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2020年7月の記事一覧
英語と文語 鈴木大拙の英文の秘密
鈴木大拙(1870-1966)『禅の第一義』を開いたとき、私は衝撃をうけた。
すべて文語体で書いてあるのだ。
1914年出版というから、大拙44歳のときのもの。
大拙は27歳から38歳までアメリカにいたから、この本は帰国後、学習院大で教えていたころに書いたのだろう。
大拙の文語をみて、「ここに大拙の英語力の秘密があるのではないか?」と私は直観した。
『禅の第一義』から引用してみよう。
「いつやるの? 今でしょ」 は "Now, or never."
あるファンション系ショップのショーウィンドウに、ハッとした。
これは外資系のショップらしく、コロナ禍の今を表現した、本格的な英語になっている。
下のほうにある "We are real." というのは、われわれは現実に、この世界に生きている(これは幻想ではない)ということと、事態は深刻で、真剣に向きあわねばならないし、現にそうしている、といったニュアンスを一語で表現したもの。
"We f