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辞書をなげ捨てる【花や古道具日記】

『シュウメイギク』
キクという名のアネモネの仲間。
水揚げは方法は湯上げか燃焼

花の形は似ているけれど、ヨーロパ生まれのアネモネより
日本の太陽の光と、相性がいい気がする。

湯上げ・沸騰したお湯に10秒くらいつけておく。
燃焼・茎の先をばちばちっと黒くなるまで焼く。

シュウメイギクの原産地は中国で、日本にも野生のものが見られる帰化植物です。

植物は、移動する。

風に乗って偶然の地に辿り着いたり、
動物や虫に運ばれることもある。

特に人間は積極的に植物を移動させてきた。

珍しい花や植物は心をワクワクさせてくれる。
尽きない好奇心を満たすため、人間は他の生き物を移動させてきた。

人は自ら長い距離を時間をかけて動かすこともある。
移動時間は、身一つになった気分で作業をするより考え事の方が向いている。

色々と考えていると、なんだか正解が知りたくなったり、もうすでに誰かが考えた定義に寄っ掛かりたくなる。

その長い人生を放浪して過ごした、社会学者のエリックホッファーは、仕事を求めて列車で長い移動をしていたところ、ある学問での仮説を思いついく。

その答えを知りたくなり、持っていた百科事典に手を伸ばした。
ただ、答えを見ることなく、辞書を窓から放ったという。

ついつい、正しいものを知ろうとして自分の考えを止めてしまう。
頼れると思うものが近くにあれば自分で立つことを諦めてしまう。

正しいことは大切なことだけれど、人生を楽しむには物足りないようだ。
行き先のわからない道を、不安と期待の中で進んで行くことは、生きている人間にしかできないことだろう。

圧倒的に頼れる存在から、少し離れて見る。
正解があるかわからない問いを考えあぐねて見る。

価値を創造する行為はその繰り返しだろう。

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