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シン・エヴァンゲリオン感想(ネタバレ有)

シンエヴァ見た。
忘れないうちに感想メモっておく。

ネタバレするから見てない人は早く劇場に行ってね。

観に行ったのが日曜日で、これ書いてるのが月曜の朝…仕事したくないでござる…
もっとエヴァに浸ってたいよーという気持ちを振り絞って書きました。








黒波の成長と一般人の描かれ方

黒波が村の人たちと接していくことでどんどん人間の感情を学んでゆく描写がとても良かった。破のエヴァでもポカ波の心の芽生えは描かれていた。今回はこれまでのエヴァだとあまりクローズアップされてなかった一般人の生活が描かれており、それに触れてこころが芽生える表現がされていたのがとてもぐっときた。

エヴァの魅力はネルフや使徒、ゼーレなどなど得体がわからんけどなんかかっこいい世界観だと私も思ってきたし、これまで見せてなかったように思う。しかし、ここに来て一般人の生活を描いたのが印象的だった。謎の生命体やシンジやミサトさん、ゲンドウなど選ばれた人たちだけがドンパチやってる世界ではなかったのだ。ちゃんと生きてる人がいる世界。ニアサーが起こって人類がほとんどいなくなって、生きるのが大変であっても、それでも仕事して、ご飯を食べて、子供を産んで生きてゆく。そういう人としての営みが存在する世界なのだと描かれたのが、一般人の私から見てとても良かった。

東日本大震災やその他災害に襲われても、それでも生きてゆく人々の逞しさ、美しさみたいなものを描けたのは、エヴァという作品が25年続いたことで、その間に色々なことが起こっだからだろう。

シンジの成長と表現の変化

これまでシンジの苦悩、葛藤、心情の独白が多かった。アニメ版は25話26話は文字や声が多く心の内面を言語で表現していた。

今回、シンジが村において立ち直るシーンがあるが、その表現のされ方がこれまでの表現とは違っていた。黒波に「なんでみんなが優しいんだ」と言っていたと思うが、それ以外言葉としてシンジの気持ちが表現されている言葉はなかったと思う。ほとんど黙りこくってたし。シンジの内面世界の表現も無かった、と思う。(今度見るときに確認しよう。)
うじうじしてるのはこれまでと変わらないのだが、見てる側としてはなんか違うのだ。

それは多分言葉ではない表現だったからだと思う。

DSSチョーカーを見て吐き、カヲルくんの件が相当のトラウマになっていることは想像できたし、黒波から渡されたS-DATを払いのけることで、周りを拒絶してるんだなってこともわかったし、届けられた非常食を最初は見向きもせず、何もしたくないと思っているのにそれでも腹が減って食べるしかない悔しさ。そういう表現のされ方に変わった。心の苦悩、葛藤が直接の言葉ではなく、表現されている。

見てる側はこれまでシンジの気持ちを言語として知らされるだけだったのが、描かれた映像から想像し、察するという受け取り方に変わった。そういう受け取り方に変わったことでシンジの気持ちを前よりもすんっと受け入れられた。

パンフレットでシンジの声優である緒方さんがシナリオ開発の段階で、Qで喋れなくなったシンジがどうすれば立ち直れるか、会議に呼ばれて庵野監督に聞かれたそうな。庵野監督もシンジを復活ささるのに苦労されていたのだなと思う。緒方さんのインタビューには下記の表現があった。

行為が重要なのではなく、シンジの気持ちが描かれてさえいれば、何をしても成立する

シンジの気持ちがきちんと描けれていた。私たちがちゃんと受け取れる形で。だから、その後のシンジの行動も理解できた。

アニメ版や旧劇場版では、自分が救われたいと思うシンジの気持ちが解決するところまでを描いている。(あの終わり方でほんとに救われてるのか怪しいが)
だが、今回の自分が救われたいではなく、救いたいというのが後半の行動につながっていく。ゴールがちがうのである。ネタバレ考察を読んでこれまではシンジの思春期の脱却を描いていたのに対し、今回は大人になるということを描いているって言ってて、まさにそうだなと思った。

救われたアスカ

アスカ…
私アスカ推しなんですよ。アスカいつも一生懸命頑張ってるじゃないですか。気持ちいいくらいのかっこいい戦闘をしてくれて、うぉぉぉぉぉ!!ってなったところでいつも酷い目に遭うアスカ。もうアスカを幸せにしてあげてよっていつも思ってた。

アスカ推しなので、アスカエンドっぽい旧劇もそれなりに好きだ。意味は分からんかったけど。

今回アスカがシンジにあの時好きだったって告げるシーンがあって。そのシーンがすごく好きで。全俺が泣いたわ。あのツンデレなアスカの口からすきって言葉が発せられるなんて…俺は夢を見ているのだろうかと思ったよ。大人になったアスカだからできたことなんだよね。

そして、最後シンジがエントリープラグに残っていたアスカに、あの時僕もアスカのこと好きだったと思うって…。泣くわ、こんなん、泣くわ!!
アスカ推しだから、シンジとアスカが結ばれればいいと思っとったけど、もうこれだけで満足です。というか、この方が満足です。庵野監督すごい。ありがとうございます。

ケンスケ〜!!この野郎、いつの間にそういうことになってたんだよー!!まさかケンスケとは…ダークホースだったわ。
でも、納得してないとかそういうのじゃなくて、おめでとうという気持ちと驚きが入り混じったそんな感じ。アスカが心安らげる場所を用意してくれてありがとう。お幸せにね!!

大人のマリと神木隆之介のシンジ

世界を作り直した後、電車のホームで大人になったマリとシンジが出てくる。
まさか、マリエンドとは…
エヴァをアニメ版から見てたわたしはてっきり綾波かアスカとくっつくもんだと思い込んでたよ。ダークホース…

でも、これもとてもいい裏切りだった。
新しく作り直されたエヴァが、昔のエヴァには出てこなかったキャラとエンドを迎える。とても素敵だと思った。

そしてこれも、自分が大人になったから受け入れられるエンドなんだと思う。子供の頃は運命の人と結ばれるって思いがちだ。だが、大人になる前に好きだったり付き合ったした人と最後まで続くとは限らない。いろんな人を好きになって、そして思いもしなかった人と結ばれる。それが人生なんだなって大人になったからわかる。

神木隆之介がエンドロールに出てきて、え?でてきてた??とびっくりした。後から大人シンジが神木隆之介と知り、あー、確かに最後声違ったなって思い出した。
Twitterで『俺たちは最後君の名は。を見せられた』って呟いてる人がいて笑った。電車のホームだったしね。

このエンドを見てそういう感想を言えるのは、君の名は。というアニメ映画が大ヒットした後だからなのだ。Qのあと続けてシン・が出でいたらこんな感想でてこない。現実で起こった色んなことがこのエヴァを形作っているんだなと思う。25年かけてつくられた作品だからこそ受け取れるものがある。そういう意味でやっぱりエヴァは他の作品と違う。

特別配布冊子とサブカル

エヴァロスが酷い。ちゃんと終わって欲しいと思い続けていたのに、終わってしまえば、終わらないで欲しかった…と思ってしまう。
こんなに綺麗に終わってしまうなんて思いもしなかった。エヴァだから、Qがあんな感じだったし、正直わけわからんってなるのとちゃうかなって思ったりもした。でもそんなことにならなかった。一緒に観た家族と話していたんだけれど、これはもうエヴァと庵野監督の戦いだったね、と。庵野監督の勝利でしたね。

特別冊子に何書いてあるんだろうかと思ったら、映画の中で出てきた謎単語のオンパレード
…家に帰ったら開封した直後は、え??なんでこんなもん渡されたんや…って戸惑ったんやけど。

エヴァってサブカルのもう代表のような存在やと思うんですよ(サブカルの域超えてるくらい有名やとは思うけども)
よくわからんけど、みんなで考察してあーでもない、こーでもない、って自分の考えを発信したり、他人の考えを受信したりそういう楽しみ方をするのをここではサブカルって呼んでる。
攻殻機動隊とかそういうかんじ。伝わるかな。

去年大ヒットした鬼滅の刃とかは子供から大人まで楽しめるし、サブカルって感じではないと思う。コナンとかワンピースとかも。そういう作品はみんなが楽しめるようにわかりやすくが描けれているし、家族で見に行きやすい。興行収入ももちろんその分増える。

でも、エヴァはそういうのとやっぱりちがう。サブカルなのだと思う。サブカルって言われるとなんか主流じゃないみたいな捉え方されそうだけど、私が言いたいのはどっちがいいとかそういうことじゃなくて、楽しみ方の違いってこと。エヴァの楽しみはやっぱり、よくわからんけど、なんかかっこいい!これどういうことなん?!って考えたり調べたりすることやと思う。

そういう意味で、劇場で配られた冊子に羅列されている単語を見たら、これはプレゼントなんだろうなと思った。
エヴァが終わっても私たちがこれからもエヴァを楽しめるようにって言うプレゼントなんだろう。

そう思えたら、すごい粋なことしてくれるやないの!!って感動した。やっぱりエヴァはいい!

また、これから何度か劇場は足を運ぼうと思う。そしたらこの感想とは違う感想を抱くかもしれないけれど、それはそれ。また感想かけばええよね。

最後に、庵野監督とエヴァ作成に携わった皆様、本当に素敵な作品をありがとうございました。

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