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【インタビューVol.3】53歳で起業したイメージコンサルタント・鈴木雅海さん。大病を乗り越え、同年代女性を輝かせる専門家に

「人の第一印象は3秒で決まる」という言葉があります。あなたも一度はこの言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。人の第一印象を決定づける大きな要因は、見た目です。第一印象から形成される「イメージ」がその人の評価を左右するため、その後の人間関係やビジネスの成否に大きな影響を及ぼすといわれています。

イメージコンサルタントの鈴木雅海さんは、好感度を上げる「印象づくり」のプロ。主に40・50代の働く女性を対象に、1人1人の魅力を引き出す外見のブランディングを提案しています。今回はそんな鈴木さんに、50歳を過ぎてから起業した理由や、同年代女性に対する思いなどを伺いました。

就職、転職、結婚。その先に待っていた大きな病が人生の転換期になった

ーー鈴木さんは複数の転職を経てイメージコンサルタントになったとお聞きしました。経緯を詳しく教えていただけますか?

では、新卒で初めて社会に出たところからお話しさせてください。私は地元・大阪の短大を卒業し、大手システム開発企業に一般職で入社しました。請求書の作成や電話対応が主な仕事だったのですが、毎日が同じことの繰り返しでだんだんと満足できなくなってしまって。次第に自分の中で「手に職をつけたい」と思う気持ちが強くなり、働きながらインテリアデザインの専門学校に通うことにしたんです。卒業後はインテリア専門商社に転職。そこでインテリアデザイナーとして、4年ほどオフィスレイアウトを担当しました。

ーー事務職からインテリアデザイナーって、キャリアがガラッと変わりましたね。

もともとインテリアを見たり色の組み合わせを考えたりするのが好きだったんですよね。インテリアデザイナーという仕事を通して、色の魅力を知り、色が与える印象について学びました。そのころ1回目の結婚をして、大阪に本社のある大手生命保険の営業職に転職します。そこでトレーナー職として100人以上の営業職員を教育していたんですが、途中で大きな病気をしてしまって。

ーー病気ですか?

はい。30歳で子宮がんを患ってしまったんです。それで治療に専念するため会社を退職しました。手術で子宮を全摘出したことで子どもも望めなくなり、結果的に当時のパートナーとも離婚。このときは仕事もパートナーも同時に失い、うつ状態に陥るほど落ち込みましたね。考え事もたくさんしました。そこで痛感したのが、1人で生きるためには経済力が重要だということ。そのためにはやはり学歴も必要だと考え、大学に入り直してもう一度勉強することにしたんです。

大学を卒業するまでの4年間で「また仕事を探す」という目標ができて、気持ちもだんだん前向きに変わりました。そのころ、現在のパートナーと出会ったんですよね。それまで1人で生きていくと思っていたけれど、好きな人ができて「やっぱり誰かと一緒に人生を過ごしたい」と強く思うようになりました。同時にわき上がってきたのが、女性として見られたいという気持ちです。

ーーというと?

病気で子宮を失ってしまったけれど、彼には女性としていつまでも愛されたいと思ったんです。ずっと仲良しでいたいし、恋人気分で過ごしたい。もともとファッションやメイクは好きだったのですが、外見を女性らしく整える重要性も改めて感じました。今にして思えば、この出来事がイメージコンサルタントを目指すようになった原点なのかもしれません。

当時の彼は43歳で未婚。「これから付き合う人とは結婚を前提に」と決めていたようなので、なるべく早く私の体の事情を説明しなきゃと思っていて。腹をくくって打ち明けたら、彼は「それでも構わない」とキッパリ言ってくれたんです。彼の言葉がとても嬉しかったですね。

そうして私たちは出会って8カ月で結婚し、彼の転勤先である埼玉に私も引っ越すことになりました。ところが新しい土地に来たはいいものの、私たち夫婦には子どももいないし、周りに知り合いもいない。どうしても時間を有効に使いたくて、東京で仕事を探し始めたんです。再就職したのは、以前の経験を生かせる大手生命保険会社です。 

話し方教室で出会った1人の女性が、イメージコンサルタントを目指すきっかけに

ーー再び生命保険業界に戻ってきたのですね。そこでイメージコンサルタントになろうと思うきっかけがあったのでしょうか?

当時の私の職種は契約社員でした。1年ごとに正社員になる試験があり、毎年チャレンジしていたのですがどうしても受からなくて。自分で原因を分析してみたら、自己アピールがとても下手だったし、面接の場でも自分を抑えて控えめにしか主張できていなかったなと気づきました。職場には「私はできます!」と言える押しの強い人たちが多かったから、どうしても印象が薄くなってしまうんですよね。そこで人前でのスピーチを学ぼうと思い立ち、話し方教室に2年近く通いました。

ーー話し方教室ですか。

その教室で素敵な出会いがあって。日本人離れした色使いのファッションを着こなす、とてもオシャレな女性がいたんですよ。お話を聞いてみると、その女性はパートナーの仕事の関係で長らくイギリスに住んでいて、そこでカラーの勉強をしたそうで。今はイメージコンサルタントとして働いていると聞いて「私がやりたいのはこれだ!」と瞬間的に思ったんです。

もともとカラーもファッションも好きだし、インテリアコーディネーターとして働いた経験があるから、色選びや配色には自信がある。「この仕事なら今まで自分が経験してきたことを生かせるかもしれない!」と感じたらいても立ってもいられなくなっちゃって。すぐにイメージコンサルタントになるための方法を調べて、養成スクールに入会しました。

ーーそんな出会いがあったんですね。確かに鈴木さんは、ここまでのお話でイメージコンサルタントにつながりそうな経験をたくさんされてきたように思います。

そうですね。一番大きな経験となったのが営業の仕事。毎日のようにたくさんのお客様に会う中で、第一印象の大切さを学んだんです。最初に「この人は信頼できる人間だ」と思ってもらえないと、お客様に保険の話を聞いてもらえませんから。しかも出会って数秒で感じた印象というのは、その人のことを知ったあとでもほぼ変わらないんですよ。実際、トレーナー職として新人の育成に携わっていた時期には、優秀な営業職員ほど共通して「信頼できそう」と思わせるオーラをまとっているなと肌で感じていましたし。

先ほどもお話ししましたが、面接での失敗を通して自己アピールの重要性も学びました。改めて振り返ってみると、いろいろ遠回りしているように見ええるけれど、すべての経験がイメージコンサルタントという仕事につながっているんだなと実感しています。

12年間勤めた会社を2019年に退職したのが53歳のときです。独立開業し、イメージコンサルタントとしての活動をスタートしました。 

40・50代の女性には、その世代ならではの魅力がある。それを引き出すお手伝いをしたい

ーー具体的にどんなことをしているのでしょうか。鈴木さんが提供しているサービス内容を教えてください。

お客様の目的達成に向けたイメージ戦略を考え、提案しています。40・50代の働く女性、特に経営者や管理職の方を対象に、パーソナルカラー診断や骨格診断、ショッピング同行、プロフィール写真の撮影などをおこなっています。

ーーなぜ40・50代の女性と対象を絞っているのでしょう?

40・50代って、女性として少し自信を失いがちな時期なんです。20代のころに比べて体型も変わるし、今まで好んでいた洋服やメイクが似合わなくなってくるんですよね。私も同年代なので、その気持ちがよく分かります。でもこの年代にしか着こなせない洋服があったり、新たな魅力が出てきたりする時期でもあるので、それを多くの人に伝えたいなと思って。

それに40・50代になると起業する人が増えるんですよ。そうすると会社員時代とは違う見せ方が必要ですし、若々しく見せつつも信頼される洋服選びが求められます。特に起業家は、たくさんいる同業者の中に埋もれず、顧客に自分を見つけてもらわないといけません。なかなかうまくいかないと悩んでいる方たちに、選ばれるための方法を伝えられたらと考えました。

ーー私も40代なので、ぜひ参考にしたいです。

誰にでも、強みとなる魅力が必ずあります。私はそれを引き出し、その方が求める自分になるためのお手伝いをしたいのです。もちろん、経営者や管理職の方でなくてもOK。自分に合った洋服やメイクを教えてほしいというご依頼も大歓迎ですよ。

ーー実際にどのような感想をいただきますか?

先日、ダイエット料理を教えている先生のショッピング同行をさせていただきました。先生はご自身の教室でダイエットメソッドを教えているだけあって、とてもスリムなんです。ですが、あるワンピースをご提案したら体のラインが今まで以上に美しく見えて。まるでオーダーしたかのようにサイズもピッタリ!先生は「スタイルがとてもよく見えるわ」と驚いた様子でおっしゃり、そのワンピースをお買い上げくださいました。お客様のスタイルをさらに引き立たせ、喜んでいただける洋服をご提案できたのは、私としても嬉しかったですね。

ほかにも「プロフィール写真を変えたことで講師の依頼が来るようになった」「自分に似合う洋服が分かるようになり、後輩からオシャレだと褒められるようになった」という声も多く届いています。

ーー起業してすぐに新型コロナウイルスが流行しましたよね。影響はありましたか……?

緊急事態宣言が初めて発令されたときは、ショッピング同行やプロフィール写真の撮影などには影響がありましたね。ただ、オンラインで対応できる部分は工夫しながらおこなっていました。

たとえばパーソナルカラー診断。通常、ドレープという布を1枚ずつ胸元に当てて、似合う色と似合わない色を一緒に確認するのですが、オンラインでおこなう際は紙の診断シートを利用していました。事前にそれをお客様の自宅に郵送しておき、当日はお客様自身でその診断シートを顔周りに当ててもう。その姿を私が画面越しに見て診断し、お客様のパーソナルカラーのタイプをお伝えするという流れです。簡易的ではありましたが、多くのお客様に「似合う色が分かって嬉しい」「受けて良かった」と喜んでいただけましたよ。

ショッピング同行やプロフィール写真の撮影についても、希望があれば引き続きオンラインで打ち合わせが可能です。最近ではピンタレストというお気に入りの画像をシェアできるサービスを活用して、お客様にファッションの提案をしています。 

必死で身につけたものは必ず将来に役立つ。ピン!ときたらぜひチャレンジを

ーー鈴木さんはさまざまな経験から好きなことを見つけ、53歳で起業されました。働き方や生き方に迷っている女性に向けてアドバイスはありますか?

私はたくさんのお金と時間をかけて、自分のやりたいことを探していました。イメージコンサルタントになり実感しているのは、必死で取り組んで身につけたものは、何らかの形で将来に役立つということです。今振り返ってみてもムダな経験はほとんどなかったと思います。

ただ、将来につながるスキルや知識は楽して手に入れられるものではありません。必死に磨くからこそモノになるので、自分を前進させるための「やってみたい」という興味・関心はとても大事。ピン!とくるものに出合ったら、ぜひチャレンジしてみてほしいです。その経験は必ずあなたを支えてくれると思いますよ。

(取材・文 / 山本洋子)

鈴木雅海さんのプロフィール
イメージコンサルタント/大人の女性のためのパーソナルブランディング専門家。8カ月間の遠距離恋愛の末、41歳で再婚し大阪から埼玉へ移住。その後、大手生命保険会社に事務職で12年ほど勤務する。自己啓発として通っていた話し方教室でイメージコンサルタントとの出会いがあり、今までの経験を生かせる職業だと感じて養成スクールで勉強を開始。起業後は女性起業家や女性経営者の人を対象に、見せ方のプロデュースやブランディングを手がけている。 
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