見出し画像

日記_158

予定を詰め込みすぎて日記がストップしてしまった。

火曜日から木曜日まで長崎遠征。
特に理由なくチケットを取ったのだけど、友人たちがいろんな人と会う場を作ってくれた。

行きの飛行機の中はド派手なおじちゃんの隣の席。(多分ちょっと怖いお仕事の人だと思う)なぜか次々とおやつを奢られ、最終的にレモンサワーを分け合って飲んでいた。あれはなんだったんだ。与えるおじちゃんもおじちゃんだし、受け取る私も私である。

前回は友人に会う旅。今回は友人の友人に会う旅。街も食べ物も好きだけど、何よりそこに住んでいる人たちの生活が見えるのが好き。商店街に買い出しに行く時間も楽しかったなあ。
友人たちの「いつもの場所」に参加させてもらって、長崎という物理空間に引力が発生する感覚を持った。

仕事の素が見つかったり、お話ししてみたかった本屋さんに会えたり、欲張りな2泊3日。想定外のミーティングがたくさん入って分刻みスケジュールになったのが残念だったけど。次回は最低3泊4日かなあ。

完成したZINEを持って行って、感想を聞けたのも大きな収穫。(念のため持っていった在庫うち2冊は売れてしまった!)
「この人の話がおもしろかった」とか「この人と会ってみたい」という言葉をもらえたのがうれしい。まさにそういう感想が欲しかったから。

いつか取材を受けた人同士や読み手と語り手が同じ場所に居合わせる瞬間を目撃してみたい。
お互いが気づくかどうかはどちらでも良くて、関係がなかったはずの2人に交差点が生まれるところを見てみたい。

3日目の朝、同じ宿に泊まっていたイラストレーターの女性が「今朝本読みましたよ」と声をかけてくれて、小一時間ZINEについて話した。

美しくてどこか怖くさえ感じるイラストを描く方。こんなに素敵な表現をする人が自分の文章について感想をくれるなんて、思わずほう…とため息をついてしまうような贅沢な時間。

表現者は自分と違う制作方法であっても作品から受け取る情報量がすごく多い。工夫したところや悩んだところをきちんとキャッチしてくれて、「そうそうそうなの、なんでわかるの?」と思うようなコメントをたくさんもらった。

帰り道にサイトを眺めながら、この人といつか一緒にものづくりをしてみたいなと思った。うまく交差点が作れると良いのだけど。

この場所が心地よいのは感覚の話ができるからだろうなと思った。
どうしても社会生活ではすぐに役に立つ整理された言葉を発することが優先されてしまって、形が見えるだの世界観だのの話をするのは気が引ける。

(お酒の勢いも借りながら)普段口にしないことを思いっきり話せたのは新鮮な体験だったし、それを「変なの」で片付けない人に囲まれている状態が安心するみたい。私はまだどこかで人と違う自分を出すのを怖がっているのかも。

今までは仕事が誰かと繋がる言い訳になっていたけど、何かをつくるとか表現することが言い訳になりつつあるような気がする。

イラストレーターの彼女と別れた後、朝食を食べていたら韓国人の男の子に声をかけられた。今はキャリアブレイク中で、少し前までベトナムで働いていたそう。

友人の結婚式の日取りを間違えて1日早く帰国しなくてはならなくなった上にチャットで友人たちにずいぶん責められたそうで「明日もいっぱい観光しようと思っていたのに…」と可哀想なぐらいへこんでいた。

関東からくるのと韓国からくる移動時間はほとんど変わらないようだったから「またすぐに長崎に来る理由ができただけだよ、次あったら一緒にごはんを食べよう。」と伝えると笑顔が戻ってきた。そういうミスすること、あるよね。ドンマイ。

出発まで2時間ほど駅前をぶらぶら。
ミーティングを詰めすぎたのとそこそこ交通量が会って頭の中が騒がしかったので、最後の30分は教会にお邪魔した。

教会の中は静かでひんやりしていて、百合の花の香りが漂っていて、頭の中がすーっとクールダウンしていくのを感じた。これは良い。宗教のことはよくわからないけど、こういう場所がぽこぽこ街の中にあると避難場所になると思う。でもこの空気感は長崎にあるからこそなのかなぁ。自分が住む街の教会に入ろうと思ったことはない。

それぞれの机に配置されている聖書を手に取ってパラパラと読んでみた。就業規則っぽい。これまで入社した会社で就業規則をじっくり読んだことがない身からすると、こんなに分厚いものを繰り返し読んで自分をチューニングさせていくキリスト教ってめちゃくちゃパワフルだなと思った。

帰りはバス停まで友人が見送りに来てくれて、行きたかったコーヒー屋さんのドリップバッグと焼き菓子をお土産に持たせてくれた。弟からも良いお店だよと聞いていたお店だったので、次は実際に訪問してみたい。バスの中から動画を撮りながらこうやって見送られる旅って珍しいなと思った。

いただいたサポートは、うちの猫(2匹)のちゃおちゅーる献上資金としてありがたく使わせていただきます!