2021.1月16日 短編・30『第七の事件 クレタ島の雄牛』 & 水色の星型モチーフ
名探偵ポアロシリーズ読書記録 短篇集『ヘラクレスの冒険』より、本日はこちら↓
『第七の事件 クレタ島の雄牛』の読書記録です。
この事件は、かなり難解で厄介ですね。難しい…
デリケートな問題を含んでおり、感想を述べるのも難しいです。
とても、哀しく苦く重い気持ちになってしまう事件でした。
クリスティ氏の作品の中では珍しく、気楽に楽しめる娯楽作品として読むことができない作品で。重苦しいテーマを描いた小説だと、私的には感じました。
最期に聴こえた一発の銃声も、哀しく響いて…
とはいえ。この作品に対する評価が低いと申している訳ではないのです。
読後に重苦しい気持ちになってしまうけれども。それでもなお、素晴らしい傑作というものも確かに存在するのですから。
松本清張先生の小説は、殆どがそういった作品ではないでしょうか。 読後感が爽快だとは言い難いけれども(この作品を読むことができて善かった)と、読者が感じたとしたら。それは本当に凄い作品だったのだということ。
私は、気楽に楽しめる娯楽エンタメ小説も大好きですが。読後に深く考え込んでしまうような爪痕を残してくれる小説も、愛しています。
クリスティ氏はそのどちらも書くことが出来る、稀有な作家であったのだと、改めて思い知りました。
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本日の《ミニミニシリーズ 第七のモチーフ》は、水色の星型モチーフです☆
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