」であって欲しい

に通じます。是非、「意欲のある子どもがガンガン先取り学習を進められる」状況を作って欲しい。

そして、それは、後述するベンチャー拠点開設とリンクします。なぜでしょうか?「ベンチャー拠点に集積するような、優秀な技術者、研究者、ビジネスリーダーは、子どもにも、自分と同じような高い教育を受けさせたい」からです。

この期待に応えない限り、定住は見込めません。移住政策とも絡みます。安心して定住させるために、『豊橋にいても、東京、いや世界に負けない教育が受けられる』『東大/京大、あるいは海外名門大などの難関大学にも十分合格できると思えるだけの教育が、豊橋でも提供されている』ことが重要です。

東京に残った同僚、同業他社のライバル、自分の同級生、と情報交換をして、そういった方々のお子さんが中学受験などをしていくなかで、「子どもの教育が都会に比べて遅れてしまう」と、焦りを感じさせない教育体制が重要です。それがないと、『単身赴任』はあっても『移住』にはなりません。

その切り札としてGIGAスクール構想の早期実現をお願いしたいと思います。もちろん、その上で、『豊橋でなければ学べない教育』があれば最高です。

もう一工夫をして欲しいこと

これは、浅井新市長の公約において、説明が少し足りず読み取りにくかったことや、さらにもう1アイデア踏み込んでブラッシュアップして欲しいことです。

■公約より■
妊娠/出産/子育てまで切れ目のない支援の充実

実のところ、豊橋市は結婚してしまえば出生率は平均より高いです。もちろん、ここのプロセスは大切なのは論を待ちませんが、そもそも『独身女性が住みたくなる』ことで、女性全体の母数を増やせるような施策をお願いしたいところです。


続いて、農業について

■公約より■
・先端農業への支援と先端農業研修支援センターの設立
・農業地域におけるIT環境の整備促進
・農政部門の産業部からの独立や、デジタル化推進部門など、時代や地域にあった機構改革を推進
・小学校給食費無償化による教育費負担軽減と有機野菜などを使った給食の質の向上(地産地消)

農業改革にかなり力を入れています。項目数としても多いです。ただ、ITや先端農業という『効率化』と、慣行農法ではなく。手間暇をかけていく『有機野菜』の育成、『地産地消』や、多品種小ロット生産に圧力がかかる『ブランド化』は、施策としての食い合わせは悪いです。ここについては、今一歩踏み込んだ説明を待ちたいと思います。


最後に、ベンチャー施策について

・豊橋技術科学大学・静岡大学工学部・浜松医科大学との連携によるベンチャー研究拠点をつくる
・東京事務所のあり方の見直し

組み合わせで考えれば、当然ながら、『ベンチャー拠点をつくる』なら、現在、先端技術が集まる東京からの誘致になる分けなので、『東京事務所の活性化』と、前向きな名前になるはずです。ここが『見直し』だったのが、ちょっと、引っかかりではあります。

また、『ベンチャー拠点をつくる』という点においては、『デザイン』を是非とも重視して欲しい。テクノロジーだけでなく、そのテクノロジーをどう実装するか。

こちらの記事にも書いた『デザイン』経営の紹介文

技術だけでは差別化が難しくなった企業の価値について、“デザイン”を経営の資産と捉え、活用することで、ブランド構築とイノベーションを推進していく経営手法です。企業の存在価値を改めて定義し、目指す姿を実現していく手法としても力を発揮します。

是非、『技術』だけでなく『デザイン』も重視した連携を構築して欲しいと思います。


そして、まちづくり関係ではこの2つ。

■公約より■
・起業のためのネットワーク型ビジネス図書館
・新たな中心市街地活性化プランの策定
(水上ビル・広小路・西駅エリアなどの再整備)

先の私の記事に書きましたが、

『文化』は、劇場や公会堂、文化会館、美術博物館などで観賞する物だけが文化じゃありません。日常の営み、食べるもの、住む場所、着る服、そして、人と人との関わりが重なる場にも『文化』が宿るのです。

芸術は『観る』だけのものでなく、日常的に『する』、いや、『している』ものです。

いわゆる『ハイカルチャー』だけでなく(もちろんハイカルチャーも大切)、もっと芸術、文化を特別なものでなく日常におろしていくこと。日常の文化性に能動的、自覚的になれるような仕組みを作っていくこと。

(中略)

いわば「自然と歴史に根ざした文化の副流煙が充満した街」であればあるほど、地球(グローブ)単位で観たときに、突出するローカルになる

是非、このような視点を持って、まちづくりを進めて欲しいですし、そこの核になるのは

■公約より■
・起業のためのネットワーク型ビジネス図書館
・豊橋公園内エリアに、郷土歴史博物館や吉田城復元などの建設計画

という、『新しいもの』と『古いもの』を同時に空間に存在させる、そんな『古くして新しき』知的文化の副流煙に溢れたまちづくりこそを、新市長には期待したいです。


最後に、この公約

■公約より■
東三河広域連合の機能強化と新たな広域計画の策定

私は、『自然を活かす』と言うことについては、行政区を越えなければいけないと思っています。豊川の水が『ここは新城市』『ここは豊川市』なんてことを思っているはずがない。空から見れば市境は見えません。

また、歴史遺産の活用においても、現在の市境は戦後に現代の都合で出来たもの。ほのくにの時代、豊川沿いに活動していた古代の人々、長篠の合戦の武田軍や信長軍、三河湾の海上交通で活躍していた中世の人々、彼らが「ここは蒲郡市」「ここは田原市」「ここは東栄町」なんて思っていたはずがない。

新産業として力を入れていくであろう農業、そのブランド化においては、農産物という地域に密着したものだからこそ、『歴史/自然』への立脚というバックボーンを活かした施策が必要になります。

それは、東三河がまとまらないと出来ないことです。

最後に

浅井よしたかさんの公約や発言で、一番気になったのが『県下2位の都市を目指す』という言葉。率直に言って、『愛知県』とか狭い範囲でこのまちの将来を捉えないで欲しい。愛知とか、日本とか、そんな枠組みをすっ飛ばして、『地球のなかの東三河』というスケールの大きな構想を立てて欲しいです。

いつまでも、『愛知県という殿様に、東三河を任された代官』みたいなことではなく、グローバルな視点を持って、『県の中での順位争いなんて細かい細かい。東三河は世界で戦います!』ぐらいのことが言えるような、そんな『強い東三河』を作って欲しいと願っています。


まとめ

改めて、新市長を迎える今、公約の実行をしっかり見守っていきたい、また、豊橋のためになることで、出来ることがあるならば、一市民として、微力ながら協力をしていきたい。

また、前任の佐原光一現市長も、12年に亘り、市政に大きな貢献をされました。佐原市長の全てが否定するようなことではなく、佐原市長のこれまでの貢献、また、佐原現市長が掲げられていた公約でも、良い物は柔軟に浅井新市長にも取り入れていって欲しいと思います。

佐原光一現市長に感謝を、浅井よしたか新市長に期待を込めて。

最後までご覧いただきありがとうございました。 私のプロフィールについては、詳しくはこちらをご覧ください。 https://note.com/ymurai_koji/n/nc5a926632683