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日記_163

文学フリマが終わった。まだぼーっとしているけど、記録しないのももったいないので振り返り。

前日に準備はほぼ整っていたので、7時半に起きて荷物を車に運び込み、8時半に出発。
途中コンビニで昼食とエナジードリンクを買って車を走らせた。
エナジードリンクは願かけみたいなところもあって、気合を入れる接客の時に昔から飲んでいる。(頻繁に使うと全然効果を発揮しなくなる)
元気の前借りとは理解しつつも、これが私にとってスイッチオンの合図。30分ほどかけて飲むのがいつものやり方だ。

下道で行こうと思ったら渋滞していたので高速に切り替え。今の車はETCをつけていないので高速を避けがちである。そろそろつけたほうがいい。10時には会場に着いて、出展者用の列に並んだ。みんなキャリーバッグや台車を使って便利そう。駐車場から近いしと80冊手運びした私敗北。2日経った今も筋肉痛。

設営は2度のリハーサルのおかげで15分程度で終わった。ぴったり列を揃えて陳列したり、ポスターのズレを直す所作が懐かしい。最終的に文学フリマは「販売員だった私」を強く自覚する1日になった。

12時に会場。30分ぐらいしてからちらほらとお客さんがブースに訪れる。
記念すべき1冊目はTwitter経由で知ってくださった女性。はじめて会う人が、自分の商品をめがけて移動し、お金を払ってくれる事実に感激した。受け取った1,000円札は実際よりずっと重かったし、額縁にでも飾っておきたい気持ちになった。

その後は立ち読みのお客さんで賑わったり、接客して購入を決めてくださる方が増えたり。15時を過ぎるとウィンドーショッピングの方が増えて、急に接客の難易度が上がった。
不要なものを買ってもらう必要はないのでいいっちゃいいのだけど、もしかしたら届けるべき人かもしれないから、声をかけるのはやめなかった。次回はライトに渡せる販促物も作ろうと思う。

興味を持ってくれそうな人とそうでない人を視線で見分けること
どのタイミングでお声がけするか見極めること
BGM的な声出しで緊張感を和らげること
販売トークだけで終わらせないこと
お客様のことをじっと見つめすぎないこと
何より買って良かったと思ってもらうこと

もうずいぶんやってなかったはずなのに、体が勝手に動くのが不思議だった。周りまわってファーストキャリアに戻ってきて、代表が「小売業ほどおもしろいものはない。」と時間帯によって売り場を変える魚屋さんのエピソードを繰り返し話してくれたのを思い出した。

商品に責任感を持つと勝手に頭が働いて、買ってよかったと思ってもらえるように先手を打ち出す。これが本質的な工夫なんだろうな。お客さん以外の顔を見る必要なんてなくて、私が良いと思うものをあなたにも良いと思って欲しい、というシンプルなビジネスが小売業だ。

だから今回は原稿はもちろんフォントサイズも、行数も、装丁も、納得いくまで調整できてよかった。私の好きな人たちを誰かに手渡すようなものだったから、いくらでもおすすめできるし自信を持ってがんばったと言える。
作り手が販売までするのが一番リアルだしシンプルだと思う。

最終的な販売数は40冊。
本屋さんに報告したらとても良い数字とのこと。わかりやすい有益性もパンチのあるコンセプトもないことを考えると健闘した方だろう。
最近は「よくわからない」だったものを「おもしろそう」と言われることが少しずつ増えてきた気がする。

読んでくださった方からの感想も届き始めた。こうなったらいいな、と思っていたことがタイムラインで現実になっていてうれしい。
直接じゃなくても、本や人の交差点は作れることがわかった。
まだまだ書きたいテーマもやってみたいこともたくさんある。あまり手を広げずあと2-3冊分くらいはZINEにコミットしようかな。

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