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Excelはもう卒業!膨大な会員データを扱いやすくする方法

会員数が数千人いるとある協会から会員管理のシステム化の相談を受けた時のお話です。

それまで協会というものに知見が有りませんでしたのでまずはお話を聞いてみることにしました。

協会の運営する上でのお金の流れのざっくりした流れは「認定資格の取得」やそれに必要な講座・レッスンなどでお金を会員さんからいただく形です。

その中で最低限管理したい情報は

・誰さんが

・どこの場所で

・どこまで受けか、卒業したか

というものになります。

そして相談元の協会は会員数が多く、全国各地にも認定を受けた教室があります。

各地にあるということはその情報を最初に集めるのは各地の教室の運営者。

その集められた情報を本部の方が集約して初めて情報管理が成立します。

数千もの会員数まで成長させてこられたことが本当すごい、何より1箇所でなく全国に展開されていることもすごいです。

なのでその当時の会員の方の情報はどう管理されているかと聞いてみると

・Excelで管理している

・各教室に聞いて本部の方が頑張ってまとめている

とのことでした。

Excelからの卒業

Excelは学校でも習ったりwindowsのPCを買ったら入っていることもあり馴染みのあるものですが、このExcel思っている以上にすごいです。

パッと開けて編集して売上管理や在庫管理、お客さんの管理も1シートにうまくまとめたら割となんでも管理できます。

関数を活用したり、さらにはマクロ(プログラムのコードで計算や処理を自動的にするもの)を組んだりすると出来る範囲はさらに広がります。

なので何かの情報管理を小さく始めるならExcelや今だとGoogleのスプレッドシートで始めるのは時間対効果がとても良いと思います。

なので変に最初からシステムを組んだりせずにExcelで管理されていたことは賢い選択だと個人的には思います。

ただし数百件を超えてきたり、一人でなくいくつもの場所・何人かで情報を管理するとなると限界がきますので、そういったタイミングが来たら晴れてExcelからは卒業することを考えましょう。

今回のご相談はまさにこのタイミングでした。

各会員の方からの情報をExcelで管理となると、

・各教室で会員の方の情報を取得する

・それを紙なり何かしらで保存

・それをメールかなんかで本部に共有

・本部の人がそれをマスターのExcelで保存する

という流れになります。

こう見ると手間がいくつもあり、普段の業務の傍らに必ずやるとなっても忘れてしまったり、管理方法が統一されていなかったり人の手を何度か渡る為、途中で正しい情報でなくなったりするリスクもあります。

システム化にあたって

これらを最適に管理するのが今回の相談内容です。

システム化するにあたって出来る限りシンプルに考えたいと思います。

まずExcelで1シートに管理されてるものをしっかり情報を最適にグループ分けして、管理したい項目を洗い出します。

次に誰がどのタイミングでどのように使うと手間が減るかを考えます。

特に後者は業務フロー、情報の受け渡しがどういったものなのか現場の状況をしっかり理解しないと誰のためでもないシステムが出来上がります。

今回は会員さんが各教室に初めて来る時に情報を取得しているとのことだったのでその時に必要最低限の情報を各教室担当者に登録してもらうことにしました。

その結果会員登録も完了し、会員さんにもマイページを発行して自身の進捗や教室とのやりとりが一元管理できると良いとなり

本部用の管理画面

各教室用の管理画面

会員の方用のマイページ

と3方よしとなるようなシステムを作ることになりました。

システム導入による改善

結果、会員の方の情報管理が圧倒的にしやすくなり各教室単位での集客状況なども可視化され本部から各教室とのコミュニケーションが取りやすくなるというメリットがありました。

他にも色々とメリットがありますが、情報をExcelにまとめるまでの工程がかなりカットされて本部としてはチェックするくらいになり管理の手間がだいぶ下がったことが何よりのメリットです。

その浮いた時間で別のことができるので、システムを作る場合本当はとりあえず作りたいでなく必要に迫られていたり、必要な状況が明確でかつ何があれば利用する人が幸せになれるかを考えて作ると、今回のような「活きたシステム化」のようになるかと思います。

それ以外のメリットと私が大切にしたいこと

また、ちゃんとシステム化ができると最初は不慣れであっても現場の方が使ってくると「もしかしてこうしたらより良くなるかも?」と改善案が出てくるようになります。

普段のルーティンワークの仕事だけだと出てこないですが、システム化は通常の業務の流れが変わるいい機会です。

この機会に現場のことや業務理解がなく、使いづらいシステムを形式上導入されて現場のメリットがない場合は、よりシステムに抵抗感を覚えて改善するなどの意識はなくなり、文句や批判が先行しますが、現場で使えるものや明確にメリットが享受できるとなるとプラスな意見が出てきます。

そしてそれをそのままシステム化するのではなく一緒に「どういう形になれば使いやすくなるのか」を考え反映していく継続的な改善活動こそが大切で、それこそITを活用するということではないかと思います。

システムを開発する側としては、ビジネス的に言われた通りに作ると100万円請求でき、その後の保守性も悪くなり改修の度に30万円かかるようなものも作ろうと思えば作れると思います。

そこをシンプルな設計に落とし込み30万円で実装、保守改修も数万程度で済むような無駄のないものにできる方が、本来提供する価値は高いと思いっています。

たとえ自身に直接的に入ってくるお金少なくなろうとも、前者のやり方は流れるお金以上にクライアントにコストとしてのしかかるだけになり、作り手だけが儲かるためだけのシステムは少しでも減らせるように心がけています。

目の前のお金よりも長期的に関係性を築き、共に事業を成長させられる方と一緒にお仕事がしたいと考えています。

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