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障がい者を雇う職場に求められること

おはようございます。

埼玉県川崎市にチョークを製造販売している「日本理化学工業」という会社があります。

今は約7割の方が知的障がい者の方が働いています。

皆、元気に働く喜びを感じながら。

その会長の大山さんのお話です。

1、初めの二人

ある日、養護学校の先生が生徒の就職先として依頼しに来られました。当時障害者に対して偏見もあり、一緒の環境で働くのは無理と考えた大山会長は、とても無理だという答えでした。

もちろんお断りしました。

ところが、数日後また、養護学校の先生から連絡がきます。何度もそのやりとりがあった中で、先生は就職はいい。でも働く体験をさせて欲しいと提案したのです。

働く体験をしないと施設に入って一生働くことが経験できない。と会長に伝えました。

流石にそれはかわいそうと思い、期限つきで働いてもらうことにしました。

作業はもっとも簡単な出来上がった商品にシールを貼る仕事。いわゆる単純作業です。

それでも、二人は時間をたつのを忘れるほど真面目に取り組みました。

できることをみて「ありがとう」と伝えると、とても嬉しそうな顔をしました。

働く期限がきた時、他の社員の方から、私たちが面倒みるから雇ってあげてください。と、会長はお願いされました。

大丈夫なのか?と確認すると、大丈夫です!と社員は答えるのです。

そして、二人は期限つきの予定でしたが、就職することができたのです。

2、職場で社員に求められること

工場の中には赤い缶や青い缶があります。それは、障がいがあるかたも信号は守れるというところから発想した分別です。

単に障がいとひとくくりで言ってもいろんなタイプのかたがいます。見本をみるといとも簡単にできるかた。指示書が読めないかた。数がわからない。単純作業がずっとできる。とか。

そのかたに合わせた指示方法を考えて、一緒に働く環境を整えることが社員には求められます。

タイマーを使って時間でくくったり、数が難しいかたに置くだけで、1ダースになるものを用意したり。

これは、経験からできることではなく想像力を膨らませることからできることです。観察し、得意な部分に気づき、考え、行動することで、良い環境を作ることができます。

3、品質は高いものを

職場での環境はいいものの、商品のクオリティが低いと市場の中で生き残るのは難しいです。

職場は働く環境を考えることと、商品価値を落とさないこと。この両輪が必要になります。

順番でいくと、価値ある商品を作るためにどうすればその歯車の中の一つになってもらえるか。を考えるのです。

4、明るい職場環境

いい商品を作ってるという自負を持ちながら、日本理化学工業に初めて入社した方も退職までずっと働き続けることができました。

きっと、やりがいを持って、生きがいになって働いていたんだと思います。

この気持ちは周りにも伝染し、働くことの楽しさ、喜びを感じ、自己承認を満たしてくれるものだと思います。


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