傲慢と善良

好きじゃないとか、ピンとこないとかの表現にこだわっている感じがして、後半の婚約者の女性の気持ちの方がよく分かる。好感度パラメータが0-100の間で表せるときの30-40くらいの人に対するモヤモヤ感が書かれている感じ。

「微妙に合わない人」というのは「本当は私は嫌いだけど嫌いだと周りに知られると私には不利益だから『微妙に合わない』でごまかそう」という打算もあると思うのです。だけど、誰かに話をするときに「私〇〇さん苦手なんだよね」というと、だいたい相手から「なんで?」とかあるいは同調したとして、その次は過去の出来事を話して共有するだけになっちゃうじゃないですか。過去あった出来事は共有できてもその時の気分は必ずしも理解してもらえない。

そういう意味でこの小説は「この人だったらこういう出来事があったときに嫌な気持ちになるんだろうな」ということを納得しやすいように書かれている点が面白かったです。


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