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英語の基本日記

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英語関連の話題について書いています。英文記事の紹介とか、文法の話とか、使える英語フレーズなどです。ちょっと高度かもしれませんが、どうか気楽にお読みください。
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2020年8月の記事一覧

モーツアルトは「沼地の茂み」 欧米人の名前の意味

モーツアルトは「沼地の茂み」 欧米人の名前の意味

欧米人の名前には、元の意味があることが多い。

いくつか紹介しよう。

まずは常識の範囲かもしれないが、

Roosevelt  バラ園
De Gaulle   ガリア地方出身
da Vinci      ビンチ(囲い地)村出身
Nightingale   夜の歌い手
Bach            小川

言われてみれば... という感じのもの

Webster     織物工
Turner  

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クリントン演説 思い出の三大ジョーク

クリントン演説 思い出の三大ジョーク

だいぶ前だが、2014年の民主党大会で、クリントン元大統領がオバマ大統領の応援演説に立ったときのこと。

枯れていながらエネルギッシュな声、目つきや両手の動きがどこかセクシーで人好きのする様子は、あいかわらず。

http://www.politico.com/news/stories/0912/80861_Page2.html#ixzz26AepYl6h

このクリントン氏の演説から、政治ジョー

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自分の居場所を見つける 映画『サルバドル』から

自分の居場所を見つける 映画『サルバドル』から

Oliver Stone 監督の "Salvador"(1985年)は、ハードな社会派でありながら哀愁があり、大根もいない名作。

DVDには、ストーン監督や主演のJames Woods らが制作裏話を語ったインタビューが60分もついている。

そのなかのストーン監督の話によると、ジェームズ・ウッズが演じた無頼のジャーナリストは実在の人物で、その男が書き留めた乱雑なメモの山を偶然読んだのが、本作に

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「一番になれ」は ”Be the lead dog.” 映画『サブウェイ123』 から

「一番になれ」は ”Be the lead dog.” 映画『サブウェイ123』 から

映画『サブウェイ123 The Taking of Pelham 123』(2010年2月)

狂人風の不気味な主犯はジョン・トラボルタ。

主人公と主犯が、圧倒的な存在感で好演している。

せっかくだから、使えるかもしれないセリフをいくつか。

People adapt. (人は慣れるものだ。)

You never see a U-Haul behind a hearse.(霊柩車のうしろに引

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日本人の<長期的中間言語>の問題について

日本人の<長期的中間言語>の問題について

かつて複数の日本人といっしょに英文翻訳作業をしたときに思った。

日本には<翻訳環境>とでもいうべき文化があり、そのため<長期的中間言語>にトラップされている人がかなりいるのではないか、と。

英語の和訳をめぐる問題には、次の三つの側面があると思う。

【側面A】    われわれは、明治以来、英語の概念に対応させてつくった伝統的な訳語に、ついつい頼ろうとする(じっさい、今日のわれわれが使う語彙の大

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ルターの「リンゴの木」 は ”my  apple  tree”

ルターの「リンゴの木」 は ”my  apple  tree”

コロナ問題の出口が見えないなか、ふと思い出した言葉がある。

「たとえ明日、世界が滅亡しようとも、今日私はリンゴの木を植える」

これはルター(1483年 - 1546)が言ったとされる。

ちょっと調べてみると、これには次のようなうまい英訳例があることを知った。

"Even if I knew that tomorrow the world would go to pieces, I woul

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中国の蒋介石とドイツ人軍事顧問が日本語で会話していたという話

中国の蒋介石とドイツ人軍事顧問が日本語で会話していたという話

日中戦争期の中国の指導者・蒋介石(1887-1975)は、ドイツ軍の将校を軍事顧問として迎えていた。

その軍事顧問の一人だったファルケンハウゼン( Falkenhausen, 1878 - 1966)は、上海などで国民政府軍を指導していたが、蒋介石とは日本語で話したという(吉田一彦『ドキュメント第二次世界大戦 情報戦略の真実』PHPエディターズ・グループ、2020年、96頁)。

政府レベルの中

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認知言語学の本は英語の学び方の本ではない

このごろは認知言語学と呼ばれる理論が流行している。

認知言語学をリードしているのは英語ネイティブであり、おもに英語を素材にして言語を論じているので、言語学といってもじっさいは英語論といっていいようなところがある。

日本人の研究者も英語ネイティブが提唱した認知言語学を学び、解釈し、成果を発表している。

そこで、無意識のうちに私たちは勘違いすることがある。

認知言語学の成果を読む一般の日本人は

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『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか』はなぜ売れたか

『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか』はなぜ売れたか

宮崎里司『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか あなたに役立つ「ことばの習得」のコツ』(明治書院、2001年、1300円)

著者は早大の日本語教師で、タイトルがみんなの疑問をうまく表現しており、かなり売れた本と聞く。

だが、内容はいただけない。

外国人力士は、来日するとおかみさん、親方、兄弟子、番付表、床山さん、付き人、タニマチ、近所の人、ファンに囲まれて「24時間日本語学習モード」になってい

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