亀と炬燵とビーチとヌードと善意を喰らう
渋谷区宇多川
澱んでいる空気感。
野戦ゲリラ戦闘員の亡霊、その他の有象無象が渦巻いている。
無機的に聳え立つ空っぽのビル群の狭間から聞こえる。
助けてくれーっ!!!!!!
浦島太郎。
さあどうする?
ぴたぴたの背広、横を刈り上げ欧米の菓子のように浅茶黒色に流し、固められた髪をしてる体格の良い輩が亀にいたずらしている。
輩と括られる奴らは一貫して鈍間が嫌いなのである。
浦島太郎になるのか。
いや浦島太郎ならどうする。
「やめるんだっ!!!」
そういったわたしは瞬間に輩を
ちぎっては投げちぎっては投げ、
そうすると輩はよくわからない、おそらく捨て台詞のようなもの吐いてその場からさぁーっと消えた。
視界がよれた。
この感じ、この光景なんか見たわ。
デジャヴがわたしを襲う。
わたしは半酩酊状態。
意識はあるが、何処か夢心地。
、、、、、
そんなことより亀はっ。
亀は頭を甲羅の中に引っ込める。
全然大丈夫ですよ。人としてわたしが勝手に助けてあげたくなっただけですよ。
今気づいた。
亀は空っぽだった。
否、そいつは亀ではなかった。
エゴ喰い。
わたしの夢に現れた。
亀と炬燵。
ビーチに置いてけぼり。
遠い昔の記憶。
その時は不自然に濁った桃色の空。
そうか、
わたしも罠に引っかかったみたいだ。
あれはヌード雲。
先人たちもこうして吸われていった。
都会、暗いところにいる亀には
気をつけたほうがよい。
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