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日記_9

Googleカレンダーを眺めていると、これから半月、人に会ったり出かけたりする日が多いみたいだ。ダウンしないように気をつけないと。

数年前まで「スケジュールはすべて私の頭に入っている」と自分を過信してよくダブルブッキングしたり直前に予定を変更したりしていた。

今は体調やキャパシティと相談して毎週の予定を組むようにしている。大人になった。

1日にメインディッシュが2つ以上あると疲れる。
1日を専門店のように使いたい。
同時進行は1つ1つ積み上がっている気がしないから。

となると行武亜沙美屋さんなら、毎日同じお店を開けるんだよなあ。


この前相談した友人から「イメージしている本屋さんに当てはまる動詞と形容詞をブレストしてみて」という宿題をもらった。コンセプトづくりのヒントにするらしい。

指摘されて気づいたのだけど、本屋なのに「読む」という動詞が出てこなかった。

読むことはその人の中で完結する。
その後に残った言葉や言葉未満のものを持ち寄って、答えのない対話が続く空間を作りたい。
なくても生きていけるけど、あると心が豊かになるもの。

新卒で勤めていた会社の社長はいつも「どうやったら付加価値がつくか考えてごらん」と言っていた。

当時は本当に浅はかで、他のお店よりデザインが良ければ、とか、ラッピングを最大限可愛くする、ぐらいしか思いつかなかった。
プレゼントを一緒に選ぶときのストーリー作りや、気候に合わせた気の利いたコメント、退店された後のメッセージなど、いくらでもやれることがあったはずなのに。商品への感動はお店の接客体験でさらに増幅させられるものなんだと、今なら思える。

きっとその方法に哲学が現れるんだろうな。
私の本屋さんの哲学はどんな形になるんだろう。


会社で新しい制度(クエスト制度と名付けた)を作っている。
仕事をRPGになぞらえて、テーマやシナリオ、登場人物、クリア期限までメンバー自身が決めて、進める仕事を作ろうとしている。

これまでいくつか社内制度を作ってみたけど、どれもいつの間にか活用されなくなって姿を消した。
自分の本気度の足りなさと、なんか楽しそう、と始める見切り発車が良くなかったんだと思う。

本屋の構想をかれこれ3ヶ月続けてみて、企画を寝かせたり、組み替えたり、しっかり時間をかけるか否かで質が随分変わることを痛感した。
時間をかけりゃいいという話ではないが、密度が全然違う。

本屋とクエスト制度は、大学で作品作りをしていた頃と頭の使い方がよく似ている。
もっとダイレクトに伝わるモチーフはないかと毎週映画を観ては、RHODIAのメモ帳にせっせと書き込んでいた日々。
ああいうアンテナの張り方が戻ってきている。

クエスト制度はタスク的に思える仕事にもストーリーがあったらいいのになあ、という思いつきがスタートのきっかけになった。
私自身はほとんどゲームに触れたことがないのだけど、クエストという言葉に代表が反応したこと、構想を話していたら社内に数人ゲーム好きな人が見つかったのが決め手で、RPG仕立てにすることにを確定した。

好きな人が半数を超えると、楽しみを広げやすい。良き先生になってくれるからだ。

ぼちぼちRPGやストーリーの作り方、ボードゲームのシステムなどの調べごとをしながらワークシートを作ってみた。みんなからはどんな反応がくるかな。

言葉って不思議で、
仕事→クエスト
同僚→仲間
問題→試練
相談→セーブポイント
と置き換えるだけで、なんだか世界がダンジョンのような気がしてくる。
うまくいくかはわからないけど、毎日の仕事を違うレイヤーで楽しめる可能性はありそう。せっかく始めるんだから粘り強くいこう。




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