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全く違うスタイルのビデオグラファー2人に聞く、フリーランスクリエイターの働き方。映像業界のトレンドの中で見つける自分のオリジナリティとは|Team Y+L Projects

2020年のインターネット広告媒体費は、1兆7567億円。中でもビデオ(動画)広告は、前年比121.3%の3,862億円と伸長。全体の2割を超えた。内訳は、インストリーム広告46.6%、アウトストリーム広告53.4%の構成比(今回初推定)。2021年には全体で前年比110.4%の4263億円になると予測されている。(電通調べ)

広告動画はより短くキャッチーに、テキストや音声など言語に頼らない映像を使ったインスタントなコミュニケーションは、色んなデバイスやサイズに合わせてこれからもどんどんその割合を占めて行っています。需要が増えればもちろんビデオグラファーへの依頼も増える。

今回はYLに所属し、クライアントワークや YouTubeでクリエイターとしても活躍する、全く違うスタイルを持った2人の若手ビデオグラファーに、フリーランスとしての働き方や企業とのコラボレーション方法、最近のトレンドなどについて聞きました。

好きこそものの上手なれ、24時間映像のことを考えるまでになるには

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2人とも、自己紹介をお願いします。

パト(左):サトウシミズパトリッキ悠斗といいます。長いんです(笑)父がリオデジャネイロ生まれの日系ブラジル人で、19の時に日本に来て、同じ会社の母と出会って僕が生まれた、という生い立ちです。自分は日本生まれ日本育ちで、ポルトガル語も喋れません。日系人なので顔も日本人ですが、国籍は両方持っています。ブラジルは国籍を両方持つことが可能なんですよね。

YLでは、主にプロダクションディレクターを担当していて、広告のディレクションを考えたり、実際の手を動かしての制作だったりを担当しています。プロジェクトによって、ディレクションだけしたり、撮影だけしたり、編集もしたりと一部を引き受けることもあれば、前段階の機材レンタルや香盤表を作るなど、プロダクションの仕事もしています。

個人では、ドキュメンタリー、ミュージックビデオやインタビュー映像など、結構何でも制作します!

最近では知り合いが動画クリエイターを育成する映像スクールのビジネスも行っていて、開設の手伝いもしています。スポーツ系の事業を行う会社があって、これからアスリートが自己発信の一つとして自身のYouTubeチャンネルを持ったり、動画で発信して行くためのスクールです。

今までスポーツをやってきて自己発信や動画編集などのスキルがなくても、ある程度自分で撮影して編集ができるようになるカリキュラム作りや、実践的な教育方法を作っています。

DIN(右):25才のDINです。本当の名前は原田侑弥といいます。中高のニックネームが原田だったので、ハラディンからディンになって、気に入っていてクリエイターネームとしても使っています。以前は新卒でグラフィックデザイナーをしていて、辞めた後に映像をフリーで初めて2年目です。もともと大学ではデザイン工学を専攻していて、そこから映像にのめり込むようになった感じですね。

YLの玉田さんとは、パト君を通じて、とあるプロジェクトにて入って欲しいという形で誘ってもらいました。今はクライアントワークでの映像制作プロジェクトが主で、案件によって各地に行ったりしてブランド映像や、プロモーショナルな映像を作っています。この前はファッションブランドのデジタルサイネージ映像も作りました。

自身のYouTubeチャンネルでは主に旅系の映像制作や、HOW TO 系の映像を配信しています。

DIN君がグラフィックデザイナーだったのは作品からよく伝わってきます。パト君が25才でDIN君が26歳。どのような経緯でビデオグラファーになったのでしょうか?

パト:初めてカメラを買ったきっかけは19か20の時の友達のウェディングでした。みんなお金は持ってないけど何かしようとなった時にカメラが面白そうだな、と。貯金もなかったけど15万のカメラを買って、撮影・編集して渡したらとても喜んでくれたのが最初です。

その時は単純に喜んでくれたのが気持ちいいなという感覚でした。その後友達が GoPro を買って、旅行に行った時に一緒に撮影するようになり、知り合いの旅行代理店の会社と映像の仕事ができ、そこからの縁があって大学を卒業してから今までフリーランスです。

DIN:僕は最初デザイナーをやっていたのですが、疲弊してしまって。その当時、クライアントから依頼されて、それを制作する過程にしっくり来ていなかったんです。もちろん楽しさもあったのですが、決まっている予算の中で、これが良いと思うものを提案しても否定され、フィードバックの繰り返し。

どちらかというと自分が作りたいものを作るって言う、アーティスト精神みたいな欲が強くて。そこから海外の映像クリエイターの動画をYouTubeなどでみていて、このプラットフォームがあればお金も稼げるし生活ができるなと知って、映像をはじめました。

今はデザインはもうやっていなくて、映像の方が楽しくなっています。趣味が映像になっていて、旅行に行くのも映像を撮るためにやってます。ステイホーム時に作った作品など、最近は自己表現として映画を作るような感覚で映像を作っています。

2020 THE BEST DRONE&FPV CLIPS in JAPAN

同じビデオグラファーでもクリエイティブディレクタータイプとアーティストタイプの2人

パト:僕は基本は人ありきの撮影や制作が好きです。演出を考えて動いてもらったり喋ってもらったりと、リアルな物が好きです。

MOKOOMI - CBD Wellness & skincare brand

DIN君は自分でストーリーを描いて、演出も決めて突き抜けたクリエイティブを作ってクライアントにそのスタイルを提示する。パト君は反対にお題に対して自分の関わり方は様々で、プロダクションや企画にも携わる。

パト:なるべくクライアントがこうしたいというものに全部YESで答えないというところは大事にしています。全てに答えていたら自分がやらなくてもいい物になってしまうので、一度やりたいことを聞いて、半分取り入れて自分の意見も入れた提案を心がけています。

自分たちのクリエイティブの質はキープしつつ、相手の要望も含め両社が満足する形でより良い物が作りたいですね。

今世界中に動画が溢れているけどその中で自分のスタイルを確立するのはかなり難しいですよね。自分のオリジナリティって何だと思いますか?

パト:僕はオリジナリティは2種類あると思っていて、DINみたいに、これをこういった演出で撮りたい、というアーティスト型の人と、僕みたいに企業が抱えている問題を解決するためにクリエイティブディレクター型でやる人もいますよね。

僕は、動画は問題解決するツールの一つだと思っているので、何かブランドや企業に課題があって、その問題解決をしたいと思っていたり、逆に何が問題か分からないという方がいたたら、まずは軸を考えて、そこにどんな演出やタレントがハマるかを考えて何を作るか決めるタイプです。

DIN君が自分の表現もしつつ、クライアントワークをする上で、自己表現と先方の要望の両方のバランスを保つために気をつけていることはなんでしょうか?

DIN:動画で伝えたいことの軸がぶれないように映像の目的をまずは決めます。その上で、編集のテクニックやカラーグレーディングなど、視覚で見えるビジュアル表現には一番気をつけています。せっかくクライアントワークなので、予算内で自分だけではできない表現に挑戦したいといつも思っていますね。

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パト:僕がクリエイティブディレクター的な動きをして、アーティストタイプの人と働くときは、まずはそのブランドの世界観に合いそうな人を何人か発見してきます。それからクライアントが目指す世界観に合っているかを考えた後に、紹介する時点でその人の作品をたくさん見せておいて、アーティストには好きなものを作っていいよという流れにしています。それでOKと言ってくれるクライアントも最近は増えてきていて、信頼関係も大切ですね。

それは助かるな〜作るものと人への尊敬と信頼でしかないですね。


まずは始めてみる。トライ精神と好奇心


動画はセンスもあると思うのですが、2人は学生時代や趣味として作りはじめてから仕事に繋げていますよね。初めはどうやって編集方法だったり技術を学んだのでしょうか?

パト:最初は完全にYouTubeですね。最初に使ったアプリはiMovieだったんですけど、とりあえず使ってみてカットして繋ぐ方法・曲の入れ方など一つ一つ学んでいく感じでした。1曲分映像をつなげてみる感じですね。

DIN:僕は海外の映像クリエイターが作っているものを、どうやってやっているんだろう?と検索しまくって自分なりに解釈して取り込むという感じです。

ビデオグラファーになるのに、この時代に学校に通う必要はなさそうですよね。反対に必要なスキルとはなんでしょうか?

パト:やらないとわからない世界なので、トライ精神、好奇心ですかね。一人で何でもできるくらいのスキルがあった上で、撮影・編集・演出・ライティングなど人に指示できるくらい把握できてるとフリーランスのビデオグラファーとして幅広く始めやすいかもしれないですが。

あと、僕の場合はビデオグラファーと言っても、プロデューサー的なこともするので、それこそYLのようなクリエイティブエージェンシーでそういうことを学んだり、やりたいことを、ちゃんとロジカルにクライアントに話して具現化する能力だったりですかね。

DIN:僕もそれでやってきちゃったので、行動するしかないですね。あとは作りたいものがあるかどうか。自分のスタイルを築いたのも、色々なものを発信しまくって、その作品を指示してくれる人がいたから気づいたというところもあります。

僕だとカラーグレーディング(映像の色彩)が得意なので、そこと構成・ストーリーテリングの部分は大事にしているスタイルですね。

Sony A7S III Cinematic Japan 4K Video | DIN FILMS

フリーランスとしての始めての仕事はどんなものでしたか?

パト:僕は旅行代理店が企画する海外の日本人ガイド付きツアーのパッケージを、テキストや写真ではなく動画で紹介する映像を作りたいという仕事で、セブ島に行って動画を撮りました。初めての仕事で、交通費や宿泊費も全部込みで30秒の動画を3本作って、まとまった対価もいただけて、マッサージ代も出してもらって、とても良い仕事でした(笑)

DIN:僕は映像制作の会社の業務委託をやっていたので、一番初めは撮影だけ編集なしでした。自分で最後まで手掛ける物で最初の仕事は、自分の行きつけの美容室のプロモーション動画を撮りましたね。

フリーランス映像クリエイターの、仕事を受ける前から納品までの流れ

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Y+L Projectsとの出会いは?

パト:カメラマンをUber eats みたいに必要な時に必要な場所に呼べるというようなサービスを作っている会社で働いていた時期があって。僕はメインカメラマンとして企画・営業もしていました。

出会ったのは、そこに玉田さんがマーケティングディレクターとして入ってきた時です。そのサービスのプロモーション映像をいくつか一緒に撮影したり、その会社のサービスを広めていくために、OLYMPUSと一緒に SDGs 用の映像制作の企画と撮影をしたのが最初のきっかけです。その時は、タイで撮影したのですが、NYに住んでいるクリエイター2人も現地まで来てくれて、良いものが作れました。

タイやバリに行ったり、VanMoofMUKOOMI 、Youtuber Hikaru "ReJeanne" のプロジェクトも一緒に撮りましたね。本当は、玉田さんとは去年の夏前にNYに行って現地のクリエイターを回ろう!! という野望をたててチケットまで手配していたのですが、こんな状況になってしまって。。また来年挑戦しようと思います。

DIN:僕はパト君から紹介してもらったのがきっかけです。大阪にあるリテック系の会社のコンテンツ作りを一緒にやらせてもらいました。会社のYOUTUBEチャネルのプロデュースの企画で、定期的に映像を作ったり、今は、ラグジュアリー系のブランドのプロジェクトで一緒に働かせてもらっています。確か今月、映像公開する予定です!

4/20に公開された、CLASSICS the Small Luxury のブランド映像 (4/22更新)

僕とパト君の出会いは、撮影がてら長野の白馬に撮影兼、旅行に行った時です。あとはTrunk Hotelのカフェで仕事しててよく会ってたくらいです。

YoichiroとLucyもだったけど、Trunk Hotelはフリーランスが出会う場所なんだね!(笑)

DIN:コロナ前は、あそこに行けば誰かしらいるような感じでしたね (笑)

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フリーランスとして営業などしていますか?

DIN:僕はまったくしていないですね。YouTubeを使って声かけてくれる人はいます。

パト:僕もしていないんのですが、コロナが始まった時期に新規案件が少なくなったことがあって、関係のある会社の方々にこんな時だからこそできるものを作りませんかと提案したことはあります。そこから、今形になったものもいくつかありますね。

その時に必ずしも必要な動画だったわけではないかもしれないのですが、提案することで関係性ができてその後に繋がったのだと思っています。

普段、プロジェクトが来た時のプロセスは、こんな感じです。

1. 打ち合わせ
作りたいものの内容を聞き出します。広告なのか、ブランディングなのか。その中で予算感を把握して、何が出来るか考えます。

2. 提案
クライアントに作りたい具体的な物がまだない場合は1から提案します。企画書ではコンセプトを文字で物語にして説明します。広告の場合は、伝えたいことをどう伝えるかの演出を書き出します。OKが出たら、リファレンスの動画や写真からカットリストを作って流れを組みます。

3. 撮影
企画段階での打ち合わせを1-2回した後に、スケジュールを決めて撮影に挑みます。

4. 編集・納品
撮影したあとは、追加したり削ったりの編集の出し戻しを2回ほどします。その中で例えばアニメーションを追加したかったら外部に委託することもありますね。臨機応変に進めています。

フォーマットとオーディエンスに合ったクリエイティブを。映像業界のトレンド

2人がクライアントワークをする上で感じる今のトレンドはありますか?

パト:テレビCMやデジタルサイネージなどいろんなフォーマットがあるので、それに合わせたクリエイティブの必要性を感じてます。例えばデジタルサイネージとかInstagram、TikTokだとやっぱり最初の3-5秒で目につきやすいものが大事で、アニメーションありきだったりしますね。テレビCMで最近多いのは、今の若い子たちはYouTubeを見ている子が多いので、それ寄りの映像の撮り方が多い印象です。

ちゃんと良いカメラと環境で撮ったというよりiPhoneで撮るようなリアル感・生な感じが伝わる物が求められていると思います。そのサービスをより近くに感じて欲しいから自撮りを多く入れたりなど。

DIN:特にSNSでは長い動画は見られづらい傾向があるので、最初の6秒に大事な部分は収めることが多いです。最初の数秒でその動画を最後まで見るかが決まるので、視聴者の心を掴むように編集を心がけています。

パト:あえて日本と海外の動画の作り方の違いを挙げるとすると、日本の動画は伝えたい情報が100あったら100全部説明しないとっていうのはあるかもしれません。海外は割と余白を作ってできるだけ削って伝えるというイメージですかね。

コンテンツが溢れていてみんなの興味を惹くのが難しくなったり、見続ける忍耐力も下がっている中で、演出的な視点はどうやって養って行っていますか?

パト:それはもう他の作品を見まくるしかないですね。海外の作品だとかいろんなものを見まくって、まだ日本には来ていないようなことをしてみるとか。常にトレンドが変わっていくから、常にアンテナを貼っていくことかなと思います。

DIN:YouTubeにもトレンドがもちろん合って、やはり海外の人が作る物が先行してはいるのですが、僕の作る旅系でいうと、昔はビジュアル重視だったり映像切り替えのトランジションが人気だったのですが、それが当たり前になってきています。

そこに作り手の思いだったり、ドキュメンタリーっぽくストーリーテリングも追加するのが主流になってきてますね。対象の人がいたら、少し演技をしてもらったり、ナレーションを入れるなど。自分の動画では自分が出ることもあります。

【DREAM OF DURING #STAYHOME​】-MY YEAR 2019 deleted scenes-

DIN君は積極的に自身のチャンネルで動画制作のチュートリアルも載せてましたよね。見る側からしたらすごいためになるんだけど、やってる側からしたら損にならないの?と正直思いました。

DIN:前はチュートリアルを出した方がYouTubeは見られやすいと思っていたのですが、最近はあまり気分が乗らないのでやってないですね。逆に今溜まってきた手法だったりを使って将来スクールにしたいなという考えはあります。それこそ玉田さんと話していたのですが、YLの環境も使わせてもらって、クライアントやエンドユーザーに対してエデュケーションする場を作ってもいいなーと構想しています。

旅をテーマにしていたと思うのですが、コロナで行きたい場所に行きづらくなって、今は何を撮影していますか?

DIN:今は日本を撮影しまくっています。日本のもっと知られていないような美しい場所を発信しようと今年は決めています。新しい場所やことの発見は自分の中にあるテーマの一つです。

ビデオグラファー三種の神器。旅をしながら動き回るノマドネイティブな働き方

DIN:カメラ、僕は動き回るカメラワークなので手振れを補正するスタビライザー、人の目線では見れないようなダイナミックな画が撮れるドローン。

旅動画は、生の光景を自分の目で見てももちろん美しいんですが、色々な機材を使うと全然違う目線で見ることができるので楽しくなったりしますね。

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DINのカバンの中

パト:僕もまんまそれなんですけど笑 iPhoneはなきゃ撮影は進められないですね。iPhoneとカメラと、24-70G masterというレンズで基本何でも完結出来るようにしています。今はシネマカメラが欲しいですね。

DIN:撮れる画が全然違うよね。僕はデジタルシネマカメラっていうコンパクトなカメラが欲しいですね。カラーグレーディングの幅が違ったり、表現の幅を広げてみたいです。

DIN:仕事に欠かせないアプリは、ほぼgoogleのアプリですね。マップ、カレンダーなど。マップにはめちゃくちゃピンを挿しまくってロケハンにも使っています。

パト:Instagramでもクリエイターが行った場所をピンしているので、撮りたい場所や撮った場所もピンしています。

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パトのカバンの中

DIN:平日は10時くらいに起きて、支度して、近くのコメダ珈琲に行って作業します。都内で打ち合わせや撮影があるときは基本7時か8時くらいまで仕事をしてますね。家に帰ってからはNetflixをみながら予告動画などまで見て、編集技法とかも学んでいます。

パト:僕は基本8時には1回起きて、朝ごはんを食べます。家で全部仕事が出来るので、ベッドの上にコンセントなどまとめています。ベッドの上で全て完結するので横でNetflixを流して、クッションもパーフェクトにセッティングするのが自分のワーキングスタイルです。

好きなことを仕事にするための壁とそれを乗り越えた今やりたいこと

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パト:最初は知識不足から趣味ベースの仕事からクライアントワークにする時につまづいたこともあり、大変でした。先輩のビデオグラファーに聞いて、何にどれくらい予算がかかるのかなど細かく聞いたりしていました。

DIN:僕の場合、自分の表現でクライアントが付いてくれるようになるには、行動力と、毎回出す作品が前回を超えていることが必要だと思っています。

パト:面白いことは何でもやってみたいので、映像に囚われず比較的いろいろ試したい。今までやったことない大きな規模の良い作品を、いろいろな人を巻き込んで作ってみたいですね。

DIN:自分の作品が映画っぽくなってきているので、映画寄りの作品を作りたいという欲はありますね。プロジェクションマッピングとか、空間ごと自分の世界観にしてみることにも興味があります。

クリエイターと言えど、自己表現を突き詰めてプロジェクトを行うDIN君と、企画や制作進行まで手掛けるパト君の様にコマーシャルなビデオグラファーに求められる事は様々。毎月変わるトレンドやアルゴリズムに合わせ、求められていることをリサーチし続けて、吸収しながら制作に活かしている2人が言うように、仕事=趣味の様に楽しんでいる姿がとても現代的だなと感じました。

アートやコマーシャル、デジタルやアナログの壁を取っ払って新しいものを作って行く時代、学校に通わなくても学べる事はたくさんあり、フリーランスクリエイターたちがSelf Madeで培ってきたキャリアで何を作って行くのか、どんなコラボレーションが生まれるのか今後も注目です。

執筆:手塚 芳子、編集:澤邊 元太 撮影:MATT VACHON

Profile
サトウシミズパトリッキ悠斗
東京を拠点に活動している日系ブラジル人の映像作家。学生時代よりフリーランスとして写真撮影、映像制作を行うクリエイターとして独立。単独撮影のみならず、スローモーション、空撮や水中撮影までも自らこなし、ダイナミズム溢れる表現を得意とする。Olympus、Vanmoof、Renault Japon、J.P.Returns、Moncler、Asian Boss、Gridge、BIRKENSTOCK、HELLY HANSEN、VOOK、NATIONAL GEOGRAPHICなど様々な国際・日系クライアントの映像・写真を手掛けている。Y+L Projectsではプロダクションディレクターとして参画し、映像部門をリードする。

DIN (Yuya Harada)
1995年、鹿児島県生まれ。大学で上京し、4年間デザインについて学んだ後はグラフィックデザイナー兼SNSマーケターとして勤務。後にYouTubeにて自分が製作したいものを作って自己表現する世界を知り、映像クリエイターとなる。自身のYouTubeでは旅に関するVLOGやCINEMATIC VIDEOを配信し、映像制作におけるチュートリアルも配信している。海外テイストのカラーや編集、撮影方法を得意としており、カメラを持って美しい世界を撮りに旅している。Y+L Projectsでは、映像クリエイターとして参画。海外からの評価も高く、昨年には自身のクリエイティブチーム「GRAPHERS TOKYO」を設立し、若年層に向けたヒューマンコンテンツや地域復興映像を配信している。


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