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「Bicycle式勉強会」を組織に取り込んだら心理的安全性向上にとても役立ちそうだと感じた話(中編)

これはなに?

「Bicycle式勉強会」を組織に取り込んだら心理的安全性向上にとても役立ちそうだと感じた話(前編) の中編

 前編では、どうして組織に「Bicycle式勉強会」を取り込むことになったのか?について書きました。

 この記事(中編)では、私の組織に取り組むために行った準備について書いていきます。

 つぎに書く予定の後編でようやく結局どのようにやったのか?その結果としてどんなことが起こったのか、それがタイトルにもある心理的安全性の向上にどのように関係しそうなのかについて書く予定です。

*当初、前・後編の2部構成を考えていましたが、分量の都合で3部構成にしています。

そもそも組織に施策を持ち込む準備ってなに?

 組織に「Bicycle式勉強会」を持ち込む準備って何をすればいいんでしょうか?場所や備品の準備・呼びかけなど、こまごまとした作業が思いつきます。それは確かに大事でやらなきゃいけないことですが、それだけで大丈夫でしょうか。

 「Bicycle勉強会」に限らず、なんらかの施策をそのままやってみても上手くいかないことは本当によくあります。言われている通り、書いてある通りにやっているはずなのにどうしてだろう。と終った後に凹むことも正直多いです。

 慣れていなくて下手だから?そもそも期待値が大きすぎた?だから振り返りをして改善のサイクルを回して上手くなる必要がある? なるほどそうかもしれません。

 でもできることなら、最初からそれなりの結果を出したいし、それができると次につなげる原動力にもなりそうです。

 どうすれば、最初からそれなりの結果を期待できる状態でうけとることができる段階までたどり着けるでしょうか?

 そんな考えに基づいて、「Bicycle勉強会」の組織への導入にむけて実際に行った準備を整理していきたいとおもいます。

 私は施策の導入の際、やり方や説明書には書いていないけれど、理想の結果につなげるために考慮すべき重要なことが1つあると考えています。それは、施策を適用する対象となる私たち独自の背景や前提です。

 たとえば、何らかの施策を導入した事例についての話を聴いた後に、「ウチは特別だからそんなにうまくはいかないよ」と諦めモードのつぶやきを周りの人が言っているのを聞いたことはありませんか?

 そうなんです。私たち独自の背景や前提ってまさにその特別なんです。

 事例ではとある施策を実行したら、良い結果が得られた。けれど、うちではうまくいかないと思う。なぜなら、私には特別な事情がある(あるいは、上手くいったところにはそれなりの理由があると思う)から。

こんなイメージ。

 もしこれが本当に成り立つとしたら、私の特別な事情さえ打ち崩す方法さえ見つけることができれば、施策を使って良い結果を得ることができそうな気がしてきます。

   打ち消す方法をちゃんと考える。ことが、準備につながるのではないでしょうか?

 今回の話に適用すると、私は組織に「Bicycle勉強会」のフォーマットを持ち込もうと考えました。かつ、私たち独自の背景・前提があります。もし、期待する結果を得るためには、そのままフォーマットを持ち込むだけでは足りなくて背景・前提に応じた工夫が必要となるということになります。

 

 これは当たり前と言われれば当たり前なことですが、非常に見落としがちなポイントだと考えています。

 何かを組織に取り込んで結果をだすのが非常に上手な人がいます。その人は直観で上の構造を踏まえ、自分たちの背景・前提をとらえるのが非常に上手く先回りして工夫している人とも言えるのかもしれません。特別なことをやって言わけでもなく何気なくできている気づかい。ファシリがうまい。とか、あいつだからできる。そんな風に言われてる人がいると思います。

 残念ながら、私にはそのあたりの直観がありません。。なんとかセンスのない私が、センスのある人の足下にでも近づきたい。工夫で何とかならないかな。センスのある人が何気なくやっていることの理由がわかって、その理由を基に行動につなげられるようになったら。どんなにいいだろう。

 というところで、いつもより少しだけ時間をかけて、組織に施策を持ち組む準備を始めました。

「Bicycle勉強会」導入の前提・背景をとらえる

 準備の一丁目一番地として、、私たちにどんな前提や背景があるのかを見つめなおす必要がありそうだと書きました。とはいえ、どんな前提や背景を抽出する必要があるのでしょう。何でもかんでも挙げ始めると本当にキリがありません。

 そこで、抽出の方向性(ガイドライン)を決めることにしました。私たちはBicycle勉強会を導入しようと考えていますので、それがうまくいかない(と思う)理由というのも私たちの

具体的には、こんな質問を(自分自身に)投げかけました。

 「私たちの組織にBicycle勉強会を導入してもうまく機能しない(想定通りの結果が起きない)可能性があります。それはなぜですか?」

 そうして出てきた理由は次の通り。黄色い四角の中に書かれたものです。

 事実かどうか?きちんと検証する必要はありますが、少なくとも私にとっての現時点での私の組織ではうまくいかない理由(前提・背景)がいくつか出てきました。

 もしかすると読者の中には、上の図だけではなぜそれが懸念になるの?と思う箇所もあるでしょう。しかし考えている本人(わたし)にとって、書き出したものをきっかけにその前後を語ることができて、質問にきちんと答えることが出来るのであれば大丈夫。あまり気にしません。

 一般的な話をしたいわけではなく、目の前にある私の組織についての話をしたいからです。ですので、私たちの前提・背景を書き出す。と書きましたが、実際は私たち自身が私たちの前提・背景にアクセスできるきっかけにたどり着くところまでを目的にしています。

工夫(手段)の前に、頂上をみつける

 私たちの前提・背景にたどり着けました。つぎは、何をすればいいでしょうか。工夫(手段)を考える?それもあるでしょうが、ここで一つ動画を見てみましょう。

 この記事に関係ありそうななさそうな動画ですが、要は私たちは、頂上にたどり着きたいわけです。

 頂上もはっきりとわからないのに、適切な手段を考えることができるでしょうか?

 その手段でよい理由を説明できますか?また、その手段を実行してみたとして、よりよい方法に改良したいと考えたとして改良の方向性についての良し悪しをきちんと見極めることが出来るでしょうか?

 ということで、それぞれの前提(懸念)にそれぞれ頂上を考えてみました。考える方法は、前提と同様にたった一つのシンプルな質問に答えるだけです。

「私が抱えている懸念がそれぞれどんなふうになったら、懸念が解消できていると思えますか?」

 そうして出てきたこうなったらイイなが次の通り。水色の四角に書かれたものです。

 あくまでも、ここでは手段ではなく状態を書くことを意識しました。さらに、その状況がきちんとイメージできるか?を大切にしました。

 具体的に言うと、○○さんが笑顔で発表している、参加している様子が思い浮かぶか?ということです。

 さらに、すべて書き出せたらこうなったらイイなが足りているかどうか?についてもチェックしてみました。こうなったらイイなは、粒粒の懸念の頂上になります。すべて実現出来たら、その先の頂上(Bicycle勉強会の成功、さらにはその先の状態)につながるはずです。

 きちんとその先の頂上にもつながりそうか?根拠も言えそうか?を軸に眺めてみました。

 ようやく私は、組織でBicyle勉強会やる、第一回目の状態としてここまでできたら最高だなーというイメージを持つことが出来ました。後は工夫を出すだけです。

頂上を実現するための工夫(手段)をひねり出す。

 いよいよ工夫(手段)をひねり出していきましょう。こんな質問を自分に投げかけました。

「こうなったらイイな を実現するためにやることは何ですか?」

 そうして出た手段(工夫)が次の通り。緑色の四角の中に書き出されています。

 手段と結果(工夫とこうなったらイイな)の関係はあまり厳密にはチェックしていません。関係性を眺めれば明らかに違うものについては違和感を覚えるのでなぜ実現できるかを深堀すればよいし、確からしいと思えるものについては、言語化されていないだけで過去の経験や知識などから暗黙的に細かなことまでたどり着けているはずだと考えるからです。

 たどり着けているかどうかの判断基準としては、本当にシンプルで繰り返しになりますが、その工夫をやるとこうなったらイイなになりそうか?のイメージが付くかどうかでやりました。

前提と工夫にはどれくらいの時間がかかるのか?

 ちなみにちょっとだけ時間を使って考えてみた。と最初のほうに書き明日が、どれくらいの時間でやったのか?というと20分くらいです。

 これは得られる結果からするとかなり短くて簡単だし心もスッキリすすめることができて、コスパがいいのではないかな。と考えています。

 何でこれ位の時間でいいの?というと、たぶんこれ位で言語化できないことは、現時点では私に見えていない・気にしていないことだから、やってみないとわからない領域なんだと考えているからです。

 最初のステップの 私たちの前提が出ずに悩んでしまう場合には、特に”今は”私にとってのうまくいかない理由が見当たらない。ということなので、言われたとおりにやってみるといいとおもいます。

 もしも、上手くいかない理由は見当たらなかったハズなのに、やってみて失敗した感が残りがち。でどうにかしたい。という方は、誰かに頼るのも手だなと思います。頼り方も簡単です。「これやってみようと思うんだけれど、もしうちでうまくいかないとしたらどんな理由があると思う?」と聞くだけ。いろいろ教えてくれると思います。それってなぜ?と思うようなことがあれば、それってなぜ?と思ったまま聞くことで、さらに私が見えていなかった(意識していなかった)、チームの前提・背景が見えてくると思います。誰かに頼るときも、20分くらいでOKです。

中編のまとめ

 やっっと、導入のための工夫までたどり着きました。

 計画ちゃんとしよう。とか、目標を設定して。とか、考えようぜ。とか
さまざまなわかるようでわからない。そんなところをうまくプロセス化して進むことが出来ました。

 今回使ったプロセスは、↓この本の考え方を参考にしています。

 
次回後編では実際にどんな風にやったのか、どんな反応があったのか?
どうしてこんなタイトルになったのか?について書きたいと思います。


 


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