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YKJUN18|作品感想

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作品を観て・読んで、「ここ好き」と思ったこととか、「ここ不満」 と思ったこととか。  ★5=期待以上 ★4=満足 ★3=好し悪し半々 ★2=不満が大きい ★1=不満しかない
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#ネタバレ

原作小説が刺さりに刺さった人間による、映画『傲慢と善良』感想

お気に入り度:★★★・・ 3 / 5  小説『傲慢と善良』を読んだきっかけは、人からのオススメだった。 普段、自分は何を読むにしても観るにしても、気になったものを気が向いた時に楽しむスタイル。そして、小説は滅多に読まない。だから、人からオススメされた小説を読むなんてかなり珍しいんだけど、『傲慢と善良』は予想外に刺さりに刺さった。 「現代の婚活」を扱った同作は、サスペンスさながらの場面で幕を上げ、失踪者の捜索という話の中で「人が人を値踏みする行為・心理」をこと細かに描写す

終末期ボンボン読者による、映画『化け猫あんずちゃん』感想

お気に入り度:★★★★★ 5 / 5  初めに『化け猫あんずちゃん』のアニメ映画化の知らせを聞いた時、頭に浮かんだことは「あんずちゃんもボンボン作品じゃなかったのかあ」だった。 小学生の頃の自分は、『コミックボンボン』を愛読していた。『恐竜世紀ダイナクロア』で心を躍らせ、『天使のフライパン』で目元を濡らした。『ククルとナギ』に燃え、『小鐵伝!!』に胸を打たれた。どの作品も好きだった。その中には『化け猫あんずちゃん』もあった。 しかし、この時期のボンボンは終末期――すなわ

『タイタンズ〈シーズン4〉』感想

お気に入り度:★★★★・ 4 / 5  2018年から始まった『タイタンズ』の最終シーズン。ただし、脚本家たちが次のシーズン5のアイディアを出し合った後に、シーズン4が最終シーズンになることが決まったんだそう。そんな経緯を辿ってはいるが、しっかり最終シーズンらしい内容に仕上がっていたと思う。 戦闘シーンがイマイチだとか、ジンクスの扱いが悪いだとか、コナーの闇堕ちが唐突だとか、犬の活躍がないだとか、不満もあるにはある。けれど、若きヒーローたちの活躍と、人が備える善と悪の二面

『ブラックアダム』感想

お気に入り度:★★★・・ 3 / 5  敵は躊躇なく進んで殺すけど、民衆に人気で、子供に優しく、わりとノリが良い破壊神! DCコミックス映画の傾向からしてあまり期待していなかったが、思っていた以上に「最恐アンチヒーロー」ではない……。目的の為なら子供も殺すようなコミックスでの苛烈さがまるで見当たらない。最恐アンチヒーローなら「ほっこり」より「ドン引き」させてほしい。 とにかく敵を殺すブラックアダムと無闇な殺生を許さないジャスティス・ソサエティ、両者は異なる正義を持つものと

『がんばれ!スーパーペット』感想

お気に入り度:★★★★・ 4 / 5  実写映画のジャスティス・リーグは辛気臭かったが、3DCGアニメーション映画のジャスティス動物・リーグは明るく大活躍。下品なネタやマニアックなネタが散りばめられてはいるものの、王道にヒーロー物でペット物。スーパーマン作品らしく「犬、飼い主、飼い主の恋人」という形で三角関係を盛り込んでもいる。ベタな話だけど、家族向けだし良いと思う。 難を云えば、折角のスーパー動物なのだからアクションをもっと凝ってほしかった。何の種類の動物でも関係ないよ

アローバース『アース・プライム』感想

お気に入り度:★★★★★ 5 / 5  DCコミックスより2022年4月から6月にかけて全6号が刊行された、アローバースのコミックシリーズ『アース・プライム』の各号感想。 #1: バットウーマン作品内容 「肉と泥」〔Flesh and Mud〕 バットチームがレナ・ルーサーの力を借りて、二代目クレイフェイスに立ち向かう。実写ではできずにいた『バットウーマン』と『スーパーガール』のクロスオーバー・エピソード。時系列は『バットウーマン』シーズン3 第7話と『スーパーガール』

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』感想

お気に入り度:★★★★・ 4 / 5  サム・ライミ監督の「スパイダーマン三部作」やマーク・ウェブ監督の「アメイジング・スパイダーマン二部作」とはまた異なった、新しいスパイダーマンの物語を紡いできたMCUの「ホーム三部作」の完結編。今作では魔法とマルチバースという要素を取り入れ、歴代実写スパイダーマン映画とのクロスオーバーまでをも果たした。 正直なところ、ホーム三部作としては前作『ファー・フロム・ホーム』の方が、少年ヒーローやマルチバース等の似た要素を持つスパイダーマン映

『タイタンズ〈シーズン3〉』感想

お気に入り度:★★★★・ 4 / 5  2年越しの新シーズンだけあるのか、それともHBO maxに移籍したからなのか、これまでよりも段違いで面白い。相変わらずDCコミックスの知識がある程度必要な「DCコミックス中級者以上向けエルス作品」といった作りだが、ちゃんと熱くて泣けるヒーロードラマに仕上がっている。 こうも面白く感じられるのは、物語の進行が小気味良いのは勿論のこと、犯罪都市や宇宙など登場人物ごとに背景の世界観が異なりながらも、物語の中心軸である「タイタンズ vs レ

『シャン・チー/テン・リングスの伝説』感想

お気に入り度:★★★★★ 5 / 5  MCUの中で、いや、アメコミヒーロー映画の中で特に面白かった! カンフー映画とスーパーヒーロー映画を合わせたアクションとともに、熱くて泣ける物語が紡がれていく。ディズニーのファンタジーアニメーション作品を思わせるところもある。 どの登場人物も等身大の魅力に溢れていて好かったが、中でもヒロインのケイティがセックスシンボルではなくあくまでも主人公の友達キャラで、すごく好かった。「明るいが自己評価が低い」という性格も相まって、自分の友達で

『ブラックライトニング〈シーズン3〉』感想

お気に入り度:★★★★★ 5 / 5  シーズン3は、『ダークナイト・ライジング』や『ゴッサム〈シーズン5〉』の原案となった『バットマン:ノーマンズ・ランド』のブラックライトニング版だ。外部と断絶された街を舞台に、引き離されたヒーロー家族、苦しむ市民、権力をめぐり争うギャング、暗躍する政府機関、野望を抱くテロリストなど、様々な人間の思惑が絡み合う。 『ブラックライトニング』は脇役が印象的なシリーズだと思う。A.S.A.を率いるオデルほど嫌な人物は見たことがない。対マルコビ

『ARROW / アロー〈シーズン8〉』感想

お気に入り度:★★★★★ 5 / 5  第8話にあたるクロスオーバー・イベント「クライシス・オン・インフィニット・アース」を山場に、それに至るまでの7話と、後日談2話で構成される『ARROW /  アロー』ファイナル・シーズンの感想。 第1話から第7話までこれまでオリバーは、死んだ家族や仲間からバトンを受け取って人生を歩んできた。それがシーズン8では、オリバーの方がバトンを渡す側となる。懐かしい人物も登場し、本当に最終シーズンらしさを感じる。各話のタイトルカードにシーズン

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』感想

お気に入り度:★★★・・ 3 / 5  DCコミックスの女性ヒーローチーム「バーズ・オブ・プレイ」の実写化作品。原題は『BIRDS OF PREY (AND THE FANTABULOUS EMANCIPATION OF ONE HARLEY QUINN)』。しかし、ハーレイ・クインが主人公になっていて、邦題の『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』の方が作品内容を表している。 そもそも本作はチーム物としての形を成していない。物語はハーレイ視点でハーレイのナレーションとともに進

MARVEL ディフェンダーズ系作品 各ファイナル・シーズン 短文感想

MARVELのクライム系スーパーヒーローのテレビシリーズでアベンジャーズな展開をするも、残念ながら一斉打ち切りとなったディフェンダーズ系作品の各ファイナル・シーズンの手短な感想。 『ルーク・ケイジ〈シーズン2〉』感想お気に入り度:★★★★・ 4 / 5  地面を這って生きるしかない者たちの物語だ。誰もがハッピーエンドを迎えられない。鋼鉄の男たる主人公のルークケイジですら例外ではない。キャラクターも劇伴も力強いのに世界観は刹那的。シーズン1より断然好き。 『アイアン・フィ

『タイタンズ〈シーズン2〉』感想

お気に入り度:★★★・・ 3 / 5  シーズン2はシーズン1最終話の直後、トライゴンとの決戦から幕を開ける。この辺はシーズン1の真の最終話と云える内容で、普通にシーズン1で済ませておくべきだった気がする。まあ、レイチェルとガーを助けに来たはずのタイタンズの仲間たちが揃いも揃って役に立たず、結局レイチェルとガーだけで敵を倒す展開は、最終話としてやるにはかなり微妙だが。 そうしてトライゴンを倒し、新生タイタンズが結成されると、デスストロークとの戦いが始まる。やがてタイタンズ