ダイビングの講習ってさ。~認定後のスキルレベル~

相当前に書いた記事、現状と多少のズレはあるかもしれないけど決して解決されてるわけでもない気がするので公開しちゃう。

さて。だいびんぐの講習って、いったいどういう商品なんだろうかなって。

潜りに来てくれるカードホルダーさん方の中には、ぶっちゃけ
「“ダイビング講習”の体験」しかしてないじゃん。
なのもちらりほらり。
いわゆる「オープンウォーターダイバー」っていう一番はじめに取得すべき初心者講習というかエントリー講習なのはまあ共通。
一日程度の限定水域講習(プールとか波の影響のない静かな環境とか)と4ダイブ以上のスクーバ海洋実習を要するもの。
まあ時にはもう一つライトな感じの「ベーシックダイバー」(要求される時間は上記の1/2~2/3くらい)なんて言うのもあったりするけど。(経験的には少ないイメージだけど)

認定証発行団体(いわゆる潜水指導団体)は数あれど、おおよそ求められる内容的にも技術的にも変わらそう大差ない(はず、というか共通なんですよ。ほんとは)。
「二日でとれる」(は、個人的にあんまりないと思うんだけどな~・・・)「三日でとれる」(これが一番多いんじゃないかと)
「いやいや、さらに数日かけて練習しましょう」(ストイック~!)
と期間設定も何とも不可思議に(お店ごとに)ばらけてる。
当然、値段もまあ見事にバラバラ。「安くも高くも、なんでこの価格設定???」みたいなのもちらりほらり。

言葉は悪いけど「ダイビング講習の体験」みたいに時間を使われちゃってるところも決してないわけじゃない。(さらっと上っ面をなでるだけって感じ。スキルも一度経験して「はいOKっ!」ってね)

認定基準っていうものがちゃんとあるわけですが、ほんとに守ってるの~~?と聞きたくなるような方も中にはいらっしゃいます。

あるいは「ここの店のCカードを持ってる人が来たら気をつけろ!それは潜れないことの証明だ!」みたいな恐ろしい話も(過去には?だよね?)ありました。

さて。じゃあ、どれだけやればいいのかっていう・・・。
そりゃあ講習終了後のスキルレベルが高いに越したことはないと思うわけですよ。「ストイックにダイビングに取り組みます。」「講習だって完璧に仕上がるまで時間をかけてじっくりがっつり。」「できるまで定期的な通いもできます。」なんて感じの講習ができればそりゃそれにこしたことないけど、

「みんながみんな、こういう風にダイビングやりたいのかな?」

という思いも正直拭いきれず。

だってしょせん遊びだし、カルチャースクールやジムみたいに日常的に通ってやる感じでもないし(スポーツクラブのダイビング講習なんかならこれが十分可能だと思ってたんだけど、どうも実際はそうもいかないみたい)、なにしろ「3日(下手すりゃ2日)でとれますよ」っていう情報がすっかり一般化、しかもお安く下手すりゃ無料とまでうたう店もあったりなかったり(これ結果的にむしろ高くつくこと多いはず)、昨今、そんなに簡単にとれるはずのもんにわざわざ時間もお金もかけたくなくなるのは至極当たり前です。

ばりばりやって技術もバッチリ、常に間もあけずにダイビングに向けトレーニングをしている・・・。ような人ばっかりだったら、そりゃ引率側はガイド(純然たる案内)に専念することもできるでしょう。「セルフで潜ってね!」な受け入れサービスだってもっともっと増えるはず。

でもね。「講習が終わったら間を空けずに潜ってね」って言ってはみるけど実際にはブランク空いちゃうのは当たり前。むしろ続けて潜るほうが珍しかったりしてね。



「どうせ講習やってもそのほとんどは、みんな忘れちゃうんだし、そういうもんでしょ?」

「(OW講習は)ひどいところはホントひどくてそこの出身の人は潜れないレベルばっかり。だったらOW講習の相当数はこんなもんなんだからとりあえずこれでいいんじゃない?
そのあとのステップアップ講習前提で補完していけばいいだけのことでしょ・・・」

というご意見もびっくりするような大御所から言われたことありますが、前半部分はともかくとして、後半については、やはり同意したくないなぁ。そもそもある程度の熱量がなくっちゃ来ないですよ。ステップアップ講習や自主練習って。

忘れるのは仕方ないし、だったら、記憶をたぐる手がかりをできるだけそこかしこに残すような形で講習していく必要もあるんじゃないかなって。あるいは本当に最低限のスキルボリュームにしてその精度を上げるとか、もう根幹の組立から考えろってレベルの話になっちゃうんだけど。ある程度は「講習後に忘れる」「次のダイビングまでに期間があく」っていう前提っていうのは必要だと思うし、同時に「どうせ忘れちゃうんもんだし適当でいいじゃん」は絶対違うと思う。

「あいだ(ブランク)があいたら潜れなくなるからどんどん潜らないとだめよ。」ってそりゃあその通りなのは重々承知ですが、実際にはどうやったって全員がその熱量を持ったまま、あるいはそれができる環境でダイビングに取り組めるわけではないです。

現地サービスという受け入れ側にいて、つくづく思うのは、「認定基準をきちんとクリアしてカードを取得してきた人」と「見事に消化試合的な講習されてきたんだろうなっていう人」が同じ門を叩いちゃうっていう不幸が日常的に発生していること。
これはゲスト側にもサービス側にもどちらにも不幸。

結局、現地受け入れ側としては、申し訳ないけど、初めてのお客さんについては「基準はクリアできてないかもしれないよね」という前提で対応せざる得ない状況も正直あるわけです。

受け入れ側だって、本当に初心者歓迎なのかちゃんと考えなくちゃ。初心者だから起こすようなトラブルをあらかじめ相当な率で起こる前提で、ちゃんとプランを組み立てておく必要はあるし、何かあったときに初心者でもリカバリできるような環境だったり道具だったりをしっかり準備する必要だってある。

と同時に、「当方、初心者対象のお店です」とか「当店のこのコースでは、このレベルの方のみご参加いただけます」とかある程度のゾーニングというかそういうものがもっとあったほうがお互い幸せじゃないかなというのもあるわけで。

というわけで、ウチは「初心者さんにやさしい」を前面に出しております。
同時に体験ダイビングも得意ですよと。

初心者の方が安心して潜れるような準備と対応をしますよっていうね。
もっと突っ込んだことがしたいのならそういうお店を紹介します。

何度も言うけど、初心者も上級者も十把一からげにチーム編成っていうのはやはり無理や不安が大きくなるので、それぞれ特化した受け入れをしてもらった方がみんな幸せになるはず。

ここがしっかりゾーニングできるのならばここで様々な(ステップアップとかスペシャリティ)講習の価値ががぜんアップしてきます。

これ(技術や知識)を習得したから、こういうスタイル(を得意とするお店の)のダイビングに挑戦できる。

本来講習っていうのはこういう形で販売されてほしいんですけどね。

マッチングというかそういうものがもっとはっきり見えてもいいのになと。

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