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2020.11月6日 長編・28『象は忘れない』& ピンクのモチーフ(コースター)

本日の名探偵ポアロシリーズ読書記録 長編・28は『象は忘れない』です🐘

この作品にも、推理小説家のミセス・オリヴァが登場していますよ♪ 過去に起きた事件の謎を探る、というクリスティ氏お得意の設定で、私の大好きな『五匹の子豚』を想起させる作品です。

この作品の中で、ポアロ氏・スペンス元警視・ギャロウェイ主任警視の3名が会談をしているシーンがあって。『五匹の子豚』『ハロウィーン・パーティ』『マギンティ夫人は死んだ』という、以前ポアロ氏が解決した事件について、氏自身が語っているのですよね。

これって、凄く面白いって思うのですよ!事件そのものに連続性はなくて、それぞれ独立したものなのだけど。特徴として似たようなところのある事件ということで、回想として語られているのですね。

もし。上記の3作品を読んだことがない読者が、この『象は忘れない』を読んで(面白い!)と感じたら。きっと、その過去作を読んでみたいと思うはず。こういうところ、巧みですよねぇ。クリエイターとして、勉強になりますね。

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そして。私は、この小説のラストの台詞が大好きなのです。

【「ふだんの生活にもどるのですよ、悲劇とか恋愛とかは忘れてね」

「象は忘れない」とミセス・オリヴァは言った。「でも、わたしたちは人間ですからね、ありがたいことに、人間は忘れることができるんですよ」】

どんな悲しい体験も恋愛事件も、人間は忘れることができる。忘れるという能力を持っている。素敵な考え方ですよね♪

と、ともに。現実逃避的に読み耽っていた、ミステリ作品を読み終わったあとは、「ふだんの生活にもどりましょう」という、作者からの暖かいメッセージのようにも感じられるし。

【フィクションはフィクション。非現実の世界と現実世界とは、くっきりと線引きされているのだ。

仮想世界や非現実界に呑み込まれることなく。現実の世界を、地に足を着けてしっかりと歩んで行こう】

読み終わった後には、必ず《現実を生きる力》をくれる存在。それが、私にとってのミステリ作品なのです。だから、ミステリ作品が大好きなのです。

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本日の編み物モチーフは、数日前に一度投稿したピンクのモチーフ(コースター)です。

前の投稿では、写真がピンぼけしていたので。リベンジ投稿の意味も込めて。

【回想の殺人】ならぬ【回想のモチーフ】です☆

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