2020年10月の記事一覧
【コラム】英語のサウンドシンボリズム
亡くなった作家の井上ひさし氏(1934-2010)が、次のように書いている。
「t という音は指示を、s という音は未来を、k という音は疑問を、r という音はまるいことをあらわす、と喝破したグリムにならって、<n という音は否定をあらわす>といいたいと思う」(井上ひさし『私家版日本語文法』新潮社、1981年、169頁)
ある音声が、ある共通した意義を表す。
そういう傾向を探求する分野を、「
<セントラル・ドット>って、知ってるかい
セントラル・ドット central dot というものが、たいていの英語の辞書につかわれていることをご存知だろうか。
なかなか気づかない、小さな中黒点。
たとえば、
area
という単語がある。いわゆる「エリア」で、日本語にもなっているが、私はこの単語がどうもいいにくいと感じていた。
あらためて辞書を引いて、ようやく目に入ったのが、 central dot。
見出しのつづりが、記号「・