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2021. 7月7日 ミス・マープル長編・12『スリーピング・マーダー』 & 薄いブルーの上着

ミス・マープルシリーズ読書記録 長編最後の作品は『スリーピング・マーダー』です。

実は、この記録を書いている今は【6月3日】です。緊急事態宣言期間中の為、公共図書館が閉館しておりまして。
『バートラム・ホテルにて』と『復讐の女神』を借りることが出来ないので、
こちらを先に記しておき、保存しておくことにしました。

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『スリーピング・マーダー』が発表されたのは1976年なのですが、実際に書かれたのは第二次世界大戦中の頃です。
万が一、働けなくなったときに備えて保管されていたそうで。30年以上もの間、大切に仕舞われていたのですね。
そういう「備えあれば憂いなし」的な発想、好きです♡
アガサさんの堅実で現実的な思いやりと美しさ、見習いたいものです。

今回、私が事前に読書記録を書いて保存しておくことになったのは、緊急事態により【やむおえず】の処置ではあるのですが。
図らずも、クリスティ氏のオマージュのような形になりました。

『スリーピング・マーダー』は、──ミス・マープル最後の事件── とされていまして
素人探偵として様々な事件を解決してきたミス・マープルの最晩年を描いている作品です。

なのですが。
最後の最後まで、ミス・マープルは実にいきいきと活躍しておられます。
この点は、『カーテン』(ポアロ最後の事件)でのポアロ氏の描かれ方とは対照的ですね。

事件の内容としては、ポアロもの長編『五匹の子豚』に似ているところが見られます。
それは、〈回想の中の殺人〉の真相を明かしていくという点ですね。
小説として、遠い過去に起きた事件を掘り起こし解決に導くという形式は
とても難易度が高く、非凡な才を必要とするものであろうと思います。

あらゆる技巧を駆使し、且つ難解過ぎない軽やさや爽快さをも感じさせる作品に仕上げるクリスティ氏の腕には、脱帽するしかありません!

この小説がみずみずしい爽やかな魅力を持っている要因は、ジャイルズとグエンダという新婚の若いカップルの存在が大きいと感じます。
好奇心旺盛で、先走りがちな2人を
暖かく見守りつつ、サポートするミス・マープル
という構図が、微笑ましくて素敵なのですよね
(*´꒳`*)

事件に直接的には関係ないのだけれど、個人的に凄く好きな箇所がありまして。ミス・マープルが旅先でお買い物をする場面です🧶

《ミス・マープルは海岸の遊歩道をわたり、アーケードの脇の丘のほうへあがるフォアー通りを歩いて行った。
このあたりは古風な店ばかりだった。毛糸と手芸用品の店、お菓子屋、ヴィクトリア朝風の婦人装身具、服飾専門店、そのほか似かよった感じの店が並んでいた。
…(中略)…
ミス・マープルは赤ん坊のジャケットを編むのに薄いブルーの毛糸をほしいと言った。》

このシーン、憧れちゃうのですよね♪
私もいつか、旅先で海岸通りを歩き、さらにその近くにあるお店で薄いブルーの毛糸を買いたい!
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

いつの日か、叶えたい夢です。

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という訳で。本日の編み物は、薄いブルーの糸で編んだ赤ちゃん用上着です🤱

赤ちゃん用というより、キューピーちゃん用ですけども♪


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