函館珍道中その2 雨にも負け風にも負け肉に勝つ

函館に到着。
嵐の出迎えにびしょ濡れに。
困ったもんだ。

悲しい気持ちでホテルにチェックイン。
部屋が少し下水臭い。

夜になると雨が止んだ。
このままホテルにいてもつまらない。
気を取り直し、いざ！街へ。

駅の観光案内所へ向かう。

「この天気ですけど、函館山ロープウェイは動いてますか？」

夜景にこだわるのは、なぜか、自分でもわからん。

「調べますね。
あー、今は動いてますね」

「雨止んだから、夜景見えますかね」

「ライブカメラの映像で確認しますね
今は夜景見えてますよ。
でも山の天気は変わりやすいからなんとも…必ず見えるとは言えませんけどー」

「ありがとうございます！
見える方に賭けてみます！」

タクシーに飛び乗る。
外は風が強くなってきた。

「お客さん、3人だったらタクシーで山頂までロープウェイより安く行けるんだけどねぇ。」

わたしゃ1人だぞ。
「ちなみに山頂まで行くとおいくら？」

「5、6千円かな」

「げ、ロープウェイ乗ります！」

ロープウェイのチケットを購入。
夜景を見てきた人たちが続々と降りてくる。

チケットを手に乗り場へ向おうとした矢先。
係員のおじさんが、
バッテンのジェスチャー。

「強風のため運行中止❗️」
「…え、今？」

せめて一往復してくれないか。
そんな願いは却下。

チケット売り場のお姉さんが
なんと言ったらいいのかしら…というような
なんとも言えない同情の眼差しでチケットを払い戻してくれた。

日頃の行いが悪いのか。
函館との相性が悪いのか。

帰りのタクシーの運転手さんが
「3人いれば山頂まで安く行けるんだけどねぇ」
と独り身にトドメを指す。

悔しいのでレンガ倉庫へ向かった。
でも風が強いし寒いしで
ちっとも楽しくない。
お土産のお菓子を買って
ホテルまでトボトボ歩いた。

そらにしても寒い…。
あったかくなるもん食べたい
なんか肉！食べたい。
北海道といえばジンギスカン！
肉食べて元気だそう。

前もって調べていた店へ行く、
扉を開けるとモクモクと肉を焼く煙が。

店員さんに1人ですーと告げたが、
困った顔をされた。
「すみません。今さっき予約が入っちゃったんで満席なんだよ。悪いけど駅前の2号店へ行ってくれる？地図アプリとかで調べてさ」

肉にも嫌われたか。
地図アプリ開いて探す力なぞもう残っておらん。店の場所を聞くのもなんか嫌になってしまった。

ホテルへ向かう途中、客引きのお兄さんの声に吸いこまれるように、ラムしゃぶの店へ。

あったかい鍋にホッとした。
美味しいとかなんとかより
湯気に癒された。

煙モクモクのジンギスカンより
あったかラムしゃぶの方が胃腸に優しいよな
と言い聞かせる。

会計で北海道クーポンとやらが使えて
320円の支払いで済んだ。

最後にちょっと救われた。

どうなる函館！最終日に何が起こるか
続きはまた。