YK
YK最後の日々。
随分と前の話。 ある春のことだ。 職場に、新しい派遣職員の女性が入った。 まだ、女の子、と言ってもいいのかもしれない。 そんな雰囲気の、若い女性だった。 スラッと背が高く、鼻筋がスーッと通っていて、長い黒髪が印象的で。 新入職員としてみんなの前で挨拶をする彼女を見て、きれいなひとだな、と。僕は素直に、そう思った。 彼女と僕は、部署が全く違うこともあり、会話はおろか、挨拶を交わすこともなかった。 若手のスタッフが「たまにはみんなで飲みに行きましょう