マガジンのカバー画像

連作短歌

894
ふだんの短歌です
運営しているクリエイター

2024年4月の記事一覧

連作短歌「ノーショー」

毎日はやってられない優しさをときどき補充しにくるわたし きめ顔でお別れするのは苦手やし扇風機だけもらってあげる コミュニティーバスの時刻のしらべてもしらべても出てこない啓蟄

連作短歌「誘引」

会話するたびに倒れる寸前のセーブポイント 光でわかる 役割を自分で決めてやらなくていいこと増やして生きたい砂漠 これはもう片思いでもないなんかスプリンクラーみたいなもんだ

連作短歌「スナップショット的」

カタログを見ているときのスピードでわたしの頼りなさを蔑んで 下書きのようなラフさで本心を置く。下書きのようなラフさで、 違う人ならうれしいかもしれないセリフを言って笑う髙橋

連作短歌「ユーグレナ」

あの夜の僕ら絶対ミドリ色だったと誰か信じて、欲しい 一生に一回あなたが叫ぶとこ見たいなあとても美しいから 長生きをしたい 自然な早死にをしたい 片思いをしたままで

連作短歌「槍投げ」

2の速さ4の速さを操ってCM飛ばす夜中の手つき 他人から見える自分と姿見に映る自分の差がモダニティ もらとりあむ人間。もらとりあみながら変な形の階段を撮る

連作短歌「半信半疑」

なんらかのパーカッションになりたくてわけもわからずぬり絵を買った 餅つきは見ているだけが懐かしいくっちゃんくちゃんくちゃんくちゃくちゃ 正解がなくてうれしいお絵描きは中学校のようなカオスさ