"ゆたかさ" について考える

こんにちは。むーみんです。

【note 7日間連続投稿企画】Day7 ラストです!

企画の詳細はこちらから☟

今日の記事のテーマは「ゆたかさ」についてです。

つい先日まで、私は瀬戸内を旅行していました。
3年に一度開催される 瀬戸内国際芸術祭 を巡っていたのです。
(瀬戸内国際芸術祭旅行記も別途更新しますのでお楽しみに♪)

香川県西部に位置する粟島~東部の小豆島までをぐるっと廻る旅。
東京から約540km離れた場所で電車に、船に、バスに、揺られながら感じたことを書いてみます。

ゆたかな食とは

小豆島はオリーブと醤油が特産品です。
ルームメイトが発酵食品好きで、私が香川に行く1週間前に小豆島に行っていて、醤油の蔵元巡りをしていたので、ルームメイトにお勧めの蔵元を事前に聞いておきました。

小豆島には “醤(ひしお) の郷” と呼ばれる、街中に醤油の香りが漂っている地域があります。
その醤の郷の最も北に位置するヤマロク醤油さんに蔵見学に行きました。

平日の朝に行ったのですが、同じタイミングでファミリーも同席。
何でも、そのご家族のキッズたちはヤマロク醬油で製造された醤油しか口にしておらず、他の場所で作られた醤油を口にすると「美味しくない」と言う、とのこと。

ヤマロク醬油は木桶で醤油を製造している、数少ない蔵元です。
詳細は別の記事で執筆しますが、木桶製造だからこそ出せる味があるようで、キッズはその微妙な味の違いが分かるのでしょうね。(もちろん、市販品とは味が全然違いましたが!)

私が今住んでいるところでは、世界中の料理も楽しめますし、それこそミシュランガイドで星の評価をもらうようなお店も沢山あります。トリュフやフォアグラなど高級食材と言われる食材も食べることができます。

でも、そういった豪華な食が果たして ゆたかな食なのでしょうか?
人によって価値観の違いはあるので、私の価値観を押し付ける気は毛頭ありません。
ただ、見た目の華やかさや世間的な評価に翻弄されるより、醤油のような地味だけれども奥深い、料理の機微を左右するものの味の違いが分かることの方に、私はより価値を感じます。
そして、それが ゆたかな食 なのではないかと。

味覚が敏感な幼いうちから、本物の味を教えてもらっているキッズたちは、ゆたかな食が何であるかを直感的に学んでいるんだなぁと思いました。

ゆたかな暮らし

Day1 の記事でも書きましたが、私は極度の干渉嫌いなので人との濃い付き合いも基本的には苦手です。
それこそ ムラ社会 のような、お互いの顔も名前も、両親がどんな仕事をしているか知っているような付き合いは窮屈な気持ちになります。
小豆島は、まさに私が苦手な濃い付き合いで街の人同士が繋がる場所です。

平日だったためか、お昼で入ったレストランが私以外客がおらず、陽気で人好きなオーナーと話しながらご飯を食べました。

「もし暇だったら夜もご飯食べに来てな。夜は常連もおるから、もっと賑やかになるで」

帰り際にそう声を掛けられて、夜することもなく暇だったので夜もお邪魔することに。

夜は半年だけ小豆島で仕事をしている方と地元の常連客の方とオーナーと私の4人で酒盛り。
芸術祭期間中ということで春から多くの人が訪れるらしく、オーナーは全国に知り合いがいるとのこと。

「酒飲んで仲良くなって次来るときに送迎したり、帰りの交通費出したり、そんなことしかしとらん。コイツなんてこれで帰ってくださいゆうて、お客さんのおでこに1万円貼りつけてたで。わしも色々お金くばったりしとるけど、競馬で稼いだ金やし、全然懐痛まんわ。稼いだ金は自分のために使わんと、人のために使わな。人のために金使えば、また金も入ってくるからなぁ」

どこかのビジネス本に書いてある内容を地でやっている人でした。

最近は老後2000万円問題や、終身雇用制度の崩壊で収入の柱を複数持つ意識が浸透してきていて、国としても NISA を軸とした投資信託を推進していることもあり、「余裕資金は投資に回す」という考え方をする時代です。
その時代の流れに逆行するかたちで「余裕資金を他人のために使う」ことが、少しの迷いもなくできるということ。こころがゆたかな方なんだな、と思いました。

「コイツこの前占いできるお客さんに手相見られてな、43歳で結婚するらしいやんか、今40やけそろそろ出逢わんとあかんのちゃう?もしかしたら今日かもしれんなぁ、わっはっは」

ハラスメントが方々で叫ばれる現代においてはセクハラと申告されかねないような発言も、何の他意もなくさらっと言える関係。
馬鹿にしているのではなく、相手のことを思っていて、気にかけているからこその発言なんだろうな、と感じました。

自分は都会育ちで家族以外に自分のプライベートを何でも知っている人が周りにおらず、そういう付き合いもしてこなかったので、目の前の3人の関係性が非常に新鮮でした。

都会では資産をどのくらい持っていたり、タワーマンションの何階に住んでいたり、というようなことで暮らしのゆたかさを測るきらいがありますが、私はそういった物質的なゆたかさよりも、ずっと嫌ってきたひとのあたたかさを感じる精神的なゆたかさの方が好きなんだな、と思いました。


電車が1時間半に1本、船が2時間に1便しかないような場所でしたが、自分が心地よいゆたかさについて考える、そんな時間のプレゼントをもらった旅でした。

【 note 7日間連続投稿企画】としては本記事が最後になりますが、記事自体はこれからも更新していきます♪

次の記事もお楽しみに!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?