エベレスティング 挑戦記録 2023.11.3
はじめに
キャノンボール挑戦後、次の目標であったエベレスティングに挑戦し、無事達成することができました。
挑戦するまでの準備や当日の感想などについてまとめてみました。
エベレスティングとは?
エベレスティングとは、自転車でエベレストの標高である8848mに到達するまで、同じ坂を何度も往復するチャレンジです。
時間制限はなし、1回のライドで完結する、仮眠を取ってはいけない、など細かいルールがあるので詳しくは公式サイトを確認してください。
達成するには20〜24時間ほどかかると言われており、なかなか手が出せませんでした。
ですが、キャノンボールも無事に終わって自信が付き、気候も良い11月のうちに終わらせてしまいたいと思い、2週間前くらいに挑戦を決めました。
達成者のリストが載っているページがあり、申請が通ると、サイトに名前が掲載されるのもモチベーションになります。
結果
記録
22時間21分
6:49 開始
翌日5:10 終了
セグメント
1往復の平均
9:28
18.8km/h(アベレージ)
獲得標高
サイコン 9078m
Strava 10070m
走行距離 269.7km
ラップ、平均速度、休憩時間
サイコンのログを元にグラフを作成しました。
ラップタイム(登りと下りを合わせて1回)は概ね9分代でした。
休憩を取った後はラップが早く、その後ペースが落ちていることが分かります。ペース一定で走るのが苦手です。
休憩の間隔と時間は以下の通りでした。
12本
15分休憩
12本
15分休憩
10本
50分休憩 コンビニ
10本
15分休憩
10本
15分休憩 スーパー
10本
25分休憩
9本
28分休憩 コンビニ
7本
30分休憩
2本
35分休憩 トイレ
7本
15分休憩
ラスト6本
準備
エベレスティングは事前の準備が大切です。
ルート選定や補給場所の確保などが重要になってくるからです。
機材
普段のロングライド、キャノンボール挑戦時(以下のnote)と同じ構成です。
ベースキャンプに荷物は置いておけるので、最低限のライトとボトルのみで軽量化しています。
持ち物
エベレスティング特有の利点として、自分で決めた場所にたくさんの荷物を置いておけます。
車がなかったので、40Lのリュックに全て詰め込んで、歩行者の邪魔にならない隅に置いておきました。(そもそも通行する人も少ないような場所でしたが)
チャレンジ中は、およそ10分に1回戻ることになるので、何かあれば回収できます。
個人的に持って行って良かったものが以下になります。
折りたたみ椅子
地べたに座るより休憩できます
南京錠
リュックのファスナー用の鍵
トイレットペーパー
鼻をかむのと、公園のトイレにペーパーがなかった(当日気づいた)
骨伝導イヤホン
音量は控えめで気晴らしに
その他の持ち物は普段のサイクリングと同じです。
全てを詰め込んだリュックは、8.8kgにもなっていました。
逆に、替えのタイヤは1本持っておいても良かったと思っています。タイヤがダメになれば、その時点で挑戦が終わってしまいます。
それ以外は、荷物面で不足はありませんでした。
ウェア
dhb - Blok Ltd Edition ジャージ(夏用半袖)
おたふく手袋 夏用インナー 長袖 ハイネック JW-625
Morethan ビブパンツ BVP-001
ミレー アンダーウェア ドライナミックメッシュボクサー
おたふく手袋 オールシーズンインナー ロングタイツ JW-550
PEKOさんオールメッシュポケット付き反射ベスト
スタートからゴールまで夏用の格好で走りました。
夕方以降の休憩後は身体が冷えているので、休憩後の1本だけはジャケットを着て走り、その後すぐ脱ぐ、というのを繰り返しました。
日が暮れて、寒くなった20時頃からはネックウォーマーだけ付けました。
また、少しでも視認性を上げるために、反射ベストは常時着ていました。
夜の寒さに備えて、真冬用の防寒具も用意していました。実際は使いませんでしたが、寒さでリタイアするよりも荷物が増える方がマシです。
11月にしては暖かったため、夜もそこまで冷えなかったから幸いでした。
補給食
前日にパンやおにぎりを買い出しておきました。
足りなくなったら、近くのコンビニやスーパーで買い足しました。
内容は特に意識せず、都度食べたいものを食べました。
ルート選定
準備の中で最も大切だと思います。
エベレスティングは、Stravaのセグメントを基準に認定されるので、近場のセグメントから探します。どのセグメントを選んでも自由なので、距離や平均斜度も様々です。
過去のブログやGoogleマップのストリートビューを見ながら探しました。
今回選んだセグメントが、「彩都で見つけたコブ」です。
自宅からアクセスしやすい、距離や平均斜度が程よい、人通りが少ない、ふもとにコンビニとスーパーがある、などの利点から選択しました。
以下のブログの挑戦例を大いに参考にさせていただきました。
実際に走って感じたメリットとデメリットをまとめておきます。
メリット
ふもとのコンビニ、スーパーにいつでも行ける
下りで急カーブがない
路面がきれい
夜間も街灯で明るい
信号はふもとのスタート地点に1箇所のみ
車、人通りが少ない
登りの途中に公園のトイレあり
自販機がスタートすぐに車道左側にある
デメリット
途中に横断歩道が1箇所あるので注意
彩都なないろ公園の駐車場があり、車の出入りが多い(下りの時に)
祝日だったからかも
LAP CALCULATORを活用
公式サイトのサービスです。
StravaのセグメントのURLを元に、登りと下りのタイムや休憩時間、休憩回数を入力すると、何往復必要で、何時間かかるかを計算してくれます。
エベレスティングだけでなく、10k(10000m登るチャレンジ)にも対応しています。
使いやすく結果も分かりやすいのですが、往復回数が少なく見積もられている気がします。
CALCULATORでは87往復と出ていますが、実際、サイコンベースでは93往復必要でした。
ですので、あくまで参考程度にしておくと良いと思います。
練習
普段からヒルクライムに勤しんでいるというわけではありませんが、エベレスティングに役立ったと思う練習が以下の内容でした。
獲得標高チャレンジ(富士山)
今年の6月に、エベレスティングの簡易版である、獲得標高チャレンジに挑戦しました。
富士山の標高である3776mを目指して、勝尾寺を往復しました。
その際は、10時間ほどかかったのですが、当時はかなり辛く感じた記憶があります。
理由として、勝尾寺は平均斜度が5.4%と低く、獲得標高を稼ぐには距離が必要になってしまったからだと思います。また、片道4.4kmと往復するには少し長い距離で、ダウンヒルも長くなってしまいます。登りの疲れをほどよく休憩できる長さである方が良いと感じました。
過去には勝尾寺でエベレスティングを達成されている方もいるみたいなので、ルート選びは各人の向き不向きによると思います。
ベースキャンプに荷物を置く作戦はこの時も行っており、荷物のブラッシュアップに役立ちました。
この時の経験を活かして、今回のルート選びができたと思うので、一度富士山や本番の半分の4424mを目指して、挑戦するのも良いかもしれません。
半分なら朝から夜まででも日中で終われるので、無理をしなくて良いというのもあります。
ルートの試走、確認
チャレンジ1週間前くらいに、実際に現地に行って試走と実際の道の確認を行いました。
1本だけゆっくり往復してみて、本番のペースの参考にしました。
また、ベースキャンプになりそう場所も目星を付けておきました。
当日
平日に休みが取れないので、11月の連休の金曜日の早朝に挑戦しました。
次の日は眠くて動けない予想がついたので、丸2日休みを確保しました。
スタート〜午前
朝は5時半に起きました。簡単に朝ごはんを食べて出発しました。
彩都には6時40分頃に到着しました。
まずはリュックを頂上に置くために一本目を登りました。
重たいリュックを背負って登るのが、1番しんどかったかもしれません。
荷物を置いてからスタートしました。
登りで6分半、下りで2分半の合計9分を目安にしました。
12本ごと、2時間弱に1回休憩の計画でした。
休憩の際にベースキャンプにてパンなどを食べ、走っている最中も羊羹などで補給していました。
お昼休憩
34本終了後の13:03、お昼休憩でコンビニに向かいました。
この頃はまだ余力がありました。
富士山突破
14:30、40本の途中で富士山の標高3774mを超えました。
まだ半分以上あります。
半分突破
16:05、47本目で半分の4424mを超えました。
18:02
近くのスーパー、ラ・ムーで長めの休憩を取りました。
18:23
日が暮れて、荷物を置いていた場所が暗くなってしまったので、近くの街灯がある下に移動しました。
写真のようにルート上には街灯があるので、安心です。
頂上付近の街灯がない部分の草むらでは、ガサガサ音がしていたので、鹿か何かがいるんだと思います。幸い道路上で出くわすことはありませんでした。
夜ご飯
22:21、73本終了後、夜ご飯にしました。
コンビニでお弁当を食べ、コーンポタージュで温まりました。
7000m突破〜ラスト
22:48、7000mを超えました。
ここから8000mまでの1000mが最もきつく、眠気との戦いでした。
キャノボと違って、景色も単調で道も同じなので、より眠くなってしまいます。
2:05、8000mを超え、ゴールが見えてきました。
4:09、93本目にて8848mを突破しました!
その後、念のために追加で2本往復し、5:11に終了しました。
申請
Stravaのログを元に公式サイトから申請を行いました。
1週間ほど経ってから、メールにて無事受理されたことが分かりました。
申請が通って、ようやく達成したと実感できました。
EVERESTING CUSTOM KITという達成者限定で購入できるウェアやメダルがあるみたいです。
達成のコツ
獲得標高は多めに登っておく
8848mを達成しても安心せずに、追加で1〜2本登っておくのが定石です。
サイコンの表記とStravaのデータでズレが生じたりするためです。実際の申請では、サイコンのログが優先されるみたいなので、サイコンを信頼しましょう。
過去のブログでは、後少しの距離で申請が認められなかった例もあるそうです。
小さな目標を持つ
1度に8848m登ると考えたり、95回も往復する必要があると感じてしまうとしんどいので、小さな目標を持ちながら走っていました。
具体的には、「まず富士山の3776mを目指す」、「半分の4424mを目指す」、「次の休憩ではコーラを飲む!」、「コンビニで贅沢するぞ」など自分で自分の機嫌を取るようにしながら走っていました。
おわりに
エベレスティングは、キャノボ以上に、精神力が試されるチャレンジだと感じました。時間制限もなく、ルートも固定なので、何も考えずに無心で淡々と走るのが良いのかも知れません。
キャノボもそうですが、このような自分との戦いで結果が決まる挑戦が好きだと思いました。終わった後の達成感は格別でした。
もう一度やりたいとは思いませんが笑
勢いとやる気と準備があれば、速さは関係なく達成できると思うので、思い立ったらぜひ挑戦してみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?