そらる『嘘つき魔女と灰色の虹』覚書
『嘘つき魔女と灰色の虹』第一回
(ダ・ヴィンチ 2020年8月号)
※今後シリーズを読み進めていくためのメモ。
登場人物
ルーマ:機械整備士、13歳から約三年目。もうすぐ16。
フランツ:ルーマの上司。父の友人。何かと目をかけてくれる。
ルーマの祖父:技術者。13年前に戦死。人に厳しく頑固なところもあるが優しい。
ルーマの父:技術者。13年前に戦死。朗らかな性格で周りを明るくさせる。
ルーマの母:マイペースなルーマと対照的でせっかち。
イリア:鮮やかな赤毛。碧い大きな瞳。魔女。
アズリー(イリアの祖母):白髪交じりの赤毛。碧い目。魔女。
イリアの父
舞台
【ルドルデニア】
人口の一割をオートマーチと呼ばれる自動機械人形は占める国の首都。
13年前の戦争の敗北をきっかけに、この国では近代化革命、機械化革命が起こっている最中。戦前は、静かで、質素で、貧しい街だった。
街の中心に80メートルほどの高さの巨大な塔があり、優秀なエンジニアと政治家たちが働いている国の要となる場所。
オートマーチとは
公的サービスの一つとして国営で管理されており、多くの役人が働く、街の中心にある巨大な機械の塔からの命令により、国中の人々を手助けしている。13年前の敗戦をきっかけに増えた。
・ルーマの働く工場
塔から2,300メートル離れた場所にある。
【迷いの森】
ルドルデニアから数十キロ。魔女の住む森。
プロローグ
現在ー
屋敷に一人ぼっちになったイリア。
小さな部屋:丸い宝石のなかに色とりどりの星が閉じ込められている
「あの子は今誰とどんな人生を歩んでいるんだろうな…」
「今日生まれたあなたの輝きは何色かしら――」
第一章
1
現在ー
ルドルデニアのルーマ(15歳)
母親に起こされ、亡き祖父の仕事場に機械整備士の仕事しに行く。
「あの子、今どうしてるんだろうな。僕も早く・・・」
2
八年前ー
昔話「星と会話することができ、”イロ”が見える魔法使いたちが世界中にいて、この街の近くの迷いの森にも魔女の一族が住んでいる」
イロはもともと世界に当たり前にあり、見えるものをより鮮やかで美しくするものだった。しかし化学の発展と共に星を見なくなり世界を汚すようになっていった人間に対して怒った星々がそれを取り上げてしまい、その存在のことも徐々に忘れられていった。(・・・という嘘を魔女が吐いていた)
・母は魔女を悪いものだと言っていたが、星と仲良くなれる魔女が悪いものだとはルーマはどうしても思えなかった。
・魔女に会いたい。
暗い明け方、門前広場で行商人の荷馬車にのりこみ、迷いの森へ。
3
少女イリアと老婆アズリーに出会う。
[イリアの父]
・魔法使いたちはもともと仲良くしていたはずの外の人間たちに迫害され辺境の地に追いやられた
・それでもお互いに事情があり、どちらかだけが悪いということではないんだよ、と言って決して外の人間を恨んでいなかった
[アズリー]
・イリアが外の人間を怖がり、悪印象を持っていたことをアズリーはずっとわかっていた
・数十年前は多少つながりがあった外の人たちともだんだんと交流が減っていき、最近では顔を見ることがなくなってしまったため仕方ないことではあるが、イリアとこの迷子のこの出会いが、イリアにとって大きな成長につながってくれる、アズリーにはそんな予感めいた確信があった
[イリア]
・生まれてから家族以外とは会わずにずっと森の中で暮らしてきたイリアは外の人間は怖いものだと思いながら過ごしてきた
・自分が思っていたような悪い人間ではないのかもしれない
気になるポイント
◎一節ではくすんだ世界だが、イリアとアズリーが出てくる三節には色の描写がでてくる。
◎ボカロ版『嘘つき魔女と灰色の虹』との比較
「盲目魔女」とは?
AY
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