11/22 - 書けない

曲ができない。あと1曲。レコーディングまであと1週間を余裕で切った。ワンコーラス分のデモはできているが、残りが埋まらない。頭の中でオケの音だけはほとんど鳴らせるような気はするが、歌詞がどうにも書けないのだ。書いては消してを何度も繰り返している。

僕は頭の中でその曲がフル尺で完璧に再生できる段階までいかないとDAW上での作業に着手できないというたいへん厄介な性質をしており、一旦オケだけ打ち込めばいいじゃん、という指摘が至極最もなのは承知千万であるが、そういうわけにもいかないのである。作詞と作曲はほとんど同時に進める。詰まったら歌詞を優先してメロ側を変える。今回ばかりはこの方法論は崩さなきゃいけないかもしれない。

そういえば曲のメロディを大切にした記憶ってほんとにないなあ、と思った。優先順位はかなり低い。悩んだこともそんなにないはず。だいいち悩んだってしょうがない、とすら思う。もう出尽くしてるんだから。そのくらい何も考えないで書いた方がその人っぽいメロディになるんじゃないですか?知らんけど。

僕は音楽をつくるうえで歌詞をいちばん大切にしているという自覚がある。そして僕は音楽理論のことがまるでわからない。理詰めで作るよりかっこよくない?的な気持ちも少なからずあるせいでもう何年も勉強に手が付かない(理論派の人を悪く言う意図は決してない)。ので、せめて歌詞くらいはいいものを書こう、と作曲を始めた頃からずっと思っていて、まだまだ未熟だなとか見返すと全然ダサいな、なんてことはよくあるが周りの評価は概ね良いので嬉しい。自作のポエムをネットの海に放つという行為に違和感を抱かなくなってしまった。大変なことだ。

こんなものを書いてる時間があったら曲を書きなさいという指摘も分かる。なんならバンドメンバーから飛んできそうである。読んでんのかなこれ。でも前しんちゃんが僕のノート好きみたいなこと言ってくれてたから読んでんだろうな。今回だけ見落としてくれないかな。あるいは見逃してくれないかな、とも。

反論はある。言い訳とも呼ぶ。僕は文字を書いたり読んだりすることが好きで、青空文庫の適当な小説を読んだり、こうやって頭の中の文字を片っ端から全部文字に起こしたりしていると言語中枢が温まっていくような感覚があり、そのまま創作がうまくいきがちである。つまりこれも創作の準備段階、作曲の一部。サボってません。経費で落ちます。あとこれ書いてる今家にいないんです。だとしても遅いって?静かにして。

こうやって頭の中の言葉を書き殴るというのは実は文学の手法で、思考の流れ という名前があったりもする。ジェイムズ・ジョイスとかが有名。『フィネガンズ・ウェイク』のジョイス。死ぬほど難しい上に言葉遊びの量も尋常でなく、他言語に訳すのは不可能と言われていたらしい。元何語だっけ。でも日本語訳版がある。翻訳家ってすごい。読んでみたい。『ユリシーズ』も気になる。あと書いてもみたい。こんな調子の、思考の流れだけで原稿用紙100枚くらい。フィクションでもノンフィクションでも。1週間で書けそう。小説を書いてみたいなあと最近よく思います。身近なところでいうと、マンスーンさんのツイッター。下町のスティーブ・ジョブズ。あれ完全に思考の流れの技法だと思う。文学。まとめられて出版されたら多分買う。結婚おめでとうございます。

話が逸れた。最初から逸れてる。真ん中なんてそもそもあったのだろうか。とにかく、制作は進めてるよということ。ただ人を待たせているのも事実。非常によくない。21歳を目の前に徹夜が幾分辛くなってきましたが、自分の健康に代えてもみんなの健康は守らねば。がんばります。曲は非常によい。音楽以外の新しいことにも個人的に挑戦してます。でもみんなの力あってこそだから、クレジットは全員かな。そんな感じ。がんばります。2回目。つづく。

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