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日記_3

ハローワールド。とうとうトンネルを抜けたっぽい。

「最近の行武さん、躁っぽい」と言われてから3週間。今までにない視野の狭さとそれによる孤独感で押しつぶされそうだった。

眠れないほどひどくなった蕁麻疹や話を聞いているのかいないのかわからないお医者さんの前で涙が止まらなくなったことが、夢の中の出来事みたい。

原因は自分の所在のなさにあったと思う。
2年前に立派な肩書をもらったけどいつまで経っても社長としての自覚が芽生えない。やらねばならない実務と、危機を乗り越えるスリルでなんとかアドレナリンを出して走ってきたけど、きっとすぐ使えるタイプの燃料が切れてしまったんだと思う。

潜っている間、山田詠美さんの小説を3冊ほど読んだ。
人の歪さや矛盾が愛おしかったけど、その時の私に歪さに触れられる余裕はないような気がした。

毎日このノートに頭に浮かぶことを書いて、裏垢で弱音を吐き出して、いくつになっても1人でそっと終わらせようとする癖が抜けない。私は飲みすぎて吐く時も姿を消す。死に際の猫みたいだ。

ノートが1冊分埋まるころ「あ、私、直接的なことをやりたくないのかも」とじんわり気がついてきた。
目標から逆算して決まったゴールに向かうこと、利益につながると想定されるものに全力を尽くすこと。そういうジャンルで私はパフォーマンスを発揮できない。

今まで見てきた現場って、もしかしてそういう場所ばっかりじゃなかったか。自分でフィールドを作らずに「つまらない」なんて、なんてダサいことをしてしまったんだと頭を抱えた。

実務からズレたことがやりたい。答えのない冒険がしたい。そこが自分のフィールドになるなら誰の顔色も伺わずに、不正解に無駄に怯えずに働けるのかも。

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