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2020.10月4日 長編・17『五匹の子豚』 & 5人のキューピーちゃん

いよいよ、この日がやってきました。名探偵ポアロシリーズ 長編読書記録『五匹の子豚』の登場でございます!!

私は名探偵ポアロシリーズの中で、この作品が一番好きなのです♪ 私にとって、特別な思い入れのある作品でして。

写真を見ても一目瞭然かと思いますが。図書館で借りた本でもなく、古書店で購入した古本でもない。新刊を購入しております!(贅沢を出来るだけ控えるケチな私が、新刊本を購入している。それだけ、クオリティーの高い素晴らしい作品であると、私が認識しているということであります)

いつか、私がこの世で最も大切に想っている人に、この本を贈りたい。そう思っている作品のひとつです。

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"回想の殺人"という非常に難易度の高いテーマを扱っている作品で、クリスティ氏の技巧の素晴らしさが堪能できる秀作であります。

それでありながら、ゴーギャンを彷彿とさせる画家・芸術家を登場人物の1人として描いていることにより。技巧・技術・論理一辺倒の、堅苦しい小説という印象を読者が感じることもない。むしろ、人間が持つパッション、といいますか。独りよがりで 利己的な理不尽な情熱というものも、見事に描き切っていて、そこが非常に優れている点だと感じます。

 「芸術家に正論や常識など通じない」と、言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが。正論や常識が通じる芸術家の方も、たしかにいらっしゃる訳で。一概には言えないので、やはり芸術家特権云々よりも、【人間の持つ業】という事なのかもしれず。私の中でも、この辺りは未だすっきりとは解決できていないです。

Knit優香は芸術家・アーティストではなく、技術者だと自認しておりますが。創作者・クリエイターであることは間違いなく。傍目には、その違いなど理解できないことでしょうし、同じに見えているだろうと思うのです。

「素晴らしい作品を産み出すために、犠牲になる者が出てしまったとしても、それはやむを得ないことなのだ」 という理屈は。理不尽で破壊的で到底許されることではないと、憤りを感じる一方で。

圧倒的にもの凄い熱量を持って、こちらの感情を揺さぶるような作品を前にした時に。私のそのちっぽけな義憤や良識など、吹き飛んでしまうのかもしれない。そういう怖さを、私は感じているのです。

そこに鉄槌を喰らわすかのようなこの『五匹の子豚』という小説は、私にとって心の支えであります。

最後に。この作品を読む前でも後でもいいので、是非サマセット・モーム氏の『月と六ペンス』を併せて読まれることをお薦めします! おそらくクリスティ氏は、自身の読者の多くが『月と六ペンス』を読んでいるという前提のもとに、この『五匹の子豚』を書かれています。さらに、ゴーギャンの絵画が載った画集等も合わせて堪能すれば、その味わいは更に深まること間違いなしです♪

今回の編み物作品紹介コーナーは。モチーフ編みではないのですが、ドレスを着た5人のキューピーちゃんを選びました

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五匹の子豚 ならぬ 5人のキューピーちゃんです

♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

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