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連作短歌

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2020年7月の記事一覧

連作短歌「🐧」

怒り方わからないから道なりに二時間あるいて九時間ねむる 思い出は歩いてこない思い出はそもそも足とかも生えてない 他人から見ればほとんどゴミだけど、みたいなことが溢れそうです

連作短歌「🐥」

誰のっていうかいつでも置いてあり私もたまに履くのサンダル 捨てた気も捨ててなかった気もすると言われてシュレディンガーの思い出 小さいが一生消えない怪我をして結構いやだけどしょうがない

連作短歌「🐣」

手づくりのドレッシングをかけすぎたり足りなかったりさびしかったり 今は弟が使ってる本棚にたぶんまだある森見登美彦 お祭りの日も夕方にさしかかり去年と来年の真ん中が今

連作短歌「🐤」

ぼくは右手をきみは左手を持ち上げて二十秒間見つめつづけた あこがれることもすくなくなってきて池に落ち葉がただ浮いている 中指にグリーンゴールド混じってる指輪だらけの手で撫でてくれ

連作短歌「変数」

過去作を追いかけているところです もうすぐぜんぶのあなたに会えます いままでにあなたが歌ってきた変数「君」に私を代入してく 買ってきたものを冷蔵庫に入れているうちに忘れちゃったアイディア

連作短歌「彗星みえない」

終わらないかくれんぼにもう笑えない七月 麦茶すててしまった 零時半 角を曲がっていく君がみえなくなったあとの足音 思ったよりからだがあつい 泣くときに耳さわる癖 彗星みえた

連作短歌「🦜」

なんだあの高校生は女5人男1人で下校してるぞ 生肉をどんどん食べる 世界じゅうに友だちがいる気になってくる 生きたいね 濡れたページは丁寧に剥がしてあげる 今日も明日も

連作短歌「マルメロ」

へんなグミいっぱいくれる先輩がいますタピオカ味スイカ味 こんな日もどこかでだれかが本当に会いたいひとに会いにいく日だ ‪さみしいのが多様性だね さみしいねって言い合えるって信じていたね‬

連作短歌「コミックエントリー部門」

それぞれの社会に生き延び方があり今の日本はこういう感じ 恋っぽく切り取ってゆく毎日の私専用虚構新聞 途中から始まる夢のような音 死ぬまで続くはずはないけど

連作短歌「諭されたい」

一度だけ言ってくれたら脳内で何度も再生できる死ぬまで いいことを教えてあげる冷凍庫にキャラメルホリック入っているよ 頑固って言わんからもうおこらんで どうしてずっとそうしているの

連作短歌「ファミレス」

ファミレスは安くてうまいだけじゃなく外のぼくらも照らしてくれる ジョーク的な瞬間があり生活はなんとか生活として成り立つ ドリンクバーみたいにいろいろ飲みたいよ 本命なんて決めたくないよ