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青江さんと184日目(ゲットバックとわたくし 完結編)

こんばんは。ユースムースアヴェニュー青江です。長々とすみません。今日で完結。

ついに映画「レットイットビー」を見る夢が叶った青江少年。
映画はだだっ広いスタジオでのリハーサルシーンから始まります。車座になって製作途中の新曲を演奏していくビートルズ。ビートルズは時期によってルックスがガラリと変わるのですが、この時期の4人(ロン毛のジョンとか)が実際に動く姿を初めて見たので、それだけで大興奮です。
やる気マンマンのポール、オノヨーコの側で気怠そうなジョン、個人的に一番この時期の見た目がカッコいいジョージ、死んだ目をしたリンゴ(笑)
有名な「I've got a feeling」でのポールとジョージの口論も、けっこう気まずい空気のシーンなのですが
「本で読んだ事あるやつだ!」
といちいち進研ゼミの勧誘漫画みたいに感動してました。
しかし、それにしても映画の中に山場らしい山場がありません。後半、MVチックに通しで一曲通して演奏するシーンはありますが、ほとんどがダラダラっと少し演奏して終わり。あとはほとんど空気悪い、みたいな感じ。メンバーみんなお疲れの様子で、子供心にも「そりゃあ解散するわな」と思いました。ドキュメンタリーなので「ハードデイズナイト」や「ヘルプ」と言ったアイドル時代の脚本がしっかりある映画と比べるのもおかしいですが、リアルタイムでみた人はさぞかしがっくりきた事でしょう。

そしてラスト、いよいよ屋上ライブ。諸説ありますが、新曲だらけのライブなりテレビショーなりをやろうと動いたものの、空気悪いわ映画用のドキュメンタリーも中途半端だわで、じゃあもう自分とこの会社のビルの屋上でぱっと演奏して終わりでもう良くない?という流れ、が当時の青江少年の理解です。ひとつだけ確かなのは、世界を制したビートルズの、四人揃ったラストライブが自社ビル屋上のゲリラライブだったという事です。

このライブがもう、さっきまでのだるだるさが嘘のようにカッコ良かったのです。ゲリラライブなので街はちょっとしたパニックに。うっとり屋上を見上げる人、うるさい!と文句を言う人、あれ新曲?いいね!とご機嫌のおじさん、などなど街の様子を差し込みながらライブシーンが進んでいきます。街に反響する声や楽器の音、レコードの当てぶりではない正真正銘のライブ演奏(この頃にはレットイットビーもそこそこ聴き込んでいたので、ちょっとした歌い回しの違いとかも嬉しかったのです)。

ひと目ビートルズを…という人だかりが交通渋滞を引き起こしたらしく、警察が出動する騒ぎになりました。警察官が取り囲む中、しかたなくラスト曲となった「Get Back」。ラストというか「もう止めろ」と言われてからの演奏だったので、ギターソロの途中でギターアンプの電源を落とされてしまいます(これはたしか警官ではなくビビったローディーがスイッチを切った、はず。要確認)。
ジョンもジェスチャーでポールにもう無理っぽいよと伝えますが、構わずノリノリで演奏を続けるポールと、まだちょっと目が死んでるリンゴ(笑)そこですかさずジョージがアンプのスイッチを入れ直します。さすがだジョージ!セッション中はあんなにポールにダメ出しされてたのに!
そして演奏を終え、屋上を立ち去るビートルズ。
結果的に、ですが、こんなドタバタなゲリラライブがラストになったというのが、なんといか、洒落た運命じゃのう…と青江少年はもう大満足です。
ジョンが最後にマイクに向かって
「グループを代表してお礼を申し上げます。オーディションに受かってるといいんですけど(笑)」
というヨーコ以外笑わなそうなジョークを言って、映画はスタッフロール。

はわー、ええもん見た。突然のVHS発見だったのでもう時間は真夜中でしたが「いつか僕も屋上で演奏して警察に捕まろう」と間違った決意を固める青江少年なのでした。

興奮さめやらず、もう一回屋上ライブを見ようと巻き戻しを始めた時、警官ではなくオカンが
「あんた何時やおもてんのん!!!」
と出動してきて、青江少年の思い出はスタッフロールに突入します。
書き始めたら止まらなくなった長文、読んでくださってありがとうございました。


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