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連作短歌

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#今日の短歌

連作短歌「無関心への深い理解」

昔なら少しのヒビが嫌すぎて丸ごと捨ててたかもしれない 前回から今回までの感想をこの人はいま話してるんだ 2を3にさせたいほどの深度ではないのかもしれないかもしれない

連作短歌「カムジャタン」

やさしくなさがやさしさになるすみっこにペットボトルは飲みさしのまま 黙らせる効果と喜ばせる効果の両方を持つ高い花束 有益な会話しないとここにいちゃ駄目って自分にだけ思ってる

連作短歌「共有」

夜光る宮下パークの階段の前の横断歩道の体温 夜更かしを自由さみたいに言ってくるやつと結婚したらだめだよ 半袖で東横線へ消えてゆく夢から夢へ乗り継ぐように

連作短歌「倫理」

ともだちの少ない人にありがちなジェラシー的なものの苦手さ きらわれてゆく快楽を認めつつサラミを舐めてきらわれてゆく 合理的だった世界のひびわれをすみかにしよう首をすくめて

連作短歌「起伏」

京都タワーの良さを語っている人に隠してしまう生まれた土地を むずすぎてむずいですって言ってしまう棄てられている姿見に雨 不安定さという言葉だせなくて遠回りしてしまった論理