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2022.3月19日 『空の境界』読了しました🗡️

昨日の投稿に引き続いて、のカタチにしたかったので
急いで読了することにしました、講談社ノベルズ版『空の境界』。
なんとか、間に合いましたね♪

著者は、奈須きのこ氏。
私の中では、佐藤友哉氏や鏡征爾氏のような80年代生まれの
私より若い世代の作家さんだろう、という思い込みがあったので
自分とほぼ同世代の方だと知り、若干驚きました。

この小説が、初めて同人誌で発表されたのは2001年とのことで、それも意外でした。
何となく、2000年代後半に人気をはくしたライトノベル、というイメージだったのですよね。
メフィスト賞を受賞した、新人作家さんのデビュー作、みたいな。
そうではなかった訳ですが。

【ライトノベル】という括りもちょっと違うのかな?
【新伝綺小説】と、いうのですかね。

私は、70年代半ば生まれなので
自分自身が好んで読んでいた伝奇小説といえば
『宇宙皇子』や『帝都物語』、『新里見八犬伝』といった作品を思い浮かべるのですが

2000年代に10代の思春期を過ごした世代にとって、
奈須きのこ氏の『空の境界』は、その位置付けに近いのかもしれませんね。
80年代に流行した伝奇小説の流れをくむものの、それとは異なる性質と特色を持つ【新伝綺】ということなのでしょう。

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私は、Kalafinaの皆さんの歌声と梶浦由記さんの創る音楽が大好きで
実は、その繋がりで『空の境界』という小説に興味を持ち、読んでみようと思いまして。

読後感の良い楽しい小説とは、お世辞にも言えないですし
読んでいて辛くなるような、酷い嫌悪感を感じてしまうような描写もあり。
正直、公共図書館のヤングアダルトコーナーに置いてあること自体、
(勇気ある決断だなぁ)と、感心してしまうわけですが。

それこそが、図書館の自由が守られている証拠でもあるように思えますので
私は、その勇気に称賛と拍手を贈りたいですね🤗

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語り部となる登場人物が、コロコロと変わっていくので
誰か1人に共感して、感情移入するのは難しく。
それは、意図的にそう構成されているのでしょう。
「共感してもらっちゃ、困るのだよ」的な。
ただ、色々と言葉を駆使して、丁寧に徹底的に説明してくれているので
読者置いてけぼり状態、ということはないですね。

やはり、10代の少年少女を読書層としてターゲットにおいているのでしょうから
そこら辺の説明は、ある程度キッチリやっておかないと、読者がついてこれないだろうと
そこは、文字通り親切な親心を感じますよね。

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なのですが、ね。私の勝手な感想なのですけど。

『空の境界』という作品を創ろう、創作物を完成させよう、という意志は強く感じるのですが
いわゆる、(一般的な【小説】を書こう) という意識は希薄なような、そんな印象を受けましたね。

小説が書きたかったのではなくて、作品が創りたかった
そんな感じ。
そこが、当時としては斬新で、新セカイを切り拓いたと、高く評されたのかもしれません。

あまり勝手なことを述べると、叱られてしまいますね💦 すみません🙇‍♀️

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そして。

上下巻どちらの巻末にも添えられている
笠井潔氏の解説文が、本当に見事で秀逸なので
ぜひ、読書好きの方々には一読していただきたいです。

この本を、読んで良かった! と、感じることが出来る素晴らしい名解説文でした。
笠井潔先生、やっぱり凄いです🤗🌸

(映像化作品の主題歌です♪)



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