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4-1-3 文章の表現スタイルを話し手が判断する(構判)

話し手は、文(構解・構相)を集めて文章をつくり、まとまった思いを表現する。

文章には、談話、メール、小説、演説、俳句、エッセイ、書類、図表、プレゼン資料といった、さまざまな形式(表現規範)がある。口語的か文語的かの区別もある。

そのなかから、話し手は聞き手や場にふさわしいものを選択している。

このように、話し手が判断して選んだ文章の全体規範を、構判と呼ぶ。

構判には、それぞれ独自のリズムや語彙がある。日本語には、そうしたリズムや語彙を利用した和歌、俳句、漢詩のような、芸術的な高揚を固定する定型規範もある。英語にも、ソネットのような詩形がある。

文章は、映像や音楽や身体運動と互換性をもったり、映画のように他の表現と融合することも可能である。

英語の構判(表現スタイル)を支える技法として広く使われているのは、倒置、強調、省略、挿入、同格という、ラテン文起源の修辞法である。これらは現代の英文法書では「特殊構文」という名称で解説されている。

逸身喜一郎『ラテン語のはなし 通読できるラテン語文法』(大修館書店、2000年)は、「英語の文体そのものが常にラテン語を手本にして鍛えられてきた」という。9頁

たとえば報道関係の英文では、上記のようなラテン文起源の修辞法は、なくてはならない技法である。

例として、TIMEの金正日死亡の記事をみてみると、挿入や同格によって長文化させて緊張感を維持しつつ、省略によって簡潔化してスピード感を出す技法を駆使している。

But the ridicule could not conceal that North Korean leader Kim Jong Il, who died at age 69 on Dec. 17, was able to maneuver his small, totalitarian nation into a force that compelled deep concern and even fear from among the world's powers.   He did so at a great cost to his people, millions of whom died in famines in the 1990s and hundreds of thousands who are enslaved in prison camps. 

 http://www.time.com/time/world/article/0,8599,2102768,00.html#ixzz1gzRXzlkO

英語の構判(表現スタイル)は多様であるが、どの表現スタイルをとるにせよ、倒置、強調、省略、挿入、同格は、基本として使われる修辞法である。

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