プロライター秘伝 ライティングを5倍加速させるアイテム7選
今は、かつてないほどに文字があふれています。SNSにブログ、まとめ記事、リニューアルと称した焼き直しや水増し・・・。文章に差がつきにくい時代だからこそ、効果的にライティングできるツールは重要です。
毎月数十万の文字と向き合う編集ライターがこっそり、いつも使っている便利ツールをご紹介します。
※定番ツールは入ってないです。たぶん。ご了承ください。
事前調査でおすすめのアイテム
ライティングで大事なのは「いきなり書かない」こと。タイトルや内容が決まっていても、すぐキーボードに向かうと底の浅い文章になってしまいます。
なにごとも仕込みが大事です。広く深くインプットできる情報ツールで、ライティングに差をつけましょう。
OneTab
ブラウザ(ChromeとFirefox)の拡張機能で、調べているあいだに増えたページのタブをひとつにまとめてURL集にできます。グループ単位で名前をつけることもできるため、いちいちメモ帳にURLを貼り付けて管理する必要がなくなります。
調べものは、資料の脚注などから公的機関や新聞社、論文などのしっかりした出典を探し、「使えるかな」と思ったネタの数値データや根拠となる情報をためておくと便利です。芋づる式にページをどんどん開いてネタを集めたら、OneTabで一気にまとめてURL集に。使うときも一発で展開でき、手軽です。
「あの話どこに載ってたかな」の探しものが減ってストレスフリーです。
OneTab公式サイト(英語)
https://www.one-tab.com/
Googleアラート、Googleニュース
気になるワードを登録しておくと、WEBページやニュース記事を集めておいてくれます。
Googleアラートはメール通知が来るので情報を逃しません。また、Googleニュースは同じような記事をまとめて表示してくれるため、タイトルを眺めるだけで簡単な比較分析もできます。
ある程度まとまった記事数を書くなど、「文章を量産しないといけないのに切り口がみつからない」といったとき、勝手に新鮮なネタを集めてくれるので重宝します。
Googleアラート公式ページ
https://support.google.com/websearch/answer/4815696?hl=ja
Googleニュースカスタマイズページ
https://support.google.com/googlenews/?hl=ja#topic=7688381
取材や構想を練るときにおすすめのアイテム
文章は、文字の積み重なりです。1行1行追いかける文字がひとつながりになって頭に入っていきます。「読みにくい」といわれる文章は行き先がみえず、文字がつかえていることが多いのです。
結局何が言いたいのか。どんな流れで進めるのか。書く前に全体像、文章の設計図をつくりましょう。面で考えをまとめるときに便利なツールを紹介します。
バインダー、スマホリング、水性ペン
人に会って取材するときや資料などをもとに構想を練るときは、アナログの道具がおすすめです。
紙とペンで自由に手を動かすことにより、五感を使って発想を広げることができます。
文字の勢いなど書きぶりをみると、そのときの情景が浮かび上がってきて、取材のときの記憶や思いついたときの感覚が戻りやすいという利点もあります。
複数の案件を同時に進める場合、小さなノートだと書ききれないとか、どこに書いたのかわからなくなったりします。そんなときは、コピー用紙などの単票の紙をバインダーに挟んで使うと自由度が上がります。
手書きの紙は、連番を振ってスキャナで取り込んでファイリングしておくとPCの中で一緒に管理できて効率的です。
バインダーは机がないところでも安定して書けるので重宝します。オンラインで画面越しに取材するときにも使っています。
バインダーの裏面にスマホリングを貼り付けて指をかけて持つと安定しやすくて便利です。
ペンはお好みで。柔らかい芯だと疲れずに書けて楽です。0.7mmくらいの水性ペンがぱっと書いたときに目に止まりやすいので好んで使っています。
UDトーク
聴覚障害者とのコミュニケーションのために開発された音声認識ソフトです。トークを文字化しながら録音もできるため、自動書き起こし機能つきのICレコーダーとして使えます。
私自身はどちらかというと感覚で書き留めたメモからぱっと書いちゃうほうなので、文字起こしからの執筆することはあまりなのですが、こういうツールがあると、ちょっとしたときの確認に便利です。
どんな内容だったかをざっとながめて思い返すこともできますし、繰り返し出てくるワードをピックアップし、「生きた言葉」としてちりばめるなど、効率よく活用することができます。
UDトーク公式サイト
https://udtalk.jp/
ライティング時におすすめのアイテム
ネタを仕入れて構想を練り、いよいよアウトプット。頭の中の漠然としたものを形にしていく作業です。
読みやすく、伝わりやすくする、既存の文章とかぶらないオリジナル感をだすといった、表現力の助けになるツールが必要になります。
類語辞典、コロケーション辞典
語彙力を増やしてくれます。見聞きし、記憶するものには限界がありますから、どうしても「いつものワード」を何度も繰り返してしまいます。類語事典は、語の解説だけでなく、ニュアンスの似た語を並列し、違いを含めて紹介してくれるため、文章が豊かになります。
コロケーションは、語句どうしの慣用的なつながりを解説する辞典で、文章の自然なつながりや「間違っていないけれど違和感のあるつながり」を整えていくときに便利です。
そのほか、言葉の取り扱いかたについて示唆を与えてくれる国語辞典、漢字の使い分け辞典のようなタイプの辞典も手元にあると安心です。パラパラ眺めていると意外な発見もあったりします。
辞典は編む人によって扱う言葉も、表現も、紙面のデザインも違いますから、書店で手にとって相性をみることをおすすめします。
歳時記、記念日事典
導入部分が唐突でかたい、話のふくらみが悪いと感じたとき、季節や記念日から「○○といえば・・・」と発想を広げるきっかけとして使えます。
自分の興味だけだと見ることのない語句に出会い、新しいイメージがふくらんでくることもあり、定期的に眺めておきたいアイテムです。
コピペチェックツール
ある程度ライティングしたところで、必ずチェックする習慣を身につけましょう。自分では変更したつもりでも意外と似てくるものです。
並び替えだけでは語句そのものの重複は残り、内容の類似性が高いと判断されてしまいますから、全部自分で打ち込んでいたとしても油断せず、どのような表現が重複していると判断されたのか、詳細の情報まで確認しておくと、次のライティングが楽になります。
ツール例(CopyContentDetector)
https://ccd.cloud/
まとめ
プロライターはライティングをがんばりません。
手を抜くのではなく、力を抜くところと入れるところを心得ているというわけです。道具にも人にもしっかり頼ります。
相性のよい道具を味方につけて、軽やかなライティングを続けていくうちに、大量の文章を書き続けたり、リライトや編集で新しい文章を生み続けたりできるようになります。
楽しんで、書き続けてくださいね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?