日記_12

5月から意識的に読書をするようになった。
改めて数えてみるとこの半年で60冊ほど本を買っていたらしい。
以前は数ヶ月に1冊読めば良い方だったので、ずいぶん活字と仲良くなったもんだなあと思う。
人と直接話さなくてもこんなに人の頭の中が覗ける方法があったのかと驚いている。

「本との出会いは人との出会いと一緒で一期一会ですよ」と教えてもらってから、できるだけ丁寧に読む本を選ぶようになった。
そのおかげで打率は急上昇していて、大体読みきれない本が店頭で見分けられるようになってきた。

ただ、これは人に対するバイアスと同じだと思っていて、そのうち付き合いづらそうな本にも挑戦することになるんだと思う。
今は自分の中の本の土地がカラカラに乾いているから、とにかくたくさん接種したい段階。
次は上手に積読できるようになりたいな。

そういえば、ファッション好きの友人は買ったものをすぐに着ないことがある。
寝かせておいた服が、数年後にめちゃくちゃ着たい服に育つことがあるんだそうだ。

きっと彼女は豊かなファッションの土地を持っていて、収穫に何年もかかる柿の木を植えられるぐらいの余裕があるんだろう。
私はすぐ育っていっぱい収穫できる芋や夏野菜ばかり育てている。

ゆったりと構えて、調和がつくれる人はかっこいい。それが農地でも、クローゼットの中でも、本棚でも。
バラバラのものが同じ場所にあって、時が満ちるまで待てるのは豊かだし自然だと思う。

種は自分のタイミングでしか芽を出さないのだから、鼻歌でも歌いながら過ごしていたいもんだ。