4/22 - 『そうだな。俺の正直度は90%だ』

・インターネットにおける僕のあらゆる活動の主たる動機ともいえる弊バンドの2枚目となるミニアルバムをリリースしたり、他にも引越しをしたり普通にコロナに罹ったりするなどそこそこの文章量を生み出しうるトピックが二、三あったのにもかかわらず更新頻度のこの有り様を見ると、やはり僕はまとまった長い活字をコンスタントに書くのが絶望的に向いていないんだなあと思う。思い返せば読書感想文をはじめ作文の類いはなるほどひとつ残らず苦手だった。ツイッターランドに跋扈する”勉強は苦手だけどなんか現代文だけは取れた民”(キャブスとかきのこ帝国とかが好き)(桜庭一樹も好き)(だが、GOSICKは正直そこまで刺さっていない)(まだTikTokのことがふわっと嫌い)の仲間にさえ入れない僕は、いったい…。

・そう、引越しをしたんだ。自堕落という言葉は僕の生活の様子を見かねた春秋時代の儒学者が発した罵倒を起源とする故事成語(諸説あり)であり、事実としてほとんど孤独死の現場のような七畳一間にだらだらと暮らしていたのだが、先々月届いた契約更新料を払ってね〜という書類に冗談のような金額(今思うと別に適正だったのかもしれない。ただ、僕は賃貸をはじめとした”空間”にお金を払うことについていまだに露ほども納得していない。野球やサッカーなど行える運動場の利用料金が1時間〇〇円ならまだわかるが、せいぜい組体操の2人技各種が関の山といった具合のワンルームに月数万円とは。月数万円!有史以来の文明において”空間”の価格ってインフレ起こしすぎじゃないですか?)が書いてあったため、ふざけるのも大概にしろ、まあでもいっそいい機会だ、もう少し広い家に住んで次からはととのった生活をしよう、ということでその月のうちに不動産屋さんに連絡→内見(の最中に急に熱出て病院行ったらしっかりコロナだった)→契約→入居までを駆け抜けた。行動力というスカラー量をどうにか保存して任意のタイミングで取り出す技術が完成すればいいのにと切実に思う。六畳間がふたつと少し広めのキッチンがある暮らしはそこそこ気に入っているが、楽器や機材類を片方に押しのけてできあがったリビングは我が家と思えないほど整然としており、音楽という呪いをみずから進んで受け入れた者がワンルームで丁寧なくらしをしたいと考えることの烏滸がましさを身を持って思い知った。足の踏み場などエフェクターボードの上しかないような空間に住まう覚悟のない者が、きわめて動物的な理由でギターを始めるべきでは断じてない。ギターを始めたおかげでモテているなんていうのはほんのひと握りの、部屋にあるのはアコギ一本だけ、練習するのはFでもアドリブでもなくKing Gnuの常田さんが『一途』を弾く動画のコピー、好きな音楽はTikTokで流行っていればなんでもいいが、少なくとも帰りの会なんかを好き好んで聴いているような君たちではないということを肝に銘じるように。

・ミニアルバムが出た。実に1ヶ月半前になる。インタビューとかもして頂いたけど、もっと色々文章など残しておけばよかった。長々と喋ってるのは帰り会のチャンネルでの配信とか、https://youtu.be/n3JIds16e3Q こことか(この配信、終始論調がおたくすぎる)。曲数のある作品のリリースってもうちょっと感慨深いものではないんでしょうか。ひとまず聴いてくれてありがとう。やりたいことをやり、やれることを全てやって、満足して、嬉しい思いも悔しい思いもした。良くも悪くも僕はまだまだ自分の作品に心の底から納得できていなくて、それを僕はとても前向きに捉えている。次の作品のレコーディングを先週終えたところだし、その次も少しずつ輪郭がみえ始めている。具体的な目標みたいなのはやっぱりないけど、少なくとも再生回数やセールスで一喜一憂してるやつらより僕は間違いなく音楽のことが好きだし、それ以外に求めるものって今のところはまるで思いつかない。引き続きぬるぬるとやっていきますよ。

・たぶんこれまでで1番好きな自分の曲。これに関してだけはまだ評価され待ち。『インターステラー』はもう観ましたか?

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