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世界が全て黄金比で構成された時、私達は何を思うのか

黄金比についてご存知の方も多いと思いますが、私はこの存在をレオナルド・ダ・ヴィンチを通じて知りました。モナリザに黄金比が使われているから美しく見える、というものです。

よくデザインには黄金比が取り入れられていますが、この黄金比という考え方を目に見えるもの以外に拡張して考えた時、世界はどのように見えてくるのでしょうか。

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参照) Wikipedia: 長方形は縦と横の長さの比が黄金比になるとき、安定した美感を与えるという説がある

黄金比の概念の拡張

黄金比を「何かに着目した時に最適の解が存在する」ことと捉えるとします。(1という数字に対する1.618のように)

つまり味覚や聴覚などの五感に関して、それぞれ黄金比が存在すると考えます。誰しもが美味しいと感じる食事や、誰しもが美しいと感じるメロディー、誰しもが良いと感じる匂いが作られる世界を想像してみてください。

【2030年】黄金比で構成される世界の到来

世の中は急速に発展することで、簡単に美しいものに出会うことができるようになりました。

今までの感覚を超越するものに出会う時、人は感動し、誰かに共有したくなったものですが、現代では恐ろしく簡単に黄金比に近い形で五感を刺激する事柄に出会えるようになったため、黄金比でないものは不快感を与える負の要素でしかなくなりました。

今、世の中は黄金比で溢れています。

黄金比であることが普通になってしまった世界は、黄金比から抜け出せなくなり、黄金比ではないものは日常からは否定されるようになっています(一部アーティストの中では敢えて外す人も出てきましたが)

一見すると良い世界のように思えますが、黄金比というのは、つまり黄金比以上に美しいものはない、ということと等しいのです。

人は日常的に五感を刺激するものにとっくに慣れてしまっていますが、それ以上に感動するものに出会うことは最早ありません。人が、企業が、そしてAIが素晴らしい音楽や素晴らしい食事を提供しています。

探究心を失う人々

人々は探究心を失いました。新しい感動を探す必要がないからです。何でも望めば手に入る時代になりました。そこには不自由はなく、それなりに人は満足して暮らしています。

黄金比は絶対的に美しいと感じるゴールであり、技術や思想の進歩により、全ての領域が黄金比へと向かっています。この流れに抗うことは出来ず、人は何かを発見する、という新しい可能性を見出す絶対量が少なくなってしまいました。

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エントロピーの収束

全ての事象に関わるエントロピーは遅かれ早かれ収束していきます。限りある資源を我先にと掴み取るゲームです。過去の事象があるために、新しい事象が誕生(実現)することがほとんど(Deep Learningの誕生のように)なので、同時多発的に資源が抽出され枯渇することはありませんが、収束スピードは早まる一方です。

人は人であり、人にあらず。

そんな未来を思いながら、
アイスコーヒーを飲むのでした。

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