Osaka Labs(ロンドンのアクティベーションスタジオ)にフィットフルエンサーの台頭について|Y+L Projects
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Osaka Labs(ロンドンのアクティベーションスタジオ)にフィットフルエンサーの台頭について|Y+L Projects

Y+L Projects

フィットフルエンサーとは?ゴープコアとは?これらが現代メディアのトピックとなったワケとは?


Image from The North Face x Gucci 2021 Collaboration Campaign

はじめに


2022年における『スポーツウェア』が指すスタイルは、重い腰を上げてジムに行く際に洗濯物の山から引っ張り出していた着古したTシャツの様な、かつてのものでないことは明らかだ。アウトドアウェアという括りも、カトマンズのフリースにカーゴパンツを合わせたファッションとは程遠いものだけを指すわけではない。アスレジャー、ノームコアに続き、実用的でありながらファッション性を高めたゴープコア(詳細については後ほど)が現代のトレンドになっている。

グッチとノースフェイス、サロモンとコムデギャルソン、ファールラーベンとアクネスタジオ。これらは最近話題になったファッション界のエリートブランドと、ランウェイよりも過酷なアウトドア環境が似合うブランドの3つのコラボである。

Fjällräven and ACNE Studios collab

マーケターにとってポストコロナの時代はとても興味深い。もしかすると、マーケターと言う観点ではなく、一個人として社会のトレンドを学ぶとより面白いかもしれない。環境問題は未だかつてないほど急迫した問題として認識され、ファストファッションは大量の廃棄を生み出す産業として問題提起されている。インフルエンサーの影響力がこんなに強かったことは、過去を振り返ってみても例がない。この混沌とした世界において、若い世代はこれまで以上に全てから逃げ出したい衝動に駆られ、自然の中での冒険やウェルネスの重要性を求めている。しかし、それが意味することとは何なのだろうか?

ゴープコアとは一体何なのか?フィットフルエンサーとは?それらは体型批判をする悪者?はたまた、彫刻のような腹筋とカラダを浄化する手助けをしてくれる守護天使?私のパパは本当に超ノームコアなの?

これらの疑問を抱え、東ロンドンを拠点とするアクティベーションエージェンシー、Osaka Labsでデジタルクリエイティブとして活動しているクロエ・キーに話を伺いました。フィットフルエンサーの台頭と彼らの社会的な役割について掘り下げ、『アクティベーションスタジオ』とは一体何をするものなのかを探っていきます。(ヒント:ARフィルターを使って猫と遊ぶこと)

Osaka Labs についての情報はこちらから:
Website: www.osakalabs.com
Insta: @_osakalabs
Medium: medium.com/@osakalabs
LinkedIn: @Osakalabs

自己紹介

ご自身について、簡単に自己紹介をお願いします。

えーっと、クロエです。長時間のお散歩がだいすき、、あっ、ちょっと待って。
やり直していいですか?こんにちは、クロエです。Osaka Labsでデジタルクリエイティブをしています。クリエイティブのバックグラウンドとしては、韓国のソウルでSNSのコンテンツマネージャーの経験があり、ARフィルターを作るのが大好きです。

It’s Chloe!

Osaka Labsについて


Osaka Labsについても教えてください。ご自身と会社との出会いから、どんな仕事をしているのか、どういった企業と仕事をしているのか等を伺えますか?
Osaka Labsは東ロンドンのショアディッチという街を拠点とするコンテンツアクティベーションスタジオです。デジタルマーケティングに関わる全ての要素に特化しています。なので、ペイドソーシャル*、エンゲージメントの伸びとパフォーマンス、デジタルコンテンツ、これらは全て私たちの専門分野ということになります。(*広告費の影響を受ける有料のソーシャルメディアのこと。
ある夜LinkedInでOsaka Labsの求人を見つけて、その勢いで夜中の12時に応募したのが私とOsaka Labsとの出会いです。皆さんと同じように、会社名をみた時にまずOsakaって何?と興味をもち、もっと会社のことを知りたいと思ったのがキッカケでした。
そこから、2021年6月にOsaka Labsでジュニアプロデューサーとして働き始め、2022年1月からはデジタルクリエイティブになりました。元々クリエイティブの業界で働いてましたが、デジタル側のコンテンツマーケティングにどっぷり浸かったのはこれが初めてでした。いわゆる、フェイスブック広告やTikTok広告マネージャーのような業務ですね。

正直、たくさんの専門用語やデータを理解するのは本当に大変でしたが、自分のやっていることがクリエイティブチームがアイディアを形成する際の思考プロセスに影響を与えるのを目の当たりにするのはとても刺激的でした。ペットケア用品のMARSがクライアントの案件で、撮影のプロダクションを担当した時は最高に楽しかったです。(特にネコちゃんがモデルの時は、それはもう!)

それとは別に、私が日常的に担当している仕事として、例えば今日はインハウスのgaming TikTok: OKKO.gaming用のコンテンツ作成や、ミルクシェイクでお馴染みのYAZOOのコンテンツ作成などがあります。
もっとスキルを磨くための新しいチャンスに挑戦したり、業界の新しい一面を知っていくことはすごくワクワクします。例えば、最近やったCALM(campaign against living miserably)*のオンラインキャンペーンでは、スタンプやプロフィール画像用のフレームなど、ついにARフィルターに手を出してみました。(*イギリスの自殺抑制を目的としたチャリティ団体)

ショアディッチが拠点なのに、なぜ『Osaka(大阪)』Labsなのですか?『Osaka(大坂)』と言う言葉を調べると、大きな坂または丘と訳せますよね。言葉の持つ意味も気に入っていますし、変化し続けるデジタルの世界でクライアントが立ち向かうチャレンジを表現している点もピッタリだと思います。そのチャレンジこそが、私たちが手助けできるポイントです。

Osaka Labs team out on the town

Osaka Labsはコンテンツアクティベーションスタジオと名乗っていますが、クリエイティブエージェンシーや広告代理店ではなく、コンテンツアクティベーションスタジオと呼ぶ理由はありますか?

キーワードとなる大きな違いは『アクティベーション』だと思っています。コンテンツを作成してキャンペーンを打つと言う点ではエージェンシーや代理店と共通する部分もありますが、ソーシャルメディアを使って連鎖反応を生み出す仕掛けを意図的に打ち出す、と言うのは全く別のものです。

インタビューのために最初にご連絡した際に、「インフルエンサーの登場によってフィットネスやライフスタイルがどのように変化したか、そしてその事がブランドと顧客との繋がり方にどのような変化をもたらしたか」を詳しく調べてみるようアドバイスをくださいました。クロエさんご自身、またはOsaka Labsのメンバーがこの特定のトピックに興味を持つようになったキッカケは何かありますか?

まず個人的に、解説実況の動画を見るのが好きで、主にYouTubeで特定のトピックについて評論している動画をよく見ます。朝の支度をしている時に見ると、脳内でギアが入る感じです。
それにオフィスではメンバーがみんな健康オタクなので、共通の話題としてトピックに上がりました。

フィットフルエンサーとは


ソーシャルメディアに詳しくない人のために、『フィットフルエンサー』とはどのような人のことか説明していただけますか?

『フィットフルエンサー』またはフィットネス系インフルエンサーと呼ばれる人たちは、健康や栄養、ワークアウトに関するコンテンツを中心としたオンライン上のライフスタイルブロガーのことを指します。YouTubeやインスタグラムのチャンネル・アカウントを通じて、フォロワーの健康への道を応援し、導いてくれます。

フィットネス系のジャンルの中で、特に影響力のあるインフルエンサーはいますか? 

イギリスで有名なのは、間違いなくこの二人ですね。

  • ジョー・ウィックス(The Body Coach):インスタグラムフォロワー数 - 4.2M

  • クロエ・ティング:YouTubeチャンネル登録者数 - 22.8M

『フィットフルエンサー』のコンテンツとして欠かせない要素はありますか?

一般的に、次の5つはコンテンツに盛り込まれることが多いです。

  • コミュニティーとアドバイス 

  • ジム要素

  • ライフスタイル(フィットネス以外の部分)

  • 栄養について

  • カラダの変化

コロナ禍以降、フィットフルエンサーが一大ブームになったとのことですが、出かけることも人に会う機会も少なくなった一方で、フィットネスに注目が集まると言うのは面白いですね。どうしてでしょうか?

そうなんです!家にこもって誰とも会わずにいると、誰でも大きなストレスを感じるようになるんですよね。フィットフルエンサーは、そんなコロナウイルスのまん延やロックダウンといった受け入れたくない現実からの逃げ道を示してくれたのです。一緒に頑張る仲間と感じられるようなコミュニティーがあり、フォロワーにとっても生産的で有益なコンテンツを提供しているのです。

インフルエンサーの中でも細分化されたカテゴリー分けはブランドにとっても有益だと思いますか?インフルエンサーは、時に実態のない物を売りつけているとバッシングを受けているのも見受けられますが、ブランドのコミュニケーションまたはクリエイティブアウトプットにとって、インフルエンサーはどのような存在でしょうか?

それはインフルエンサー自身と、ブランドバリュー次第ですね。
重要なのは、そのブランドとインフルエンサーがマッチしているのか、と言うことです。消費者も今やインフルエンサーマーケティングやスポンサー案件・広告をとてもよく理解しているので、つまりブランドとインフルエンサーが完璧にマッチしていれば、それこそコンテンツのアクティベーションを得られるのです。
また、商品が実際に手に取ることができる物であるかと言うことも重要です。ファッション関連なのか?それとも健康食品?最悪なのは痩身茶です。マーケターは、扱う商品がどういった影響をもたらす物なのかを理解し、インフルエンサーが取り扱う商品として正しい物を導く責任を担っていると思っています。そのため、その商品は本当に有益な物なのか、または広めてしまうと有害になり得る物なのかを常に考えなければなりません。

フィットフルエンサーとブランドのコラボで、良い例と悪い例があれば教えてください。

良い例と言ったら、Myprotienは世間的にも評判が良く、成功例と言えますね。

アスレジャーについて


オーストラリアではアスレジャーが主流で、ルルレモンなどのブランドはジムだけでなくカフェなどでも着ている人をよく見かけます。その一方で、日本ではカジュアルなアスレジャースタイルがあまり定着していません。このように、特定の文化や客層や地域性がアスレジャーと言うスタイルそのものよりも大きな影響力を持つことがあると思いますか?理由も教えてください。

本当にその通りです!私自身、いろんなバックグラウンドが混ざっているのですが、文化によってこのトレンドの受け入れ方が全く違うことを肌で感じました。ざっくりとした一般論で言うと、欧米のファッションは控えめなスタイルよりも比較的機能性重視です。かと言って、アジアではアスレジャーがダメと言うことではありません。誰もが知るユニクロ以外にも、アジア系ブランドでアスレジャースタイルを打ち出しているブランドは多いです。いくつか思いつくだけでも、GlowCo Discovery Expedition Mulawearなどがあります。
また、トレンドは欧米が発信するものの影響を受けていることが多いと感じます。マーケティングにおいてもスタイリングにおいてもそうです。Chuu Millennxはまさにその代表ですね。ソーシャルメディアによって異文化間のコミュニケーションが当たり前になり、インターネット上ではどんな情報でも手に入るようになったことが理由だと思います。

消費者のファッションに対する価値観やファッション哲学をジャンルとして捉えるファッショントレンドについて

スタイルと文化の進化について掘り下げていくと、最近では昨年5月にニューヨークマガジンが名付けた『ゴープコア』が新しいトレンドとなっています。『ゴープコア』とは、ノースフェイス、コロンビア、アークテリクスのようなアウトドアブランドを普段着に取り入れる、実用性を重視するスタイルを指します。

まず、この新しい単語を紹介してくれたことにお礼を伝えつつ、このような消費者のファッションに対する価値観やファッション哲学をジャンルとして捉えるファッショントレンドが台頭する事についてどう思いますか?

今や『グレタ*世代』が世界の中心となっていますが、他のこれまでのトレンドと同じで、一見謙虚なようで、実際はブランド同士のマウント合戦だと思っています。サステナビリティを謳いながらも、結局は新しいグッチの誕生です。とは言え、最終的にどこに向かっているのかはまだ定かではありません。ノースフェイスは2020年にはパリのファッションウィークに招待されましたが、それがいい意味で認知度を上げることを意味しているのか、それともファッション業界に染まっていく第一歩なのか、それは今後次第です。(*環境活動家グレタ・トゥーンベリさん)

このトレンド自体はコロナ禍以前から広がっていましたが、コロナウイルスのまん延がゴープコアをより押し上げたように感じます。バイヤーにとってもファッション愛好家にとっても、買い物をするに当たって機能性が重要なポイントになったのです。

Lyst*は雑誌インディアンエクスプレスで「健康や政治に対する不安が高まると、人の防衛本能はファッションにも影響を与える」と述べています。実際、イギリスでのアウトドアファッションのマーケットバリューは今や6億400万ポンドで、2013年から2017年にかけて22%も上昇しました。まさに論より証拠ですね。(*世界のトップブランドを含めた17,000以上のブランドやショップを扱うファッションECアプリを運営するファッションテクノロジー企業)


このようなトレンドは、ファッションの枠を超えて人々の時間の使い方にも影響を及ぼすと思いますか?具体的に言うと、アークテリクスがファッション界でも名を馳せるようになったことで、これまでアウトドアに興味がなかった人がハイキングに出かけたりするようになりますか?

私個人としては、あり得ると思います。と言うか、是非挑戦したいです。(まぁ、ロンドンではカナリ難しいですが。)Statistaのデータによると、ゴープコアの登場(2017年)と2016年以降の人々のハイキングへの関心は相関関係にあります。
しかしこういったニーズは、アウトドアブランドのマーケティングやいわゆる映え写真、そしてSNSに投稿しないと取り残されると言う焦りから生み出されたように思います。


これらのトレンドの登場によるソーシャル面、クリエイティブ面でのポジティブな成果(どのような形態でも構いません)は何だと思いますか?また反対に、マイナス面もありますか?

ポジティブ面で言えば間違いなく、よりサステナブルなブランドへの移行と、特に若い世代向けの衣服の質と実用面の両立が一般化されたことでしょう。
とは言え、いいこともあれば悪いこともあります。例えば、パタゴニアのフリースは平均150ポンドと高額(ちゃんとした理由があっての値段なので、正当な価格であることをお忘れなく)なため、あくまで金銭的に余裕のある富裕層向けのブランドとなってしまいます。こう言ったわかりやすい難点は、多くの消費者にとって高すぎて手の届かないものとして当たり前になり、結果ほとんどのサステナブルなアパレルブランドよりもシェアの大きいファストファッションブランドで模倣品が作られるという悪循環になってしまいます。


各ブランドはアスレジャーや『ゴープコア』の台頭をどのように見ていると思いますか?元々ある老舗ブランドが新しい領域に参入するようなケースも見られますか?

まさに!コールズ*やターゲット**のようなブランドはこのマーケットの動向をチャンスと見て、アクティブウェアのブランドを新たに立ち上げました。2021年にコールズからFLX、2020年にはターゲットからAll in Motionと言うブランドが誕生しています。リーバイスのようなメジャーブランドや、ディオール、ルイヴィトン、シャネルのようなラグジュアリーブランドも、クチュールアスレジャーという新しいラインを発表しています。(*/**アメリカの巨大スーパーマーケット)

ラグジュアリーブランドが身近なレーベルとコラボをする風潮についてはどう思いますか?最近ですと、日本ではホワイトマウンニアリングとユニクロのコラボが注目を集め、価格帯としては本家ホワイトマウンテニアリングの約1/10を実現しています。

いつかは使ってみたいけど、価格的に今はまだ手が届かないといった層への素晴らしいマーケティング戦略だと思います。ブランドのファン獲得という点では、現実的で実現可能な手段です。そして遅かれ早かれ、最終的には本家のブランドの顧客となってくれることが望めます。

ファッション業界は大きな環境問題を抱えています。ゴープコアを始めとするトレンドは今議論されている環境問題においてどのような役割を担っていると思いますか?

このトレンドによって、ある程度は環境問題への関心が高まり、ファッション業界が未来に与えるインパクトについての意識も高まっていると感じます。一方で、悲観的と言われるかもしれませんが、ここまで変わらなきゃと言うばかりで変わらないままここまで来てしまいました。特に、TikTokやSheinを見ていると流行のサイクルは数ヶ月おきに過ぎ去っては新しいものが生まれています。

最後に


ポストコロナの世の中はどうなると思いますか?この先3年間の大胆予想があればお聞かせください。

コロナウイルスの世界的流行は、社会全体としてファッションや私たち自身に対する見方を一変させました。ファッション業界全体についてもっと考えるようになりましたし、これまで以上にノームコアのようなシンプルなトレンド(ニュアンス重視で、ユニセックスで、ベーシックで、良くあるアイテム。定番の白Tシャツなどのクローゼットのエッセンシャル。)が中心となりました。どれだけベーシックなスタイルを取り入れたとしても、ファストファッションは無くなりません。でも、正しい方向への第一歩だと信じています。

Osaka Labsについてもっと知りたいです!詳しい情報はどこから確認できますか?

osakalabs.comの新しいウェブサイトをぜひ見てください。カナリ進化しました!LinkedInでも@Osakalabsをご覧いただけます。今後も新しいプロジェクトが続々登場予定なので、お見逃しなく!





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東京に拠点を構え、世界中のクリエイターが在籍するクリエイティブエージェンシーです。 Working across platforms to deliver an unforgettable brand experience. https://ylprojects.com